御主人様と愛奴 変態の日々の記録
プロフィール
Author:愛奴
♥当ブログは性的表現・画像を使用しておりますので、18歳未満の方は直ちにブラウザバックをお願い致します。
またSMに嫌悪感をお持ちの方は閲覧をお控え下さい。
自己責任の元での閲覧をお願い致します。
御主人様の愛奴です。
お初の方は「はじめに」をご参照下さい。
コメントは承認制となっておりますので、「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れて下さると非表示となります。
私からのお返事のみ掲載させて頂きますので、SMに興味のある方もノーマルの方も、皆様お気軽に足跡を残して下さると嬉しいです。
リンク
アクセスカウンター
月別アーカイブ
- 2022/05 (1)
- 2022/01 (1)
- 2021/05 (1)
- 2020/12 (1)
- 2020/08 (2)
- 2020/06 (1)
- 2020/05 (1)
- 2020/03 (2)
- 2020/02 (2)
- 2020/01 (5)
- 2019/12 (2)
- 2019/11 (2)
- 2019/10 (3)
- 2019/09 (4)
- 2019/08 (5)
- 2019/07 (3)
- 2019/06 (3)
- 2019/05 (7)
- 2019/04 (5)
- 2019/03 (7)
- 2019/02 (3)
- 2019/01 (8)
- 2018/12 (3)
- 2018/11 (3)
- 2018/10 (5)
- 2018/09 (5)
- 2018/08 (5)
- 2018/07 (8)
- 2018/06 (7)
- 2018/05 (5)
- 2018/04 (4)
- 2018/03 (3)
- 2018/02 (6)
- 2018/01 (4)
- 2017/12 (3)
- 2017/11 (6)
- 2017/10 (3)
- 2017/09 (3)
- 2017/08 (6)
- 2017/07 (8)
- 2017/06 (5)
- 2017/05 (4)
- 2017/04 (11)
- 2017/03 (3)
- 2017/02 (4)
- 2017/01 (12)
- 2016/12 (12)
- 2016/11 (4)
- 2016/10 (10)
- 2016/09 (15)
ブロとも一覧
ブロとも申請フォーム
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
ふと目が覚めた私。
飛行機の中でも眠っておいたのに、また熟睡してしまったよう。
隣りですやすやと寝息を立てていらっしゃる御主人様を静かに起こし、一緒にバスルームへと向かいました。
バスタブの中。
御主人様も熟睡してすっきりされたのか、饒舌に野球のお話をして下さっています。
今度、私の住んでいる所で試合があるのだと。
いつかの調教の日、野球観戦に行くのもいいなと仰っていた御主人様。
もしかして一緒に行けたりするのかな…?
そんな事をふと想いましたが、その考えが膨らむ前に急いで打ち消しました。
また私の早とちりかもしれない。
勝手に期待して勝手に落ち込むのは、私の悪い癖。
そう自分に言い聞かせながら、私は想い出していました。
御主人様の住んでいらっしゃる所へ出掛けた時の事。
並んで歩きながら、私の手を取って下さった御主人様。
「楽しいね」
そう仰った御主人様のお顔は、それまでに見た事のなかった優しい笑顔でした。
だから私はその後、余計に大泣きしてしまったのですが…。
またあんな風に楽しそうな御主人様を見る事が出来たらいいだろうな。
そうふんわりと想いながら、御主人様のお身体をバスタオルで包みました。
いつものように短時間で身支度を整え、チェックアウトを済ませた御主人様と私。
今日も沢山の人々が行き交う街中は、予想通りの混雑ぶりで。
幸いにも満員でなかった電車に乗ると、御主人様はご自分の鞄に続けて、私のバッグも網棚に上げて下さいました。
流石に座る事は出来なかったので、並んでつり革に掴まっていたのですが…。
幾つ目かの駅で、前の座席に座っていた人が降りて行かれました。
空いたのは一人分の席。
御主人様は目で合図をして下さり、私に座るよう促して下さいます。
こんなさり気ない優しさが嬉しくて堪らない。
空いた席に座りながら、私はぎゅうっと締め付けられる胸を抱え、目の前にある御主人様のスマートな脚を見つめていました。
今までは悲しくて仕方なかった電車での帰り道。
近づく空港が、御主人様と過ごせる残り時間をカウントダウンしているような気がして、ずっと電車が走り続けてくれればいいのにと何度も願いました。
けれど今は不思議。
あんなに悲しかった気持ちが嘘だったかのよう。
御主人様が当たり前のように私に席を譲って下さる事。
こうして二人、当たり前のように電車に揺られている事が嬉しくて堪らなくて。
私自身が一番、自分の感情の変化に驚いていました。
「葛藤する必要がない事を理解しなければなりませんね」
前回、心がぐちゃぐちゃになっていた私に、御主人様が与えて下さった御言葉。
そこには沢山の想いが込められていて、私もそれを解っている筈なのに。
いつもどうしてもそう在る事が出来なかった。
けれどこの時、私はそれを強く実感していました。
あんなに苦しかった事。
どうする事も出来ない事実を心が受け入れられなくて、御主人様を傷付けてしまった事。
私が余りに騒ぐものだから、御主人様はもうこの話をするのは止めようと仰って下さったけれど。
それでもどうしても逃げたくなかった。
目を瞑るのではなく、御主人様の愛奴として強く在りたい。
例え、立ち直れない程に壊れてしまっても、御主人様が与えて下さる全てを受け入れたい。
そんな私の想いを受け入れて下さった御主人様への気持ちが、私の葛藤を煙のようにかき消してくれたのでした。
もちろん、これからも辛い事、苦しい事はあるでしょう。
けれど私は逃げない。
御主人様をありのままに受け入れ、そこに寄り添い続ける事。
御主人様の御心に。
御主人様の生命に寄り添い続ける事。
それが愛奴として私を管理して下さっている、御主人様への最大の御奉仕だと私は想うのです。
飛行機の中でも眠っておいたのに、また熟睡してしまったよう。
隣りですやすやと寝息を立てていらっしゃる御主人様を静かに起こし、一緒にバスルームへと向かいました。
バスタブの中。
御主人様も熟睡してすっきりされたのか、饒舌に野球のお話をして下さっています。
今度、私の住んでいる所で試合があるのだと。
いつかの調教の日、野球観戦に行くのもいいなと仰っていた御主人様。
もしかして一緒に行けたりするのかな…?
そんな事をふと想いましたが、その考えが膨らむ前に急いで打ち消しました。
また私の早とちりかもしれない。
勝手に期待して勝手に落ち込むのは、私の悪い癖。
そう自分に言い聞かせながら、私は想い出していました。
御主人様の住んでいらっしゃる所へ出掛けた時の事。
並んで歩きながら、私の手を取って下さった御主人様。
「楽しいね」
そう仰った御主人様のお顔は、それまでに見た事のなかった優しい笑顔でした。
だから私はその後、余計に大泣きしてしまったのですが…。
またあんな風に楽しそうな御主人様を見る事が出来たらいいだろうな。
そうふんわりと想いながら、御主人様のお身体をバスタオルで包みました。
いつものように短時間で身支度を整え、チェックアウトを済ませた御主人様と私。
今日も沢山の人々が行き交う街中は、予想通りの混雑ぶりで。
幸いにも満員でなかった電車に乗ると、御主人様はご自分の鞄に続けて、私のバッグも網棚に上げて下さいました。
流石に座る事は出来なかったので、並んでつり革に掴まっていたのですが…。
幾つ目かの駅で、前の座席に座っていた人が降りて行かれました。
空いたのは一人分の席。
御主人様は目で合図をして下さり、私に座るよう促して下さいます。
こんなさり気ない優しさが嬉しくて堪らない。
空いた席に座りながら、私はぎゅうっと締め付けられる胸を抱え、目の前にある御主人様のスマートな脚を見つめていました。
今までは悲しくて仕方なかった電車での帰り道。
近づく空港が、御主人様と過ごせる残り時間をカウントダウンしているような気がして、ずっと電車が走り続けてくれればいいのにと何度も願いました。
けれど今は不思議。
あんなに悲しかった気持ちが嘘だったかのよう。
御主人様が当たり前のように私に席を譲って下さる事。
こうして二人、当たり前のように電車に揺られている事が嬉しくて堪らなくて。
私自身が一番、自分の感情の変化に驚いていました。
「葛藤する必要がない事を理解しなければなりませんね」
前回、心がぐちゃぐちゃになっていた私に、御主人様が与えて下さった御言葉。
そこには沢山の想いが込められていて、私もそれを解っている筈なのに。
いつもどうしてもそう在る事が出来なかった。
けれどこの時、私はそれを強く実感していました。
あんなに苦しかった事。
どうする事も出来ない事実を心が受け入れられなくて、御主人様を傷付けてしまった事。
私が余りに騒ぐものだから、御主人様はもうこの話をするのは止めようと仰って下さったけれど。
それでもどうしても逃げたくなかった。
目を瞑るのではなく、御主人様の愛奴として強く在りたい。
例え、立ち直れない程に壊れてしまっても、御主人様が与えて下さる全てを受け入れたい。
そんな私の想いを受け入れて下さった御主人様への気持ちが、私の葛藤を煙のようにかき消してくれたのでした。
もちろん、これからも辛い事、苦しい事はあるでしょう。
けれど私は逃げない。
御主人様をありのままに受け入れ、そこに寄り添い続ける事。
御主人様の御心に。
御主人様の生命に寄り添い続ける事。
それが愛奴として私を管理して下さっている、御主人様への最大の御奉仕だと私は想うのです。
御主人様のお身体をバスタオルで拭き上げ、その後に続いてお部屋へ戻った私。
ベッドに腰掛けられた御主人様は、ベルベットの巾着から螺を取り出されていました。
その意味を理解し、絨毯の上に座った私は、静かにその両手を差し出します。
まるで罪人のような金属の重い手枷。
そこから開放された両手首には、赤い痕が刻まれていました。
「これは重いですからね」
手枷を仕舞いながら、そう優しく仰る御主人様。
けれどその不自由ささえ心地良い。
そう言葉にしなくても、御主人様は私の思考すらもお見通しなのです。
「今度は足の裏にしましょうか」
絨毯に座ったまま、自由になった手首を見つめていた愛奴にそう仰る御主人様。
気持ちよさそうにシーツにうつ伏せになり、その施術を静かに待っていらっしゃいました。
手枷の取り除かれた両手にオイルを含ませた私は、先程中断された脹脛に座らせて頂き、再度マッサージを開始します。
ゆったりとした静かな時間。
御主人様はお仕事をされているようで、真剣に携帯を見ていらっしゃいます。
お互いに逆方向を向いている御主人様と私。
交わす言葉は何もありません。
けれど私はその事を少しも不満に感じませんでした。
ただこのゆっくりと流れて行く時間。
御主人様のお傍にいられる事。
お傍に置いて下さる事が嬉しくて。
私はそれだけで満たされていました。
足全体を揉み終わった私は、先程と同じように御主人様のお隣に転がります。
まだお仕事を続けていらっしゃる御主人様にリラックスして頂きたくて、マッサージで温かくなった掌を、そっとその首の後ろに充てがってみました。
「いいですね、手湿布ですか」
そう仰り、すんなりと受け入れて下さる御主人様。
人は肌が触れ合っているだけで安心出来るし、ストレス緩和にも繋がる。
持ち合わせていた知識に御主人様が悦んで下さった事が嬉しくて。
直ぐ目の前にある御主人様の二の腕に、自分の顔をくっつけてみました。
「暖かいですね」
携帯を伏せ、目を閉じたまま私の体温を感じて下さっている御主人様。
私がいつもお傍にいます。
どんな時でも御主人様のお力に。
そんな想いを込め、御主人様の温もりを感じながら私もそっと目を閉じました。
今回の調教の少し前のお話。
御主人様にとある出来事が起こり、私は今日の日をいつも通りに振る舞えるのか、少し不安になっていました。
貴重な御主人様との時間。
こんな性格ですから、一人心の中でぐずぐずとしてしまうのではないかと心配していたのです。
けれど逆にその出来事がきっかけとなり、私は私の中で覚悟を決めていました。
自分の中で、何がけじめのような物がついていたのだと想います。
今までずっと心の奥底に抱いていた期待。
抑え切れない自分の欲望。
そんな物にずっと私は苦しんでいて、それを時折吐き出す事で、更に御主人様を傷付けてしまっていました。
例え吐き出さなくても、御主人様は御存知だったに違いありません。
私が一人、やっても意味のない葛藤をし続けている事。
それに対して変わる事のない事実に、私が苦しんでいる事。
けれどそれを判っていらっしゃる御主人様だって苦しんでいらっしゃったに違いないのに…。
御主人様はただ静かに、いつもその想いを受け止めて下さっていました。
私もそれを理解していながら、自分ではどうする事も出来ず…。
私の愛は御主人様の為ではなく、自分の為の物だったのです。
もちろんそんなつもりは毛頭ありません。
御主人様の為に...。
そう在りたいといつも努力していましたが、私には凄く凄く難しい事で。
こうして調教を振り返り、何度自分を見つめ直しても、堂々巡りをするばかりでした。
けれどこの出来事をきっかけにして、私はその本当の意味を掴む事が出来たのです。
「御主人様の為に」
そこに込められる物は、私から御主人様への無償の愛。
御主人様のお気持ちのままに。
穢れなき忠誠心で御主人様に寄り添う。
私はその本当の意味を、この時初めて実感していました。
ベッドに腰掛けられた御主人様は、ベルベットの巾着から螺を取り出されていました。
その意味を理解し、絨毯の上に座った私は、静かにその両手を差し出します。
まるで罪人のような金属の重い手枷。
そこから開放された両手首には、赤い痕が刻まれていました。
「これは重いですからね」
手枷を仕舞いながら、そう優しく仰る御主人様。
けれどその不自由ささえ心地良い。
そう言葉にしなくても、御主人様は私の思考すらもお見通しなのです。
「今度は足の裏にしましょうか」
絨毯に座ったまま、自由になった手首を見つめていた愛奴にそう仰る御主人様。
気持ちよさそうにシーツにうつ伏せになり、その施術を静かに待っていらっしゃいました。
手枷の取り除かれた両手にオイルを含ませた私は、先程中断された脹脛に座らせて頂き、再度マッサージを開始します。
ゆったりとした静かな時間。
御主人様はお仕事をされているようで、真剣に携帯を見ていらっしゃいます。
お互いに逆方向を向いている御主人様と私。
交わす言葉は何もありません。
けれど私はその事を少しも不満に感じませんでした。
ただこのゆっくりと流れて行く時間。
御主人様のお傍にいられる事。
お傍に置いて下さる事が嬉しくて。
私はそれだけで満たされていました。
足全体を揉み終わった私は、先程と同じように御主人様のお隣に転がります。
まだお仕事を続けていらっしゃる御主人様にリラックスして頂きたくて、マッサージで温かくなった掌を、そっとその首の後ろに充てがってみました。
「いいですね、手湿布ですか」
そう仰り、すんなりと受け入れて下さる御主人様。
人は肌が触れ合っているだけで安心出来るし、ストレス緩和にも繋がる。
持ち合わせていた知識に御主人様が悦んで下さった事が嬉しくて。
直ぐ目の前にある御主人様の二の腕に、自分の顔をくっつけてみました。
「暖かいですね」
携帯を伏せ、目を閉じたまま私の体温を感じて下さっている御主人様。
私がいつもお傍にいます。
どんな時でも御主人様のお力に。
そんな想いを込め、御主人様の温もりを感じながら私もそっと目を閉じました。
今回の調教の少し前のお話。
御主人様にとある出来事が起こり、私は今日の日をいつも通りに振る舞えるのか、少し不安になっていました。
貴重な御主人様との時間。
こんな性格ですから、一人心の中でぐずぐずとしてしまうのではないかと心配していたのです。
けれど逆にその出来事がきっかけとなり、私は私の中で覚悟を決めていました。
自分の中で、何がけじめのような物がついていたのだと想います。
今までずっと心の奥底に抱いていた期待。
抑え切れない自分の欲望。
そんな物にずっと私は苦しんでいて、それを時折吐き出す事で、更に御主人様を傷付けてしまっていました。
例え吐き出さなくても、御主人様は御存知だったに違いありません。
私が一人、やっても意味のない葛藤をし続けている事。
それに対して変わる事のない事実に、私が苦しんでいる事。
けれどそれを判っていらっしゃる御主人様だって苦しんでいらっしゃったに違いないのに…。
御主人様はただ静かに、いつもその想いを受け止めて下さっていました。
私もそれを理解していながら、自分ではどうする事も出来ず…。
私の愛は御主人様の為ではなく、自分の為の物だったのです。
もちろんそんなつもりは毛頭ありません。
御主人様の為に...。
そう在りたいといつも努力していましたが、私には凄く凄く難しい事で。
こうして調教を振り返り、何度自分を見つめ直しても、堂々巡りをするばかりでした。
けれどこの出来事をきっかけにして、私はその本当の意味を掴む事が出来たのです。
「御主人様の為に」
そこに込められる物は、私から御主人様への無償の愛。
御主人様のお気持ちのままに。
穢れなき忠誠心で御主人様に寄り添う。
私はその本当の意味を、この時初めて実感していました。
タブー視していた身勝手な願いを口にした私は、御主人様の御命令で、そのままころんと仰向けになります。
惚けている愛奴に構う事なく、御主人様は私の中へゆっくりと侵入して来られました。
波のように押し寄せてくる快楽に、一瞬で思考がクリアになる私。
どれくらい御主人様のペニスを受け入れてなかったのだろう...。
奥まで貫かれる苦しさに御主人様のお名前を口走る私は、久しぶりに使って頂けた幸せに包まれていました。
けれど愛しいペニスはあっさりと引き抜かれてしまい、代わりにバイブがクリトリスへと充てがわれます。
私の一番の弱点。
終わらない強烈な快楽責めの記憶がまざまざと蘇り、クリアになった思考は恐怖感へと変わっていました。
じんじんと痺れるクリトリスは、また私をあっけなく絶頂へと連れて行こうとします。
「動いてはいけませんよ」
逝ってはいけない、動いてはいけない。
御主人様の御命令を尊守する為、重い金属の手枷を左右に振り置きながら、何とか気を紛らわそうとしていた私。
けれどバイブは直ぐに離され、再び御主人様が入って来て下さったのです。
その安心感と幸福感。
貫かれる快楽は凶暴だけれど、その充足感は何物にも代えられない。
御主人様も昂っていらっしゃったのでしょう。
私を数回突かれると、動きを止め、静かな溜息を吐かれました。
御主人様の精子が私の中へ注がれている…。
膣内で脈打つ御主人様のペニスを感じながら、私はこの世の物ではないような幸福感に包まれていました。
愛奴を使い終わった御主人様は、静かにその傍を離れて行かれます。
せっかく頂いた精子を出来るだけ膣内に留めておきたい私は、いつものように蛙の体勢のまま動けないでいました。
するとチェックイン前にコンビニで買って来て下さったお茶の蓋を開けて、飲みなさいと差し出して下さる御主人様。
こんなさり気ない優しさが嬉しくて堪らない。
けれど動いてしまったら、おまんこを満たしている精子が零れてしまう。
蛙の体勢で何とかお茶を飲もうとした私でしたが、結局は自分の頬に零してしまいました。
その事に気付き、仕方ないなというお顔をされ、ティッシュを渡して下さる御主人様。
この優しさに甘える事を赦して下さっている御主人様も、愛おしくて愛おしくて仕方がないのです。
お茶を飲む為に身体を起こした私は、少しずつ出て来る御主人様の精子をティッシュで拭き取っていました。
本当はそうする事すら勿体無いくらいなのですが、シーツを汚してしまっては、御主人様に気持ち良くお休みになって頂く事が出来なくなってしまいます。
そんな私の横に寝そべり、うつ伏せになられた御主人様。
マッサージの時間である事を察した私は、スーツケースからオイルを取り出し、御主人様の背中に乗って指圧を開始しました。
腰、肩甲骨、お尻から太腿。
脹脛まで下がると、どうやらそこがとても痛かったご様子。
マッサージを止めて隣に来るようにと促して下さいます。
けれどもう片方の脹脛はまだマッサージしていないのに…。
そう想ってまたその脹脛に触れると、「枕を持って隣に来なさい」と、脚を引っ込められてしまいました。
そんなに痛むのも心配だな...と想いながら、流石にマッサージを終了した私。
「下半身が寒いですね」と足元のお布団を探っている御主人様に、手枷で繋がれた両手を使ってお布団を掛けて差し上げました。
「気が利きますね」
御主人様は嬉しそうにそう言って下さいましたが、気を利かせた訳では全くありません。
御主人様の御言葉には、いつも意味が込められている。
その事を只知っているだけなのです。
繋がった両手でふわふわの枕を並べた私は、そのお隣にころんと寝転がります。
体勢を上手く整えられない私に、もっとくっつくようにとおっしゃる御主人様。
そう言って下さる事が嬉しくて堪らなくて、両手を使わずに身体をくねらせ、何とか御主人様に寄り添いました。
「よし」
うつ伏せのままの御主人様。
そこにコアラのようにしがみついている私。
何だか不思議な体勢でしたが、御主人様と肌が触れ合っているだけで嬉しくて。
その心地良さを感じながら御主人様の寝息を確認した私は、後を追うようにゆっくりと意識を手放して行きました。
御主人様のお傍で眠る時は、普段感じる事の出来ない熟睡感を得られます。
寝ている間も常に緊張しているらしい私は、歯軋りや頭痛で熟睡する事が出来ないのです。
けれど御主人様と過ごす時だけは、全てから解放されるのかもしれません。
そのまま目が醒めないのではないかと自分でも想う程に、深く深く眠る事ができるのです。
ふと気が付くと、時計は30分程進んでいました。
御主人様は目覚められた後、必ずお風呂に入られる。
そっとベッドを抜け出した私は、バスルームの扉を静かに閉め、お湯の温度を調整します。
そうしてベッドに戻り、また御主人様の寝息を聞きながらうとうと...。
そろそろお湯が溜まったかなとバスルームに行き、再度湯温を確認してみましたが、溜まりつつあるお湯は少し温度が低いようです。
私はお湯の温度を少しだけ上げて、程良く調整されるよう、蛇口から出てくる水量を減らしました。
お部屋へ戻ると、御主人様は既に起きていらっしゃいました。
煙草を燻らせながら、お風呂の準備が出来たのかと私に聞かれます。
出来ましたとお答えすると、咥え煙草のまま、お一人でバスルームに向かわれた御主人様。
温かいお湯が注がれ続けているのを見て、「気が利きますね」とまた私を褒めて下さいました。
丁度良くなったお湯に浸かられる御主人様。
いつものようにバスタブの半分を空けて下さっていますが、金属の手枷が付いている私は、そこに入る事が出来ません。
それに長い髪を留める事も出来ないので、そのままバスタブの外にしゃがみ込んでいました。
ゆったりと流れる時間。
会話も決して多くはありません。
「ぼーっとしますね」と声を掛けて下さる御主人様。
はい、とだけお返事をした私。
お忙しい御主人様が、何も考えずにぼーっと出来る時間。
そのお傍にいられる事。
優しい時間に包まれた静かな空間で、少しでも御主人様が寛がれているようにと願いました。
惚けている愛奴に構う事なく、御主人様は私の中へゆっくりと侵入して来られました。
波のように押し寄せてくる快楽に、一瞬で思考がクリアになる私。
どれくらい御主人様のペニスを受け入れてなかったのだろう...。
奥まで貫かれる苦しさに御主人様のお名前を口走る私は、久しぶりに使って頂けた幸せに包まれていました。
けれど愛しいペニスはあっさりと引き抜かれてしまい、代わりにバイブがクリトリスへと充てがわれます。
私の一番の弱点。
終わらない強烈な快楽責めの記憶がまざまざと蘇り、クリアになった思考は恐怖感へと変わっていました。
じんじんと痺れるクリトリスは、また私をあっけなく絶頂へと連れて行こうとします。
「動いてはいけませんよ」
逝ってはいけない、動いてはいけない。
御主人様の御命令を尊守する為、重い金属の手枷を左右に振り置きながら、何とか気を紛らわそうとしていた私。
けれどバイブは直ぐに離され、再び御主人様が入って来て下さったのです。
その安心感と幸福感。
貫かれる快楽は凶暴だけれど、その充足感は何物にも代えられない。
御主人様も昂っていらっしゃったのでしょう。
私を数回突かれると、動きを止め、静かな溜息を吐かれました。
御主人様の精子が私の中へ注がれている…。
膣内で脈打つ御主人様のペニスを感じながら、私はこの世の物ではないような幸福感に包まれていました。
愛奴を使い終わった御主人様は、静かにその傍を離れて行かれます。
せっかく頂いた精子を出来るだけ膣内に留めておきたい私は、いつものように蛙の体勢のまま動けないでいました。
するとチェックイン前にコンビニで買って来て下さったお茶の蓋を開けて、飲みなさいと差し出して下さる御主人様。
こんなさり気ない優しさが嬉しくて堪らない。
けれど動いてしまったら、おまんこを満たしている精子が零れてしまう。
蛙の体勢で何とかお茶を飲もうとした私でしたが、結局は自分の頬に零してしまいました。
その事に気付き、仕方ないなというお顔をされ、ティッシュを渡して下さる御主人様。
この優しさに甘える事を赦して下さっている御主人様も、愛おしくて愛おしくて仕方がないのです。
お茶を飲む為に身体を起こした私は、少しずつ出て来る御主人様の精子をティッシュで拭き取っていました。
本当はそうする事すら勿体無いくらいなのですが、シーツを汚してしまっては、御主人様に気持ち良くお休みになって頂く事が出来なくなってしまいます。
そんな私の横に寝そべり、うつ伏せになられた御主人様。
マッサージの時間である事を察した私は、スーツケースからオイルを取り出し、御主人様の背中に乗って指圧を開始しました。
腰、肩甲骨、お尻から太腿。
脹脛まで下がると、どうやらそこがとても痛かったご様子。
マッサージを止めて隣に来るようにと促して下さいます。
けれどもう片方の脹脛はまだマッサージしていないのに…。
そう想ってまたその脹脛に触れると、「枕を持って隣に来なさい」と、脚を引っ込められてしまいました。
そんなに痛むのも心配だな...と想いながら、流石にマッサージを終了した私。
「下半身が寒いですね」と足元のお布団を探っている御主人様に、手枷で繋がれた両手を使ってお布団を掛けて差し上げました。
「気が利きますね」
御主人様は嬉しそうにそう言って下さいましたが、気を利かせた訳では全くありません。
御主人様の御言葉には、いつも意味が込められている。
その事を只知っているだけなのです。
繋がった両手でふわふわの枕を並べた私は、そのお隣にころんと寝転がります。
体勢を上手く整えられない私に、もっとくっつくようにとおっしゃる御主人様。
そう言って下さる事が嬉しくて堪らなくて、両手を使わずに身体をくねらせ、何とか御主人様に寄り添いました。
「よし」
うつ伏せのままの御主人様。
そこにコアラのようにしがみついている私。
何だか不思議な体勢でしたが、御主人様と肌が触れ合っているだけで嬉しくて。
その心地良さを感じながら御主人様の寝息を確認した私は、後を追うようにゆっくりと意識を手放して行きました。
御主人様のお傍で眠る時は、普段感じる事の出来ない熟睡感を得られます。
寝ている間も常に緊張しているらしい私は、歯軋りや頭痛で熟睡する事が出来ないのです。
けれど御主人様と過ごす時だけは、全てから解放されるのかもしれません。
そのまま目が醒めないのではないかと自分でも想う程に、深く深く眠る事ができるのです。
ふと気が付くと、時計は30分程進んでいました。
御主人様は目覚められた後、必ずお風呂に入られる。
そっとベッドを抜け出した私は、バスルームの扉を静かに閉め、お湯の温度を調整します。
そうしてベッドに戻り、また御主人様の寝息を聞きながらうとうと...。
そろそろお湯が溜まったかなとバスルームに行き、再度湯温を確認してみましたが、溜まりつつあるお湯は少し温度が低いようです。
私はお湯の温度を少しだけ上げて、程良く調整されるよう、蛇口から出てくる水量を減らしました。
お部屋へ戻ると、御主人様は既に起きていらっしゃいました。
煙草を燻らせながら、お風呂の準備が出来たのかと私に聞かれます。
出来ましたとお答えすると、咥え煙草のまま、お一人でバスルームに向かわれた御主人様。
温かいお湯が注がれ続けているのを見て、「気が利きますね」とまた私を褒めて下さいました。
丁度良くなったお湯に浸かられる御主人様。
いつものようにバスタブの半分を空けて下さっていますが、金属の手枷が付いている私は、そこに入る事が出来ません。
それに長い髪を留める事も出来ないので、そのままバスタブの外にしゃがみ込んでいました。
ゆったりと流れる時間。
会話も決して多くはありません。
「ぼーっとしますね」と声を掛けて下さる御主人様。
はい、とだけお返事をした私。
お忙しい御主人様が、何も考えずにぼーっと出来る時間。
そのお傍にいられる事。
優しい時間に包まれた静かな空間で、少しでも御主人様が寛がれているようにと願いました。
ドアの傍にあった姿見の中に映し出されたのは、金属の首輪と手枷、ガーターストッキングだけを身に付けた愛奴の姿。
それは私が見た事もないような顔をしていて、無意識に目を背けていました。
けれどそんな私を御主人様が見逃す筈はありません。
後ろから強く乳房を掴まれ、鏡の中の愛奴に語りかけられます。
「痛いけれど気持ちが良いでしょう?」
「自分の姿をきちんと見なさい」
「お前は雌なのです」
御主人様の御言葉通り、その手に乳房を潰されている愛奴は恍惚の表情をしている…。
痛いけれどそれは問題じゃない。
背中やお尻に感じる御主人様の感覚が嬉しくて仕方がない。
私は鏡の中の自分が恥ずかしくて居た堪れなくて。
けれど髪を乱して悦んでいる姿を、心の隅で客観的に眺めていました。
私はこんな顔をして御主人様の前にいるのだと。
そんな私に、鏡に手を付いて前傾になるようにと指示をされる御主人様。
けれど目の前にある姿見には指紋一つ付いていません。
私はなるべく汚さないようにと、鏡面に軽く手を添えて、自分でその姿勢を支えました。
しかしそんな事は全くの無駄だったのです。
後ろから差し出された御主人様の指が、御奉仕で溢れ出した愛液の滑りを利用して、ゆるゆるとクリトリスを刺激して下さいます。
御主人様がおまんこに触れて下さっている...!
嬉しい...!
余りの悦びに私の足腰は痙攣を始め、立っているのがやっと。
せっかくの磨かれた鏡面は、私の掌と額に密着され、すっかり曇ってしまっていました。
「動かないように」
「きちんと自分の顔を見なさい」
鏡に縋り付いた私が顔を上げると、目の前には唾液をぼたぼたと垂らしている乱れ髪の愛奴の姿。
けれどそんな事に構っている余裕はありません。
追い立てるように愛液に塗れた御主人様の指が、私の中へと侵入して来たのです。
夢を見ているのかと想う程に脳内が混乱して、まともに立っている事すら出来ない。
ゆっくりと膣内を動く御主人様の指が、的確に私を捉えて離さない。
がくがくと痙攣する金属の手枷が鏡面とぶつかり、耳障りな音を立てていました。
このままでは鏡が傷付いてしまう…。
そう頭では解っていましたが、今にも絶頂に達する寸前の私は、そこに縋り付く事しか出来ませんでした。
「きちんと立ちなさい」
叩かれるお尻の痛みと御主人様の指。
そこだけクリアな感覚に、嬉しさだけで逝ってしまいそう…。
快楽と幸福感に溺れている私は、何をどうしたらいいのか、すっかり思考する事を放棄してしまっていました。
「こっちへ来なさい」
今度はベッドの方へと、愛奴を連れ戻される御主人様。
けれど引き抜かれた指に腰が砕けそうになった私は、よろけて御主人様にぶつかってしまいました。
まともに歩けない私がもどかしかったのか、御主人様は私の首にぐるっと回し、そのまま愛奴を引き摺ると、ベッドへと放り出されてしまいました。
見事に転がった私は、両手が繋がっているせいでまた直ぐに起き上がれません。
私が何とか体勢を整えている間に、先程と同じように寛がれていた御主人様。
起き上がった私を確認すると、先程と同じ御命令をされました。
「しゃぶりなさい」、と。
蕩けている頭を必死に起こしながら、先程と同じようにゆっくりと舌を這わせます。
違っていたのは、口内に広がる大好きな味。
御主人様も興奮して下さっているのだという事実を悦びながら、その限界が近いのではないかと想像していました。
「おまんこを使って欲しいのでしょう?」
頭の上から降り注ぐ優しい声色。
私は愛しいペニスを口いっぱいに頬張ったまま、ふんふんと鼻を鳴らしてお返事しました。
けれどそのお返事は相応しくなかったよう。
「声に出して言いなさい」
「何度も言いなさい」
「言いながらしゃぶりなさい」
御主人様の低い声が、強い拘束力を持って私を射抜きます。
私は言葉になっていない言葉を発しながら、過ぎた願いを自分の中で反芻していました。
おまんこを使って頂きたい。
それは前回の私の望みだったかもしれません。
けれどそれは、願う事を赦されない愛奴の願い。
それを決めるのは御主人様であるし、私が自ら望む事は決して有り得ない。
それなのに。
言葉にする事を赦された私は、十字架を背負うような気持ちでその言葉を繰り返し御主人様に訴えました。
それは私が見た事もないような顔をしていて、無意識に目を背けていました。
けれどそんな私を御主人様が見逃す筈はありません。
後ろから強く乳房を掴まれ、鏡の中の愛奴に語りかけられます。
「痛いけれど気持ちが良いでしょう?」
「自分の姿をきちんと見なさい」
「お前は雌なのです」
御主人様の御言葉通り、その手に乳房を潰されている愛奴は恍惚の表情をしている…。
痛いけれどそれは問題じゃない。
背中やお尻に感じる御主人様の感覚が嬉しくて仕方がない。
私は鏡の中の自分が恥ずかしくて居た堪れなくて。
けれど髪を乱して悦んでいる姿を、心の隅で客観的に眺めていました。
私はこんな顔をして御主人様の前にいるのだと。
そんな私に、鏡に手を付いて前傾になるようにと指示をされる御主人様。
けれど目の前にある姿見には指紋一つ付いていません。
私はなるべく汚さないようにと、鏡面に軽く手を添えて、自分でその姿勢を支えました。
しかしそんな事は全くの無駄だったのです。
後ろから差し出された御主人様の指が、御奉仕で溢れ出した愛液の滑りを利用して、ゆるゆるとクリトリスを刺激して下さいます。
御主人様がおまんこに触れて下さっている...!
嬉しい...!
余りの悦びに私の足腰は痙攣を始め、立っているのがやっと。
せっかくの磨かれた鏡面は、私の掌と額に密着され、すっかり曇ってしまっていました。
「動かないように」
「きちんと自分の顔を見なさい」
鏡に縋り付いた私が顔を上げると、目の前には唾液をぼたぼたと垂らしている乱れ髪の愛奴の姿。
けれどそんな事に構っている余裕はありません。
追い立てるように愛液に塗れた御主人様の指が、私の中へと侵入して来たのです。
夢を見ているのかと想う程に脳内が混乱して、まともに立っている事すら出来ない。
ゆっくりと膣内を動く御主人様の指が、的確に私を捉えて離さない。
がくがくと痙攣する金属の手枷が鏡面とぶつかり、耳障りな音を立てていました。
このままでは鏡が傷付いてしまう…。
そう頭では解っていましたが、今にも絶頂に達する寸前の私は、そこに縋り付く事しか出来ませんでした。
「きちんと立ちなさい」
叩かれるお尻の痛みと御主人様の指。
そこだけクリアな感覚に、嬉しさだけで逝ってしまいそう…。
快楽と幸福感に溺れている私は、何をどうしたらいいのか、すっかり思考する事を放棄してしまっていました。
「こっちへ来なさい」
今度はベッドの方へと、愛奴を連れ戻される御主人様。
けれど引き抜かれた指に腰が砕けそうになった私は、よろけて御主人様にぶつかってしまいました。
まともに歩けない私がもどかしかったのか、御主人様は私の首にぐるっと回し、そのまま愛奴を引き摺ると、ベッドへと放り出されてしまいました。
見事に転がった私は、両手が繋がっているせいでまた直ぐに起き上がれません。
私が何とか体勢を整えている間に、先程と同じように寛がれていた御主人様。
起き上がった私を確認すると、先程と同じ御命令をされました。
「しゃぶりなさい」、と。
蕩けている頭を必死に起こしながら、先程と同じようにゆっくりと舌を這わせます。
違っていたのは、口内に広がる大好きな味。
御主人様も興奮して下さっているのだという事実を悦びながら、その限界が近いのではないかと想像していました。
「おまんこを使って欲しいのでしょう?」
頭の上から降り注ぐ優しい声色。
私は愛しいペニスを口いっぱいに頬張ったまま、ふんふんと鼻を鳴らしてお返事しました。
けれどそのお返事は相応しくなかったよう。
「声に出して言いなさい」
「何度も言いなさい」
「言いながらしゃぶりなさい」
御主人様の低い声が、強い拘束力を持って私を射抜きます。
私は言葉になっていない言葉を発しながら、過ぎた願いを自分の中で反芻していました。
おまんこを使って頂きたい。
それは前回の私の望みだったかもしれません。
けれどそれは、願う事を赦されない愛奴の願い。
それを決めるのは御主人様であるし、私が自ら望む事は決して有り得ない。
それなのに。
言葉にする事を赦された私は、十字架を背負うような気持ちでその言葉を繰り返し御主人様に訴えました。
手枷の螺を締め終わった御主人様は、私に向かって大きな掌を差し出されました。
私はその意味が瞬時に理解出来ず、頭の中にクエスチョンマークが浮かびます。
御主人様が私に何か求められている...。
それだけしか理解出来ない馬鹿な愛奴は、とにかく行動しなければと想い、その重い手首をそっと持ち上げました。
「お手」...かな...?
差し出された御主人様の掌の上に、手枷の付いた重い手を重ねようとしたその時。
愛奴の勘が電流のように身体の中を駆け抜け、急いで絨毯を蹴り立ち上がりました。
今、御主人様が求められている物。
御主人様がいつもお傍に置いておかれたい物。
私はローテーブルの上にあったお酒と煙草を掴むと、ベッドサイドへとセッティングし直しました。
その勢いで、椅子に掛けていたスラックスとネクタイを急いでクローゼットへ仕舞うと、いつもより分厚い封筒を持って、御主人様の元へ戻ったのです。
御主人様は封筒を受け取ると、御自身で下着を脱がれました。
そこから飛び出したのは、私が布越しに見ていた通りの愛しいペニス。
毎度の事ではあるのですが、下着から出て来る瞬間は、いつもその立派さに驚いてしまいます。
「しっかりしゃぶりなさい」
そう仰り、封筒の中身を数え始められる御主人様。
私は色んな事が嬉しくて堪らなくて、いつものように丁寧に御奉仕出来ないでいました。
「お前が稼いできた大切な金銭なので、一枚一枚数えるのが好きですよ」
少し前に、御主人様が私に下さった御言葉。
それが余りにも嬉しくて。
私が御主人様の為に風俗で稼いで来る事を悦んで下さっている事は知っていましたが、そこまで考えて下さっているとは露知らず...。
そんな風に想っていて下さったのだと、凄く凄く胸が熱くなりました。
私はその事を心に浮かべながら口内を動かし、頭上から聞こえてくる紙幣の擦れる音を聞いていました。
紙幣を数え終わられた御主人様は、静かに立ち上がってベッドから下りられます。
こっちに来なさいと私に声を掛けて下さいますが、両手が繋がっているので、上手く身体を起こす事が出来ません。
やっとの事でベッドから下りると、首輪に付いている輪に指を掛けられ、お部屋に備え付けてある姿見の前まで引っ張って行かれました。
その扱いと強引な御主人様に、私の被虐心が疼きます。
普段はとっても優しくて、時々意地悪な御主人様。
けれど調教時には息を呑む程の空気を纏われ、何もかもが支配されてしまう。
きっとこの喉元に手を掛けられても、私は悦んでそれを受け入れるでしょう。
御主人様の手で終わりを迎えられるなら、それ以上に幸せな事なんて何もないのですから。
私はその意味が瞬時に理解出来ず、頭の中にクエスチョンマークが浮かびます。
御主人様が私に何か求められている...。
それだけしか理解出来ない馬鹿な愛奴は、とにかく行動しなければと想い、その重い手首をそっと持ち上げました。
「お手」...かな...?
差し出された御主人様の掌の上に、手枷の付いた重い手を重ねようとしたその時。
愛奴の勘が電流のように身体の中を駆け抜け、急いで絨毯を蹴り立ち上がりました。
今、御主人様が求められている物。
御主人様がいつもお傍に置いておかれたい物。
私はローテーブルの上にあったお酒と煙草を掴むと、ベッドサイドへとセッティングし直しました。
その勢いで、椅子に掛けていたスラックスとネクタイを急いでクローゼットへ仕舞うと、いつもより分厚い封筒を持って、御主人様の元へ戻ったのです。
御主人様は封筒を受け取ると、御自身で下着を脱がれました。
そこから飛び出したのは、私が布越しに見ていた通りの愛しいペニス。
毎度の事ではあるのですが、下着から出て来る瞬間は、いつもその立派さに驚いてしまいます。
「しっかりしゃぶりなさい」
そう仰り、封筒の中身を数え始められる御主人様。
私は色んな事が嬉しくて堪らなくて、いつものように丁寧に御奉仕出来ないでいました。
「お前が稼いできた大切な金銭なので、一枚一枚数えるのが好きですよ」
少し前に、御主人様が私に下さった御言葉。
それが余りにも嬉しくて。
私が御主人様の為に風俗で稼いで来る事を悦んで下さっている事は知っていましたが、そこまで考えて下さっているとは露知らず...。
そんな風に想っていて下さったのだと、凄く凄く胸が熱くなりました。
私はその事を心に浮かべながら口内を動かし、頭上から聞こえてくる紙幣の擦れる音を聞いていました。
紙幣を数え終わられた御主人様は、静かに立ち上がってベッドから下りられます。
こっちに来なさいと私に声を掛けて下さいますが、両手が繋がっているので、上手く身体を起こす事が出来ません。
やっとの事でベッドから下りると、首輪に付いている輪に指を掛けられ、お部屋に備え付けてある姿見の前まで引っ張って行かれました。
その扱いと強引な御主人様に、私の被虐心が疼きます。
普段はとっても優しくて、時々意地悪な御主人様。
けれど調教時には息を呑む程の空気を纏われ、何もかもが支配されてしまう。
きっとこの喉元に手を掛けられても、私は悦んでそれを受け入れるでしょう。
御主人様の手で終わりを迎えられるなら、それ以上に幸せな事なんて何もないのですから。
お部屋に到着した御主人様と私と、引き摺られて来たスーツケース。
お預かりしていたコートを名残惜しくクローゼットに掛けてそのお傍へ向かうと、御主人様は私に向かってすっと背中を向けられました。
丁度、目線の高さにある、御主人様のスーツの襟元。
その身長差に異様に胸が高鳴ってしまった私は、動揺を誤魔化そうとして、背が伸びましたかと馬鹿な質問をしてしまいました。
「伸びる訳ないでしょう」と笑って下さる御主人様。
ますます胸が高鳴ってしまう私は、その背中からジャケットを預かると、そそくさとクローゼットへ向かいました。
その間にベッドに腰掛けられた御主人様。
窮屈な革靴を脱がれたいのだろうという事は、馬鹿な私にも流石に判ります。
クローゼットの扉を閉めた流れでその足元に座った私は、御主人様の足にぴったりの革靴を優しく引っ張りました。
けれど余りに丁度良いサイズの磨かれた靴は、いつものようになかなか脱がされてくれません。
私が革靴と格闘していると、ふとワンピースの裾を捲られ、下着を着けていないお尻をばちんと叩かれてしまいました。
御主人様は細身でいらっしゃいますが、その手は大きくて分厚い。
じんじんとする痛みに、その手の感触を感じられた事が嬉しくて。
しかめた顔とは反対の感情に満たされていました。
「靴を脱がせたら首輪を取りなさい」
それはとても嬉しい御命令。
何とか脱げた革靴を揃え、座ったまま絨毯の上を移動した私は、スーツケースから取り出した首輪を御主人様にお渡ししました。
ベルベットの巾着から取り出された、鈍く光る金属の首輪。
留金を外して広げた首輪を前に、「嵌められに来なさい」と御主人様が仰います。
私はベッドぎりぎりまで身体を前にずらし、開かれた首輪の中に自分の首が収まるよう、ぐっと顔を前に突き出しました。
かちんと音を立てる冷たい感触。
留金を差し込む御主人様の手の温かさ。
重い首輪に込められた想いを感じるこの瞬間は、いつも充足感に満たされています。
私に首輪を付けると、すっとベッドから立ち上がられる御主人様。
ジャケットを脱いだだけのその御姿から、次に自分がしなければならない事を察した私は、その足元から立ち上がり、ワイシャツの襟元へと手を伸ばしました。
前回、教えて頂いたネクタイの外し方。
私が想像していたよりもしっかりと締まっていて、お手伝いして頂いた事を想い出します。
今度はちゃんと出来るかな…。
前回よりも強めに引っ張ったそれは、するすると衣擦れの音を立てて、スムーズに一本のネクタイへとその形を変えました。
そうして次の御命令に従い、絨毯の上に跪いた私の顔の前に現れたのは、御主人様のお悦びを表す膨らみ。
私はいつものように心の中で歓喜し、革のベルトを外して行きました。
スラックスの下から見える下着は、更に大きくその膨らみを主張しています。
御主人様の脚にスラックスを滑らせると、自分の背後にあった椅子の背もたれに、ネクタイとそれを合わせて掛けました。
本当は皺にならないよう、綺麗にハンガーに掛けておきたいのですが…。
御主人様が調教中のそれを好まれない事を知っている私は、極力皺にならないよう、羽衣を扱うようにスラックスとネクタイを休ませました。
ベッドに向き直った私が見たのは、御主人様の手に取られた金属の手枷。
久しぶりに見たそのお道具の重量を想い出し、きゅっと胸が竦みます。
「これを付けたら服が脱げませんね?
早く脱ぎなさい」
ガーターストッキングはそのままでという御命令通り、急いでワンピースを脱いだ私は、それだけしか身に付けていない姿で御主人様の足元に座り直しました。
何度繰り返しても、この瞬間は恥ずかしくて堪らない...。
御主人様にとっては、目新しくもない身体に違いないのに。
私は隠れない身体を少しでも隠そうと、両手両脚を体側にぴったりとくっつけていました。
そんな私を御存知なのでしょう。
陽の光に晒された乳房を痛いくらいにぎゅっと掴んだ御主人様は、恥じらい等必要ないのだと言い聞かせるように、私に魔法の囁きを下さいます。
「雌になりなさい」
その御言葉は低く、優しく。
けれど私の芯に刺さるよう、絶対的な支配力を湛えていました。
私はぎゅっとくっ付けていた両腕を身体から離し、御主人様の前にゆっくりと手首を差し出します。
まるで逮捕される事を観念した犯人かのように。
ずっしりとした金属の手枷が私の体温と交わって行くのを、締められる金具をぼんやりと見つめながら感じていました。
私は365日24時間、こうして御主人様に囚われているのです。
お預かりしていたコートを名残惜しくクローゼットに掛けてそのお傍へ向かうと、御主人様は私に向かってすっと背中を向けられました。
丁度、目線の高さにある、御主人様のスーツの襟元。
その身長差に異様に胸が高鳴ってしまった私は、動揺を誤魔化そうとして、背が伸びましたかと馬鹿な質問をしてしまいました。
「伸びる訳ないでしょう」と笑って下さる御主人様。
ますます胸が高鳴ってしまう私は、その背中からジャケットを預かると、そそくさとクローゼットへ向かいました。
その間にベッドに腰掛けられた御主人様。
窮屈な革靴を脱がれたいのだろうという事は、馬鹿な私にも流石に判ります。
クローゼットの扉を閉めた流れでその足元に座った私は、御主人様の足にぴったりの革靴を優しく引っ張りました。
けれど余りに丁度良いサイズの磨かれた靴は、いつものようになかなか脱がされてくれません。
私が革靴と格闘していると、ふとワンピースの裾を捲られ、下着を着けていないお尻をばちんと叩かれてしまいました。
御主人様は細身でいらっしゃいますが、その手は大きくて分厚い。
じんじんとする痛みに、その手の感触を感じられた事が嬉しくて。
しかめた顔とは反対の感情に満たされていました。
「靴を脱がせたら首輪を取りなさい」
それはとても嬉しい御命令。
何とか脱げた革靴を揃え、座ったまま絨毯の上を移動した私は、スーツケースから取り出した首輪を御主人様にお渡ししました。
ベルベットの巾着から取り出された、鈍く光る金属の首輪。
留金を外して広げた首輪を前に、「嵌められに来なさい」と御主人様が仰います。
私はベッドぎりぎりまで身体を前にずらし、開かれた首輪の中に自分の首が収まるよう、ぐっと顔を前に突き出しました。
かちんと音を立てる冷たい感触。
留金を差し込む御主人様の手の温かさ。
重い首輪に込められた想いを感じるこの瞬間は、いつも充足感に満たされています。
私に首輪を付けると、すっとベッドから立ち上がられる御主人様。
ジャケットを脱いだだけのその御姿から、次に自分がしなければならない事を察した私は、その足元から立ち上がり、ワイシャツの襟元へと手を伸ばしました。
前回、教えて頂いたネクタイの外し方。
私が想像していたよりもしっかりと締まっていて、お手伝いして頂いた事を想い出します。
今度はちゃんと出来るかな…。
前回よりも強めに引っ張ったそれは、するすると衣擦れの音を立てて、スムーズに一本のネクタイへとその形を変えました。
そうして次の御命令に従い、絨毯の上に跪いた私の顔の前に現れたのは、御主人様のお悦びを表す膨らみ。
私はいつものように心の中で歓喜し、革のベルトを外して行きました。
スラックスの下から見える下着は、更に大きくその膨らみを主張しています。
御主人様の脚にスラックスを滑らせると、自分の背後にあった椅子の背もたれに、ネクタイとそれを合わせて掛けました。
本当は皺にならないよう、綺麗にハンガーに掛けておきたいのですが…。
御主人様が調教中のそれを好まれない事を知っている私は、極力皺にならないよう、羽衣を扱うようにスラックスとネクタイを休ませました。
ベッドに向き直った私が見たのは、御主人様の手に取られた金属の手枷。
久しぶりに見たそのお道具の重量を想い出し、きゅっと胸が竦みます。
「これを付けたら服が脱げませんね?
早く脱ぎなさい」
ガーターストッキングはそのままでという御命令通り、急いでワンピースを脱いだ私は、それだけしか身に付けていない姿で御主人様の足元に座り直しました。
何度繰り返しても、この瞬間は恥ずかしくて堪らない...。
御主人様にとっては、目新しくもない身体に違いないのに。
私は隠れない身体を少しでも隠そうと、両手両脚を体側にぴったりとくっつけていました。
そんな私を御存知なのでしょう。
陽の光に晒された乳房を痛いくらいにぎゅっと掴んだ御主人様は、恥じらい等必要ないのだと言い聞かせるように、私に魔法の囁きを下さいます。
「雌になりなさい」
その御言葉は低く、優しく。
けれど私の芯に刺さるよう、絶対的な支配力を湛えていました。
私はぎゅっとくっ付けていた両腕を身体から離し、御主人様の前にゆっくりと手首を差し出します。
まるで逮捕される事を観念した犯人かのように。
ずっしりとした金属の手枷が私の体温と交わって行くのを、締められる金具をぼんやりと見つめながら感じていました。
私は365日24時間、こうして御主人様に囚われているのです。
調教日の前日。
体調が優れないとの御主人様からのメール。
心配で仕方がなかったので、私の事は構いませんから病院に行かれて下さいとお願いしていました。
けれど大丈夫だと繰り返される御主人様の中には、病院に行くという選択肢はない様子。
私は御主人様の判断にお任せし、いつも通りに飛行機に乗り込もうと思っていました。
もし当日に体調が回復されず、お逢い出来る時間が短くなっても。
例えお逢いする事が叶わなくても。
御主人様の体調が何よりも大切。
そう想い、私は最悪の事態を想定しながら、いつもよりもスムーズに眠りにつきました。
調教日の朝、やはり大丈夫だと仰る御主人様。
その体調が本当に大丈夫なのか、私には知る術はありません。
御主人様のお顔をちゃんと見て、お逢いしてからどうするか考えよう。
きっと御主人様は大丈夫だとしか仰らないだろうから。
体調管理も愛奴の努めだと想い、私はいつも通りに空港へと向かいました。
少し遅れてしまった飛行機。
先に待ち合わせ場所に到着された御主人様。
「いつもの店に入りました」とのメールに、急ぎ足で向かう私。
お店の中に入った瞬間、その御姿を見つけて安心した私は、真っ直ぐに御主人様の向かいの席へと向かいました。
けれどお仕事に集中されている御主人様は、私が来た事に気が付かれていません。
お待たせしましたと声をお掛けし、その向かいに腰を下ろしました。
そんな私を確認した御主人様は、そのままお仕事を続けていらっしゃいます。
お顔色は悪くない。
お仕事もしっかりしていらっしゃる様子。
想っていたよりも体調が良さそうで少しだけ安心した私は、御主人様のお仕事が落ち着くまでその様子を静かに見守っていました。
一段落されたのか、お仕事道具を仕舞い、私の顔を見てメニューを差し出される御主人様。
体調は昨日よりも落ち着かれたとの事で、いつものように優しい笑顔を見せて下さいました。
もちろん本調子ではないのかもしれませんが、我慢をされている様子も、無理をされている様子もありません。
私は御主人様の様子を時折観察しながら、運ばれて来たお料理をお皿へと取り分けます。
何気ない会話。
よく笑って下さる御主人様。
最近はまた特にお忙しそうだったので、疲れが溜まっているのではないかと心配ばかりしていましたが。
私が想っていたよりお元気そうな様子で、私も嬉しくなって食事を愉しみました。
食事を終えた御主人様と私は、ホテルのフロントへ移動し、チェックインの手続きを行います。
ホテルを探すのも、予約をするのも、チェックインをするのも全て愛奴の役目。
書類にサインをする私の横で、御主人様はホテルのパンフレットを見ながら、載っている動物の写真に興味津々のご様子。
それが何だかとても可愛らしくて。
お元気な御主人様の御姿に、幸せな気分になっていました。
今回は事前にホテルに送っておいたスーツケース。
たまに空港で開けなければいけない事態に陥るので、それを避ける為の対策を講じてみたのです。
それに体力のない私にとっては、重い荷物に振り回されずに済む良策。
もっと早くこうすれば良かったと御主人様とお話していた程でした。
暫く待っていると、送付しておいたスーツケースをフロントの方が持って来て下さいます。
それは運送会社の大きなビニールに包まれていて、タイヤまで覆われてしまい、なかなかスムーズに運ぶ事が出来ません。
その不自由さと重さに一人で振り回されていると、数歩先を歩かれていた御主人様が、ご自分のコートを私に預けてこられました。
そして何も言わず私から持ち手を奪い取ると、ビニールに包まれてタイヤの動かないまま、スーツケースを引き摺って行かれたのです。
絨毯の上を滑って行く、タイヤの動かないスーツケース。
どんどんと歩いて行かれる御主人様。
その少し可笑しな光景に、私は御主人様の優しさと力強さを感じて。
お預かりしたコートの匂いに包まれながら、こっそりと暖かい気持ちになっていました。
体調が優れないとの御主人様からのメール。
心配で仕方がなかったので、私の事は構いませんから病院に行かれて下さいとお願いしていました。
けれど大丈夫だと繰り返される御主人様の中には、病院に行くという選択肢はない様子。
私は御主人様の判断にお任せし、いつも通りに飛行機に乗り込もうと思っていました。
もし当日に体調が回復されず、お逢い出来る時間が短くなっても。
例えお逢いする事が叶わなくても。
御主人様の体調が何よりも大切。
そう想い、私は最悪の事態を想定しながら、いつもよりもスムーズに眠りにつきました。
調教日の朝、やはり大丈夫だと仰る御主人様。
その体調が本当に大丈夫なのか、私には知る術はありません。
御主人様のお顔をちゃんと見て、お逢いしてからどうするか考えよう。
きっと御主人様は大丈夫だとしか仰らないだろうから。
体調管理も愛奴の努めだと想い、私はいつも通りに空港へと向かいました。
少し遅れてしまった飛行機。
先に待ち合わせ場所に到着された御主人様。
「いつもの店に入りました」とのメールに、急ぎ足で向かう私。
お店の中に入った瞬間、その御姿を見つけて安心した私は、真っ直ぐに御主人様の向かいの席へと向かいました。
けれどお仕事に集中されている御主人様は、私が来た事に気が付かれていません。
お待たせしましたと声をお掛けし、その向かいに腰を下ろしました。
そんな私を確認した御主人様は、そのままお仕事を続けていらっしゃいます。
お顔色は悪くない。
お仕事もしっかりしていらっしゃる様子。
想っていたよりも体調が良さそうで少しだけ安心した私は、御主人様のお仕事が落ち着くまでその様子を静かに見守っていました。
一段落されたのか、お仕事道具を仕舞い、私の顔を見てメニューを差し出される御主人様。
体調は昨日よりも落ち着かれたとの事で、いつものように優しい笑顔を見せて下さいました。
もちろん本調子ではないのかもしれませんが、我慢をされている様子も、無理をされている様子もありません。
私は御主人様の様子を時折観察しながら、運ばれて来たお料理をお皿へと取り分けます。
何気ない会話。
よく笑って下さる御主人様。
最近はまた特にお忙しそうだったので、疲れが溜まっているのではないかと心配ばかりしていましたが。
私が想っていたよりお元気そうな様子で、私も嬉しくなって食事を愉しみました。
食事を終えた御主人様と私は、ホテルのフロントへ移動し、チェックインの手続きを行います。
ホテルを探すのも、予約をするのも、チェックインをするのも全て愛奴の役目。
書類にサインをする私の横で、御主人様はホテルのパンフレットを見ながら、載っている動物の写真に興味津々のご様子。
それが何だかとても可愛らしくて。
お元気な御主人様の御姿に、幸せな気分になっていました。
今回は事前にホテルに送っておいたスーツケース。
たまに空港で開けなければいけない事態に陥るので、それを避ける為の対策を講じてみたのです。
それに体力のない私にとっては、重い荷物に振り回されずに済む良策。
もっと早くこうすれば良かったと御主人様とお話していた程でした。
暫く待っていると、送付しておいたスーツケースをフロントの方が持って来て下さいます。
それは運送会社の大きなビニールに包まれていて、タイヤまで覆われてしまい、なかなかスムーズに運ぶ事が出来ません。
その不自由さと重さに一人で振り回されていると、数歩先を歩かれていた御主人様が、ご自分のコートを私に預けてこられました。
そして何も言わず私から持ち手を奪い取ると、ビニールに包まれてタイヤの動かないまま、スーツケースを引き摺って行かれたのです。
絨毯の上を滑って行く、タイヤの動かないスーツケース。
どんどんと歩いて行かれる御主人様。
その少し可笑しな光景に、私は御主人様の優しさと力強さを感じて。
お預かりしたコートの匂いに包まれながら、こっそりと暖かい気持ちになっていました。