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御主人様と愛奴 変態の日々の記録

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Author:愛奴
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25度目の調教② ~調教前の愛奴~

いつものホテル。

チェックインも慣れた物で、流れるようにお部屋へと辿り着きます。

御主人様に続いて暗いドアを通り抜けると、大きな窓には素晴らしい景色が広がっていました。

「綺麗!」

私が窓の外を見てはしゃいでいると、後ろからぎゅっとお尻を掴まれてしまいます。

恥ずかしさで少し膨れっ面の私を見る事も無く、そのまま通り過ぎ、お部屋に備え付けの椅子に腰掛けられた御主人様。

私は急いで靴を脱ぎ、ベッドに放られた御主人様のコートとジャケットをクローゼットに仕舞うと、いそいそと献上品を揃え、御主人様の足元に座りました。




「首輪」

鋭い視線で見下ろされた御主人様にベルベットの袋を静かに手渡すと。

なんだ、用意していたのかと仰られるかのように。

きゅっと締まっていた空気が、一瞬だけふわっと解けたように感じました。

勿論、そういう空気を御主人様が意図していらっしゃらない事は解っていましたが、私は無意識に強ばっていた胸を撫で下ろし、一人静かに安堵感を覚えます。

何故ならば調教に入るその一瞬が、未だに何だか気恥ずかしく感じられて。

本当は今でも、少し怖がっている自分がいるのかもしれません。

言うまでもなく、御主人様は私を決して無駄に傷付けるような方ではありませんし、そんな事を心配する必要は欠片もありません。

けれどその瞬間だけは、私が私で無くなる狭間の時。

御主人様の前でしか現れない本当の私が顔を出す時だけは、何だか心細く落ち着かなくなってしまうのです。




御主人様にはそれが伝わってしまっているのでしょうか。

静かに首を差し出すと、いつもと変わらない優しい手付きで金属の輪を私に嵌めて下さいます。

それから私が用意したお土産を一つ味わい、もう一つを足元にいる私に与えて下さいました。

これは先程、空港で購入したいつものお土産ではなく、御主人様の為に以前から用意していた物だったのですが...。

想像していた味と違う。

もっと美味しい筈だったのに...。

そう一人複雑な気持ちになってしまうのは、私が大人の味を知らないからなのでしょう。

うーんと唸りながら口をもぐもぐと動かしていると、服を脱ぐようにとの御命令が上から降ってきました。

私はまだ口の中が落ち着いていない事を理由に、その恥ずかしさを自分自身で紛らわせようとします。

高層階のお部屋の窓は、私が景色を見ていた時のまま。

大きな窓のレースカーテンは左右に開かれ、明るい春の陽射しが柔らかく輝いていました。




私は風俗で働いているけれど、決してモデルさんのように美しい身体をしている訳ではありません。

それでも裸になる事には何の躊躇いも無いのですが...。

御主人様の前になると、服を着ていてもその全てを見透かされているような気がして。

ワンピースを脱ぐ行動すらも、恥ずかしくてどうしようもなくなってしまうのです。




椅子に座られたままの御主人様。

流石に全裸でその正面に立つ勇気はありませんでしたから、服を脱いで直ぐに座り込んでみます。

けれどそんな事が赦される筈も無く...。

「立ちなさい」という御命令に、解けたばかりの空気は再びぎゅっと張り付いていました。



【 2020/08/19 23:32 】

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25度目の調教① ~新しい気持ち~

コロナが少しずつ世間に認知され始めた頃。

私は冷え込んだ薄暗い朝に物音を立てないよう、静かに玄関のドアを閉めました。

真っ白に凍っているフロントガラスの霜を見つめながら、早く早くと意味無くハンドルを握り。

やっとひらけて来た視界を抉じ開けるようにワイパーを動かすと、静かにアクセルを踏み込んだのです。

けれどその焦りがいけなかったのでしょう。

五分程走った所でコートを持っていない事に気が付いた私は、急いで車をUターンさせ、元来た道を走り抜けます。

田舎の早朝は余りに寒い為、空港に着くまではコートより暖かい上着を着ておく事が、私のルーティーンとなっていたのです。

さっきは物音を立てないようにと気を付けていましたが、もうそんな事には構っていられません。

急いで玄関を開けコートを掴み取ると、車に飛び乗り、アクセルをぐっと踏み込んで再出発をしました。

私は元々が時間に余裕を持って行動するタイプなので、この時も飛行機に間に合わなくなるという可能性は極めて低かったのですが。

この性格が真逆に働き、時間が迫って来ると、やたらと気が急いてしまうのでした。




いつも違う道、やけに込んでいる車。

全ての事が御主人様への道を阻もうとしている気がして。

空港に到着する頃には、すっかり疲れ果ててしまっていたのです。




まるで走って来たかのように、肩で呼吸をしながら手荷物検査を終えた私。

勿論、時間にはまだ余裕がありますから、いつものように空港内のショップで御主人様へのお土産を購入します。

そこでやっと一安心。

すっかり落ち着いた私は、まだ残っている眠気を消化する為、フライト中にしっかりと眠り込んだのでした。




久しぶりに降り立ったこの街。

いつものお店で待っていますと、御主人様から連絡を頂きます。

年始にも何かと問題が起きていましたから、元々予定していた調教日を延期したりと、なかなか帰る事が出来ないでいたのです。

御主人様からのメッセージを見つめ、やっと帰って来れたのだと安堵した私は、以前と変わらない景色を嬉しく想いました。

勿論、そんな短期間で街並みが大きく変わる事はないのでしょうが。

御主人様へと続く道程までもが変わらないのだと示されている気がして。

何時もよりも少し落ち着いた心で、お店のドアを開いたのです。




何時ものお店、何時もの席。

そこに在る何時もの御姿は、まるで昨日見たかのように時の流れを感じさせません。

「久しぶりですね」そう仰って下さったのも、まるで昨日の事のよう。

けれど私がそう想えるのは、御主人様が毎日愛奴を気に掛けて下さっている証拠なのでした。




食事を終えた御主人様と私。

すっかり心地良くなった春の陽気の中、何時ものコンビニへと歩いて行きます。

そこで待っているように、との御命令が無くとも私は店の外で立ち止まり、私を置いて歩いて行かれる御主人様の背中を見つめていました。

ビルの間を優しく吹き抜ける春風。

泣きたい気持ちと葛藤していた以前の私は、そこにはいません。

ガラス越しに見える景色は、柔らかく霞んでいて。

あの時はああだったなと。苦しみの中にいた自分を振り返りながら、今を愛おしく想っていました。



【 2020/08/04 22:01 】

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