御主人様と愛奴 変態の日々の記録
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Author:愛奴
♥当ブログは性的表現・画像を使用しておりますので、18歳未満の方は直ちにブラウザバックをお願い致します。
またSMに嫌悪感をお持ちの方は閲覧をお控え下さい。
自己責任の元での閲覧をお願い致します。
御主人様の愛奴です。
お初の方は「はじめに」をご参照下さい。
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私からのお返事のみ掲載させて頂きますので、SMに興味のある方もノーマルの方も、皆様お気軽に足跡を残して下さると嬉しいです。
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車に乗り込み、空港へと出発した御主人様と私。
渋滞を避けたルートを選んだ事で、車は順調に流れて行きます。
「やはり車が楽ですね」
有難いよと言って下さる御主人様は、私の剥き出しの太腿に手を置くと、そのまま強く叩き付けられました。
柔らかい肉には手形が付きそうな程のじんじんとした痛み。
けれどそれが御主人様からの賛辞である事を、運転する愛奴はきちんと理解していました。
そのまま太腿を強く掴まれながら、役に立つ愛奴だというお褒めの御言葉まで付け加えて下さる御主人様。
痛みは瞬時に悦びへと変換されるも、この想いをどう処理したらいいのか判らず、私は空港へ向けて車を走らせ続けました。
今日は調教ではない。
前日にそう仰り、下着を付けて来る事を許可して下さった御主人様。
ですから与えられた痛みが嬉しくても、その気持ちをどこに置いたら良いのか全く判らなかったのです。
だって調教でない事なんて、今まで一度もなかったのですから。
スムーズに空港へ到着した頃には、すっかり上がってくれた雨。
けれど飛行機はかなり遅れているようで、チケットカウンターには遅延のお知らせが大きく掲示されていました。
御主人様と一緒に過ごせる時間が延びる事は勿論嬉しかったのですが、帰宅される時間が遅くなってしまうと、きっと御主人様が疲れてしまわれる。
私は複雑な心境で、困りましたねと御主人様とお話をしながら、いつものお店へと入って行きました。
先に来た飲み物を掲げ、「お疲れ様」とグラスを交わしてから今日の振り返りをされる御主人様。
悔しそうなお顔で試合の様子をお話されていますが、私は嬉しくて仕方がありませんでした。
御主人様のお好きな事について、一緒にお話をする事が出来る事。
きちんと会話をする事が出来る事。
勿論、十分ではありませんでしたが、それは余りにも特別な事に感じられて。
また一つ、御主人様のお傍に近づけたんだ。
そう感じながら、私は料理をお皿に取り分けました。
食事をしながらも、御主人様は欠伸が止まらないご様子。
長旅で早起きをされた事は勿論、お酒も沢山召し上がっていらっしゃいます。
丁度、飛行機も遅れていましたし、横になられたかったのでしょう。
車の中で寝ておこうかと提案され、二人はお店を後にしました。
駐車場に戻るエレベーターの中。
今度は太腿ではなく、ショートパンツの上からおまんこを叩かれる御主人様。
それは今日、初めての行為。
勿論期待をしていた訳ではありませんでしたが、触れて下さった事が純粋に嬉しかったのです。
車に戻った頃には、すっかり日が落ちて、立体駐車場は暗闇に包まれていました。
運転する事が多い私の車の中には、予めクッションや毛布が積まれています。
横になって寛げるよう後部座席の位置を調整すると、御主人様は小さなクッションを枕にして、毛布を掛けて目を閉じられました。
私は運転席に座ったまま、静かに御主人様の呼吸音を聞いています。
一緒に眠ってしまうと、飛行機の時間を過ぎてしまう恐れがありますし、何よりこの時間を大切にしたかった。
御主人様が静かに休まれる空間で、私はその時を噛み締めていたのです。
しかし御主人様はそのまま眠られず、空の助手席を一番前までずらすようにと仰います。
そして私に、後部座席に来るようにと続けられたのです。
御主人様がお傍に呼んで下さった…!
その事が嬉しくて仕方ない私は、いそいそと後部座席へ移動します。
そして助手席をずらした事で出来た後部座席の足元にすっぽりと収まり、何時ものように御主人様のお傍へと座る事が出来ました。
それだけで幸せ。
お休みになられる御主人様のお傍に寄り添えるだけで、愛奴は満たされた気分になっていたのですが…。
ふんわり。
足元にいる愛奴の頭の上から毛布を掛けられた御主人様。
暗く静かな空間に響いたのは、しゃぶりなさいという御命令でした。
渋滞を避けたルートを選んだ事で、車は順調に流れて行きます。
「やはり車が楽ですね」
有難いよと言って下さる御主人様は、私の剥き出しの太腿に手を置くと、そのまま強く叩き付けられました。
柔らかい肉には手形が付きそうな程のじんじんとした痛み。
けれどそれが御主人様からの賛辞である事を、運転する愛奴はきちんと理解していました。
そのまま太腿を強く掴まれながら、役に立つ愛奴だというお褒めの御言葉まで付け加えて下さる御主人様。
痛みは瞬時に悦びへと変換されるも、この想いをどう処理したらいいのか判らず、私は空港へ向けて車を走らせ続けました。
今日は調教ではない。
前日にそう仰り、下着を付けて来る事を許可して下さった御主人様。
ですから与えられた痛みが嬉しくても、その気持ちをどこに置いたら良いのか全く判らなかったのです。
だって調教でない事なんて、今まで一度もなかったのですから。
スムーズに空港へ到着した頃には、すっかり上がってくれた雨。
けれど飛行機はかなり遅れているようで、チケットカウンターには遅延のお知らせが大きく掲示されていました。
御主人様と一緒に過ごせる時間が延びる事は勿論嬉しかったのですが、帰宅される時間が遅くなってしまうと、きっと御主人様が疲れてしまわれる。
私は複雑な心境で、困りましたねと御主人様とお話をしながら、いつものお店へと入って行きました。
先に来た飲み物を掲げ、「お疲れ様」とグラスを交わしてから今日の振り返りをされる御主人様。
悔しそうなお顔で試合の様子をお話されていますが、私は嬉しくて仕方がありませんでした。
御主人様のお好きな事について、一緒にお話をする事が出来る事。
きちんと会話をする事が出来る事。
勿論、十分ではありませんでしたが、それは余りにも特別な事に感じられて。
また一つ、御主人様のお傍に近づけたんだ。
そう感じながら、私は料理をお皿に取り分けました。
食事をしながらも、御主人様は欠伸が止まらないご様子。
長旅で早起きをされた事は勿論、お酒も沢山召し上がっていらっしゃいます。
丁度、飛行機も遅れていましたし、横になられたかったのでしょう。
車の中で寝ておこうかと提案され、二人はお店を後にしました。
駐車場に戻るエレベーターの中。
今度は太腿ではなく、ショートパンツの上からおまんこを叩かれる御主人様。
それは今日、初めての行為。
勿論期待をしていた訳ではありませんでしたが、触れて下さった事が純粋に嬉しかったのです。
車に戻った頃には、すっかり日が落ちて、立体駐車場は暗闇に包まれていました。
運転する事が多い私の車の中には、予めクッションや毛布が積まれています。
横になって寛げるよう後部座席の位置を調整すると、御主人様は小さなクッションを枕にして、毛布を掛けて目を閉じられました。
私は運転席に座ったまま、静かに御主人様の呼吸音を聞いています。
一緒に眠ってしまうと、飛行機の時間を過ぎてしまう恐れがありますし、何よりこの時間を大切にしたかった。
御主人様が静かに休まれる空間で、私はその時を噛み締めていたのです。
しかし御主人様はそのまま眠られず、空の助手席を一番前までずらすようにと仰います。
そして私に、後部座席に来るようにと続けられたのです。
御主人様がお傍に呼んで下さった…!
その事が嬉しくて仕方ない私は、いそいそと後部座席へ移動します。
そして助手席をずらした事で出来た後部座席の足元にすっぽりと収まり、何時ものように御主人様のお傍へと座る事が出来ました。
それだけで幸せ。
お休みになられる御主人様のお傍に寄り添えるだけで、愛奴は満たされた気分になっていたのですが…。
ふんわり。
足元にいる愛奴の頭の上から毛布を掛けられた御主人様。
暗く静かな空間に響いたのは、しゃぶりなさいという御命令でした。
あの二度目の調教の日。
初めて御主人様が私の住んでいる街へ来て下さった時と同じ道を通り、私は球場へと車を走らせます。
少し混んではいましたが、予約していた駐車場へとスムーズに到着しました。
球場の駐車場を利用してしまうと、渋滞に巻き込まれた際に飛行機の時間が危うくなる為、事前に民間の駐車場を予約していたのです。
勿論、前もって場所と行き方も確認済。
短い滞在時間が少しでも無駄になる事のないように、御主人様にゆったりとした時間を愉しんで頂きたい。
その為に出来る事は、何事も愉しみの一つでしかありませんでした。
車から降りた御主人様と私。
先程より小降りにはなっていましたが、今度は細かいシャワーのような雨が降っています。
御主人様はバッグからさっと折り畳み傘を出され、慣れた手付きで広げられましたが、私の手はバッグや荷物で塞がっていて、傘を持つ余裕がありませんでした。
霧雨だから大丈夫かなと想ったのですが、海に近い球場は、空港と同じく強い風が吹いています。
降り注ぐ雨にメイクが崩れてしまったなら...。
そんな顔を御主人様にお見せする訳にはいかない。
私は数歩先を歩かれる御主人様の背後にくっつき、こっそりと雨を避けようとしました。
「何を勝手に入っているのですか」
私を振り返りながら見下ろし、しっかりと傘に入っている愛奴を睨まれる御主人様。
悪戯っ子のように笑って誤魔化す私でしたが、さっと身を翻した御主人様の傘から外れ、顔面にシャワーが降り注いでしまいました。
それでもめげずに背中にくっつく私。
避ける御主人様。
そんな遣り取りが嬉しくて仕方がなくて。
歩みの速い御主人様の鞄に掴まりながら、球場迄の道を歩いて行きました。
球場が近付くにつれ、野球のユニフォームを着た人々の姿が増えて行きます。
設営された物販のテントに、応援グッズを身に着けたファン達。
私は野球観戦をした事がありませんでしたから、初めて見る光景に、お祭りの前のような高揚感を覚えていました。
御主人様のバッグに掴まりながら、想っていたよりスムーズに座席へと辿り着きます。
いつも行っている球場より広いと仰る御主人様は、早速座席に座られると、バッグからユニフォームを二着取り出されました。
そしてその一着を私に差し出して下さったのです。
「私のユニフォームを貸してあげましょう」
今日の計画を想い付かれた時からそう仰って下さっていた御主人様でしたが、それが現実となる事の嬉しさに戸惑う私。
御主人様のお洋服を着るような事態に遭遇するなんて。
そんな夢のような事が、実際に起こるなんて。
この手にユニフォームを受け取っても尚、私はその擽ったさに困惑していました。
御主人様が普段着られているユニフォーム。
御主人様とお揃い。
物凄く嬉しい...!!
私はまるで着物に袖を通すかのように、ゆっくりと御主人様の匂いに包まれて行きました。
本当は写真を撮りたかったのですが、何だか不思議な気恥しさに言い出せなくて…。
お揃いの服を着た御主人様と私だなんて。
いいのかな…。
何だか酷く恥ずかしくて嬉しくて落ち着かない。
けれどまたいつかそんな機会が訪れたなら、お願いしてみようかと想っています。
そんな事をしている内に、いつの間にか始まっていた試合。
テレビでしか見た事のないその雰囲気が上手く掴めなくて、先ずは動向を見守ります。
辛うじてルールは知っていましたから、試合が接戦である事は理解出来ていました。
少し離れた所にいる大人数の応援団が奏でる応援に合わせて、声を出される御主人様。
野球の応援ってこんな風にやるんだ…。
何だか楽しい…!
解らないながらも手を叩きながら、御主人様に倣って声を出してみる私。
御主人様が教えて下さった応援。
修学旅行の夜のように、二人並んで予習をした歌。
ヒットやホームランが出ると、御主人様が私に握手を求めて下さる。
御主人様がお好きな物を、私も一緒に楽しめている。
その事実が嬉しくて仕方がなくて。
御主人様が喜ばれる事が嬉しい。
御主人様が楽しまれる事が楽しい。
けれど御主人様と同じ物を楽しめる事は、こんなにも特別だなんて…!
結果的に試合には負けてしまったけれど、私の人生初の野球観戦はとても楽しい物となりました。
試合終了後、直ぐに座席を立たれる御主人様。
急いでその後を追った私は、行き交う大勢の人々に流されないよう、来た時と同じように御主人様の鞄に掴まります。
途中のコンビニでトイレに行くと、御主人様はお店の外で煙草を吸って待っていて下さいました。
私の住んでいる街に御主人様が溶け込んでいらっしゃる。
毎回想う事ですが、それが物凄く特別で嬉しくて。
私の想いはあの頃と何も変わらないのだと確認しながら、駐車場までの道を、来た時と同じように笑って歩いて行きました。
初めて御主人様が私の住んでいる街へ来て下さった時と同じ道を通り、私は球場へと車を走らせます。
少し混んではいましたが、予約していた駐車場へとスムーズに到着しました。
球場の駐車場を利用してしまうと、渋滞に巻き込まれた際に飛行機の時間が危うくなる為、事前に民間の駐車場を予約していたのです。
勿論、前もって場所と行き方も確認済。
短い滞在時間が少しでも無駄になる事のないように、御主人様にゆったりとした時間を愉しんで頂きたい。
その為に出来る事は、何事も愉しみの一つでしかありませんでした。
車から降りた御主人様と私。
先程より小降りにはなっていましたが、今度は細かいシャワーのような雨が降っています。
御主人様はバッグからさっと折り畳み傘を出され、慣れた手付きで広げられましたが、私の手はバッグや荷物で塞がっていて、傘を持つ余裕がありませんでした。
霧雨だから大丈夫かなと想ったのですが、海に近い球場は、空港と同じく強い風が吹いています。
降り注ぐ雨にメイクが崩れてしまったなら...。
そんな顔を御主人様にお見せする訳にはいかない。
私は数歩先を歩かれる御主人様の背後にくっつき、こっそりと雨を避けようとしました。
「何を勝手に入っているのですか」
私を振り返りながら見下ろし、しっかりと傘に入っている愛奴を睨まれる御主人様。
悪戯っ子のように笑って誤魔化す私でしたが、さっと身を翻した御主人様の傘から外れ、顔面にシャワーが降り注いでしまいました。
それでもめげずに背中にくっつく私。
避ける御主人様。
そんな遣り取りが嬉しくて仕方がなくて。
歩みの速い御主人様の鞄に掴まりながら、球場迄の道を歩いて行きました。
球場が近付くにつれ、野球のユニフォームを着た人々の姿が増えて行きます。
設営された物販のテントに、応援グッズを身に着けたファン達。
私は野球観戦をした事がありませんでしたから、初めて見る光景に、お祭りの前のような高揚感を覚えていました。
御主人様のバッグに掴まりながら、想っていたよりスムーズに座席へと辿り着きます。
いつも行っている球場より広いと仰る御主人様は、早速座席に座られると、バッグからユニフォームを二着取り出されました。
そしてその一着を私に差し出して下さったのです。
「私のユニフォームを貸してあげましょう」
今日の計画を想い付かれた時からそう仰って下さっていた御主人様でしたが、それが現実となる事の嬉しさに戸惑う私。
御主人様のお洋服を着るような事態に遭遇するなんて。
そんな夢のような事が、実際に起こるなんて。
この手にユニフォームを受け取っても尚、私はその擽ったさに困惑していました。
御主人様が普段着られているユニフォーム。
御主人様とお揃い。
物凄く嬉しい...!!
私はまるで着物に袖を通すかのように、ゆっくりと御主人様の匂いに包まれて行きました。
本当は写真を撮りたかったのですが、何だか不思議な気恥しさに言い出せなくて…。
お揃いの服を着た御主人様と私だなんて。
いいのかな…。
何だか酷く恥ずかしくて嬉しくて落ち着かない。
けれどまたいつかそんな機会が訪れたなら、お願いしてみようかと想っています。
そんな事をしている内に、いつの間にか始まっていた試合。
テレビでしか見た事のないその雰囲気が上手く掴めなくて、先ずは動向を見守ります。
辛うじてルールは知っていましたから、試合が接戦である事は理解出来ていました。
少し離れた所にいる大人数の応援団が奏でる応援に合わせて、声を出される御主人様。
野球の応援ってこんな風にやるんだ…。
何だか楽しい…!
解らないながらも手を叩きながら、御主人様に倣って声を出してみる私。
御主人様が教えて下さった応援。
修学旅行の夜のように、二人並んで予習をした歌。
ヒットやホームランが出ると、御主人様が私に握手を求めて下さる。
御主人様がお好きな物を、私も一緒に楽しめている。
その事実が嬉しくて仕方がなくて。
御主人様が喜ばれる事が嬉しい。
御主人様が楽しまれる事が楽しい。
けれど御主人様と同じ物を楽しめる事は、こんなにも特別だなんて…!
結果的に試合には負けてしまったけれど、私の人生初の野球観戦はとても楽しい物となりました。
試合終了後、直ぐに座席を立たれる御主人様。
急いでその後を追った私は、行き交う大勢の人々に流されないよう、来た時と同じように御主人様の鞄に掴まります。
途中のコンビニでトイレに行くと、御主人様はお店の外で煙草を吸って待っていて下さいました。
私の住んでいる街に御主人様が溶け込んでいらっしゃる。
毎回想う事ですが、それが物凄く特別で嬉しくて。
私の想いはあの頃と何も変わらないのだと確認しながら、駐車場までの道を、来た時と同じように笑って歩いて行きました。
小雨の朝。
御主人様をお迎えする為、車で空港へと向かった私。
どうやら悪天候の影響で、飛行機は少しだけ遅れているようでした。
今日は何時もと違い、下着を付けているので妙な安心感があります。
けれどそれとは対照的に、私は緊張しながら、空港の到着口の椅子に座っていました。
この日、御主人様が私の住んでいる街に来て下さるのは野球観戦の為。
調教でない事なんて初めての経験で、何だかそわそわして落ち着けなかったのです。
まるで二度目の調教の日のよう。
心臓が飛び出しそうな程の緊張感を昨日の事のように覚えている私は、そう想い出せば出す程にますます動悸が激しくなって。
物陰に隠れてしまいたいような衝動に駆られていました。
飛行機到着のアナウンス後、程なくして到着口に現れた御主人様。
何時もとは違うラフな装いに、スーツ姿の時とは違う柔らかさを感じます。
私も今日はワンピースでなく、ショートパンツにTシャツという格好。
そこに主従関係があるなんて、微塵も感じられないような二人でした。
今日は試合時間の都合上、空港でランチを取る事にしていました。
事前にリサーチしていた、地元の有名ラーメン店。
本当は、以前にご紹介したお店の方が美味しいと解っていたのですが、残念ながら空港にはお店が入っておらず...。
仕方なく妥協をするという形での御案内となりました。
「美味しい」
そう言って下さった御主人様でしたが、やはりあのお店の方が美味しいと続けられます。
きちんと美味しい物を提供出来なかった事にもどかしさを感じてはいましたが、御主人様との味覚の近さを再確認出来た嬉しさで、私の心は弾んでいました。
ランチを終え、空港の駐車場へと向かう御主人様と私。
お昼から上がる予報だったのに、外は強風に雨が流されています。
私からの情報が間違っているじゃないかと、睨みを利かせる御主人様。
それがわざとだと知っている私は、謝り笑いながら車へと乗り込みました。
けれど想っていた以上の風雨に、御主人様も私もかなり濡れてしまっています。
お前のせいだ、と繰り返し呟かれる御主人様は、笑う私を横目に、怒りのない睨みを続けられていました。
そんな遣り取りさえも嬉しくて堪らない。
くすくすと笑う私の運転する車は、横殴りの雨の中を球場へと出発しました。
御主人様をお迎えする為、車で空港へと向かった私。
どうやら悪天候の影響で、飛行機は少しだけ遅れているようでした。
今日は何時もと違い、下着を付けているので妙な安心感があります。
けれどそれとは対照的に、私は緊張しながら、空港の到着口の椅子に座っていました。
この日、御主人様が私の住んでいる街に来て下さるのは野球観戦の為。
調教でない事なんて初めての経験で、何だかそわそわして落ち着けなかったのです。
まるで二度目の調教の日のよう。
心臓が飛び出しそうな程の緊張感を昨日の事のように覚えている私は、そう想い出せば出す程にますます動悸が激しくなって。
物陰に隠れてしまいたいような衝動に駆られていました。
飛行機到着のアナウンス後、程なくして到着口に現れた御主人様。
何時もとは違うラフな装いに、スーツ姿の時とは違う柔らかさを感じます。
私も今日はワンピースでなく、ショートパンツにTシャツという格好。
そこに主従関係があるなんて、微塵も感じられないような二人でした。
今日は試合時間の都合上、空港でランチを取る事にしていました。
事前にリサーチしていた、地元の有名ラーメン店。
本当は、以前にご紹介したお店の方が美味しいと解っていたのですが、残念ながら空港にはお店が入っておらず...。
仕方なく妥協をするという形での御案内となりました。
「美味しい」
そう言って下さった御主人様でしたが、やはりあのお店の方が美味しいと続けられます。
きちんと美味しい物を提供出来なかった事にもどかしさを感じてはいましたが、御主人様との味覚の近さを再確認出来た嬉しさで、私の心は弾んでいました。
ランチを終え、空港の駐車場へと向かう御主人様と私。
お昼から上がる予報だったのに、外は強風に雨が流されています。
私からの情報が間違っているじゃないかと、睨みを利かせる御主人様。
それがわざとだと知っている私は、謝り笑いながら車へと乗り込みました。
けれど想っていた以上の風雨に、御主人様も私もかなり濡れてしまっています。
お前のせいだ、と繰り返し呟かれる御主人様は、笑う私を横目に、怒りのない睨みを続けられていました。
そんな遣り取りさえも嬉しくて堪らない。
くすくすと笑う私の運転する車は、横殴りの雨の中を球場へと出発しました。
それぞれに身支度を整える御主人様と私。
チェックアウト迄の短時間でスムーズに済まされるそれは、重ねて来た時間の長さを表していました。
お部屋を後にし、エレベーターに乗り込むと、先にスーツケースを発送して来るようにと促されます。
その間にチェックアウトを済ませておくからと。
それは普通に合理的で、何の問題もないスムーズな提案。
実際、私が発送の手続きをしている間、御主人様は何時も少し離れた所で待って下さっていました。
その時間を有効活用しようと提案して下さる事に、何も可笑しな点はありません。
けれどその時の私は、何故か拒否反応を示してしまったのです。
それは、慣れない場所に一人で放り出される心細さ。
不安。
そして、御主人様と一時たりとも離れたくないという甘えでした。
私は一人で行動する事が好きですし、飛行機だって一人で乗れます。
誰かといるより、寧ろその方が快適だと感じるくらいです。
けれど御主人様のお傍にいる時だけは、私はいつもの私ではなくなってしまう。
いつも一人で強がって立っている私は、御主人様の前でのみ、弱く在る事を赦して頂いているのです。
それはまるで小さな少女のように。
“しらないところへひとりでいくのはこわい“
“しらないひとはきらい“
“ひとりはいや“
“ひとりにしないで“
そうやって時折顔を出すのは、まだ我儘を言えていた頃の幼い私。
けれどそんな顔をした私を、御主人様が見逃す筈がありませんでした。
押し出すように私をエレベーターから下ろすと、お一人でフロントへと向かわれてしまったのです。
それはこの時、不必要な甘えだった証拠。
私はそれを自覚していましたが、あのお部屋の中でのみ赦された小さな私は、まだすっかりと消えていた訳ではなかったのです。
誰もいないエレベーターホール。
私はお道具の詰まったスーツケースを引き摺り、手荷物サービスのカウンターを探します。
けれど見えるのは会議室のような観音開きの大きな扉ばかりで。
流石の私にも、此処ではないという事が理解出来ました。
その時、目に入って来たのはエスカレーター。
御主人様が直ぐ下の階に下りられた事を知っていた私は、スーツケースを引いて飛び乗ります。
私が戻るのが遅かったなら、もしかしたら入れ違いになってしまうかもしれない。
そう予測し、急いで御主人様を探したのです。
きょろきょろと辺りを見渡すと、直ぐに見つけられる御主人様の御姿。
手荷物サービスのカウンターが上の階ではなかった事に、直ぐに気が付かれていたようです。
「馬鹿な顔をして迷っているかと想いましたよ」と悪戯なお顔をされる御主人様。
けれどその愛しい意地悪が、どうしようもなく私を安心させてくれていました。
無事にスーツケースを預け、人の多い駅へと歩き出した御主人様と私。
またもや腕に掴まり損ねてしまい、急いでその背中を追い掛けました。
人混みの中の御主人様は、何時ものように振り返って、私が付いてきているのかを確認して下さいます。
するとたまたま追い付く事が出来た愛奴を見下ろし、歩くのが速くなったなと驚かれていました。
今日も電車は満員。
並んで吊革に掴まっていた御主人様と私でしたが、正面に座られていた方が降りられたので、久しぶりに一緒に座る事が出来ました。
こうして電車に揺られるのは何時ぶりだろう。
そう想っていたのは、御主人様も同じだったのでしょうか。
以前のように電車の揺れに合わせて、私にわざと体重を掛けて来られたのです。
それが嬉しくて堪らなくて。
私はまたくすくすと小さく笑いながら、電車の揺れのせいにして、温かいお身体にその体重を預けていました。
空港に到着すると、御主人様は既に決められていたようで、流れるようにお店へと入って行かれました。
そこは以前にも訪れた飲食店。
私にとって余り良い想い出ではないけれど、それももう過去の記憶。
御主人様に話す事も出来ず、一人葛藤していた事を小さな棘として想い返していました。
そんな私を知る由もない御主人様。
メニューを相談して下さり、楽しそうに野球の話をされる。
卵を半分こして、どれが食べたいかと料理をシェアして下さって…。
そんな優しさを全身で感じながら、私の中の棘はいつの間にか消え去っていました。
だって御主人様はいつもお優しい。
その中には沢山の意味が含まれていて、私もそれをきちんと感じ取っている。
見える形ではないけれど、私の魂はいつも御主人様と繋がっていて。
だからこそ私は、御主人様に絶対的な信頼を置いている。
それは私がずっと求め続けていた、主従関係そのもの。
一生出逢う事等ないと想っていた、理想の御主人様そのものなのです。
食事を終え、手荷物検査場の前で向き合う御主人様と私。
「来月、お前の出迎えを愉しみにしていますよ」と、少し強張った私に言葉を掛けて下さいます。
そのお気持ちが堪らなく嬉しくて。
名残り惜しそうに見つめる愛奴に、行ってこいと御命令されました。
来月は、私が御主人様をお迎えする番。
お待ちしていますと気持ちを込め、小さくなって行く御主人様に大きく大きく手を振りました。
20度目の調教はこれにて終了となります。
21度目の調教は、何時もとは少し違う番外編の予定です。
そちらも既に終了していますので、またお付き合い頂けると幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
21度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
チェックアウト迄の短時間でスムーズに済まされるそれは、重ねて来た時間の長さを表していました。
お部屋を後にし、エレベーターに乗り込むと、先にスーツケースを発送して来るようにと促されます。
その間にチェックアウトを済ませておくからと。
それは普通に合理的で、何の問題もないスムーズな提案。
実際、私が発送の手続きをしている間、御主人様は何時も少し離れた所で待って下さっていました。
その時間を有効活用しようと提案して下さる事に、何も可笑しな点はありません。
けれどその時の私は、何故か拒否反応を示してしまったのです。
それは、慣れない場所に一人で放り出される心細さ。
不安。
そして、御主人様と一時たりとも離れたくないという甘えでした。
私は一人で行動する事が好きですし、飛行機だって一人で乗れます。
誰かといるより、寧ろその方が快適だと感じるくらいです。
けれど御主人様のお傍にいる時だけは、私はいつもの私ではなくなってしまう。
いつも一人で強がって立っている私は、御主人様の前でのみ、弱く在る事を赦して頂いているのです。
それはまるで小さな少女のように。
“しらないところへひとりでいくのはこわい“
“しらないひとはきらい“
“ひとりはいや“
“ひとりにしないで“
そうやって時折顔を出すのは、まだ我儘を言えていた頃の幼い私。
けれどそんな顔をした私を、御主人様が見逃す筈がありませんでした。
押し出すように私をエレベーターから下ろすと、お一人でフロントへと向かわれてしまったのです。
それはこの時、不必要な甘えだった証拠。
私はそれを自覚していましたが、あのお部屋の中でのみ赦された小さな私は、まだすっかりと消えていた訳ではなかったのです。
誰もいないエレベーターホール。
私はお道具の詰まったスーツケースを引き摺り、手荷物サービスのカウンターを探します。
けれど見えるのは会議室のような観音開きの大きな扉ばかりで。
流石の私にも、此処ではないという事が理解出来ました。
その時、目に入って来たのはエスカレーター。
御主人様が直ぐ下の階に下りられた事を知っていた私は、スーツケースを引いて飛び乗ります。
私が戻るのが遅かったなら、もしかしたら入れ違いになってしまうかもしれない。
そう予測し、急いで御主人様を探したのです。
きょろきょろと辺りを見渡すと、直ぐに見つけられる御主人様の御姿。
手荷物サービスのカウンターが上の階ではなかった事に、直ぐに気が付かれていたようです。
「馬鹿な顔をして迷っているかと想いましたよ」と悪戯なお顔をされる御主人様。
けれどその愛しい意地悪が、どうしようもなく私を安心させてくれていました。
無事にスーツケースを預け、人の多い駅へと歩き出した御主人様と私。
またもや腕に掴まり損ねてしまい、急いでその背中を追い掛けました。
人混みの中の御主人様は、何時ものように振り返って、私が付いてきているのかを確認して下さいます。
するとたまたま追い付く事が出来た愛奴を見下ろし、歩くのが速くなったなと驚かれていました。
今日も電車は満員。
並んで吊革に掴まっていた御主人様と私でしたが、正面に座られていた方が降りられたので、久しぶりに一緒に座る事が出来ました。
こうして電車に揺られるのは何時ぶりだろう。
そう想っていたのは、御主人様も同じだったのでしょうか。
以前のように電車の揺れに合わせて、私にわざと体重を掛けて来られたのです。
それが嬉しくて堪らなくて。
私はまたくすくすと小さく笑いながら、電車の揺れのせいにして、温かいお身体にその体重を預けていました。
空港に到着すると、御主人様は既に決められていたようで、流れるようにお店へと入って行かれました。
そこは以前にも訪れた飲食店。
私にとって余り良い想い出ではないけれど、それももう過去の記憶。
御主人様に話す事も出来ず、一人葛藤していた事を小さな棘として想い返していました。
そんな私を知る由もない御主人様。
メニューを相談して下さり、楽しそうに野球の話をされる。
卵を半分こして、どれが食べたいかと料理をシェアして下さって…。
そんな優しさを全身で感じながら、私の中の棘はいつの間にか消え去っていました。
だって御主人様はいつもお優しい。
その中には沢山の意味が含まれていて、私もそれをきちんと感じ取っている。
見える形ではないけれど、私の魂はいつも御主人様と繋がっていて。
だからこそ私は、御主人様に絶対的な信頼を置いている。
それは私がずっと求め続けていた、主従関係そのもの。
一生出逢う事等ないと想っていた、理想の御主人様そのものなのです。
食事を終え、手荷物検査場の前で向き合う御主人様と私。
「来月、お前の出迎えを愉しみにしていますよ」と、少し強張った私に言葉を掛けて下さいます。
そのお気持ちが堪らなく嬉しくて。
名残り惜しそうに見つめる愛奴に、行ってこいと御命令されました。
来月は、私が御主人様をお迎えする番。
お待ちしていますと気持ちを込め、小さくなって行く御主人様に大きく大きく手を振りました。
20度目の調教はこれにて終了となります。
21度目の調教は、何時もとは少し違う番外編の予定です。
そちらも既に終了していますので、またお付き合い頂けると幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
21度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
御主人様のお身体をバスタオルで包み、丁寧に拭き上げた私。
急いで自分自身の水分を拭き取ってお部屋に戻ると、御主人様は既にベッドで寛がれていました。
いそいそと傍に寄ってくる愛奴に、少しだけ意地悪をされたくなったのでしょうか。
御主人様はマッサージのお返しと称され、私の腰を強く指圧して来られたのです。
その痛みと擽ったさ、そして嬉しさ。
笑い転げる私は、じっとしている事が出来ず、そのまま御主人様の上に倒れ込んでしまいました。
「乗るんじゃありません」
「重いのですが」
素っ気ない御言葉とは裏腹な御主人様の優しい表情。
私はそれを決して見逃さず、二人一緒にベッドに寝転びました。
けれど今度はますます御主人様に近付けない体勢になってしまい、私は仕方なくそのお隣に並んで身体を休めます。
こうしてお傍にいられるだけでも本当に幸せ。
そう想い、静かに目を閉じて御主人様の気配を堪能していた時。
肌触りの良い羽根布団がざわっと音を立てて持ち上がり、暖かい御主人様の脚が私の脚に絡み付いて来たのです。
触れ合える事もそうだけれど、御主人様が自らそうして下さる事の特別感。
重なった肌から込み上げて来る幸福を逃すまいと、私は出来るだけ御主人様に寄り添いました。
そんな愛奴の行動に満足されたのか、鼻からふうっと息を吐き出された御主人様。
程なくして聞こえて来た小さな寝息を確認すると、私も安心してうとうとと眠りに落ちて行きました。
チェックアウトの時間が近付くにつれ、次第に傾いて行く太陽。
お部屋の中にまで入り込んで来た陽射しに暖められて、ゆっくりと目を覚ました私。
ふと隣に視線を移すと、まだ眠られている御主人様の首筋には、つうっと汗の雫が流れていました。
しまった…。
こんなに汗をかかれて、きっと寝苦しかったに違いない…。
カーテンを閉めていれば、御主人様に気持ち良く休んで頂く事が出来たのに…。
瞬時にそう反省した私でしたが、こうしている時間さえも無駄には出来ない。
振動を最小限に抑えるようさっとベッドから降りると、大きな窓に掛けてある長い長いカーテンを閉め、素早くお部屋の温度を調整しました。
そしてそのままバスルームへと向かい、新しいお湯の準備を始めます。
御主人様が目を覚まされた時、寝汗で濡れたお身体では気持ちが悪いに違いない。
それならば少しでも早く汗を流して頂けるよう、適温のお湯を準備して差し上げたい。
それは愛奴としてでもありましたが、御主人様にただ心地好く過ごして頂きたいという素直な想いだけでした。
お部屋の温度を調整しつつ、御主人様の傍らでチェックアウト一時間前まで過ごした私。
起こされた御主人様は、まだ燦々と降り注ぐ陽射しに目を細められていました。
もうこんな時間になったのかと呟かれ、携帯を見つめる御主人様を見つめる愛奴に、先にバスルームに行っておくようにと促されます。
何時もならこんな時、少しだけ駄々を捏ねる愛奴でしたが、この時は邪魔をしてはいけないのだと瞬時に判断し、素直にベッドから下りました。
全裸でとことことバスルームへ歩いて行き、一人お湯に浸かった私。
暫くしていらっしゃった御主人様が私の隣へ腰を下ろすと、そのお身体の分だけ水位が上昇しました。
バスタブの縁を超えて、ざあっと溢れるお湯。
一頻り流れ切ってしまうと、静かな空間に御主人様の指の音だけが響きます。
まるでモールス信号のように不規則に動く指に対して、静かに宙を見つめていらっしゃる御主人様。
きっと何か考え事をされている。
話し掛けてはいけない。
そう正解を感じ取りましたが、その時間が余りにも長く感じて。
暫く見守った後、どうしたのですかと想い切って聞いてみたのです。
するとやはりお仕事の事を考えていらっしゃった様子。
御主人様はご自分のお仕事に関して、余り熱心な様子を見せて下さる事はないのですが。
本当はそうではない事。
お休みの日もお仕事をされている事。
いつも熱心である事を私は知っていました。
それは私が御主人様の事を尊敬している理由の一つでもあり、お逢い出来ない時間を不満に想えない理由の一つでもある。
その中で私に目を掛けて下さる事。
それが御主人様である事。
私はその全てを受け入れているからこそ、何時も安心して「待て」をしていられるのです。
急いで自分自身の水分を拭き取ってお部屋に戻ると、御主人様は既にベッドで寛がれていました。
いそいそと傍に寄ってくる愛奴に、少しだけ意地悪をされたくなったのでしょうか。
御主人様はマッサージのお返しと称され、私の腰を強く指圧して来られたのです。
その痛みと擽ったさ、そして嬉しさ。
笑い転げる私は、じっとしている事が出来ず、そのまま御主人様の上に倒れ込んでしまいました。
「乗るんじゃありません」
「重いのですが」
素っ気ない御言葉とは裏腹な御主人様の優しい表情。
私はそれを決して見逃さず、二人一緒にベッドに寝転びました。
けれど今度はますます御主人様に近付けない体勢になってしまい、私は仕方なくそのお隣に並んで身体を休めます。
こうしてお傍にいられるだけでも本当に幸せ。
そう想い、静かに目を閉じて御主人様の気配を堪能していた時。
肌触りの良い羽根布団がざわっと音を立てて持ち上がり、暖かい御主人様の脚が私の脚に絡み付いて来たのです。
触れ合える事もそうだけれど、御主人様が自らそうして下さる事の特別感。
重なった肌から込み上げて来る幸福を逃すまいと、私は出来るだけ御主人様に寄り添いました。
そんな愛奴の行動に満足されたのか、鼻からふうっと息を吐き出された御主人様。
程なくして聞こえて来た小さな寝息を確認すると、私も安心してうとうとと眠りに落ちて行きました。
チェックアウトの時間が近付くにつれ、次第に傾いて行く太陽。
お部屋の中にまで入り込んで来た陽射しに暖められて、ゆっくりと目を覚ました私。
ふと隣に視線を移すと、まだ眠られている御主人様の首筋には、つうっと汗の雫が流れていました。
しまった…。
こんなに汗をかかれて、きっと寝苦しかったに違いない…。
カーテンを閉めていれば、御主人様に気持ち良く休んで頂く事が出来たのに…。
瞬時にそう反省した私でしたが、こうしている時間さえも無駄には出来ない。
振動を最小限に抑えるようさっとベッドから降りると、大きな窓に掛けてある長い長いカーテンを閉め、素早くお部屋の温度を調整しました。
そしてそのままバスルームへと向かい、新しいお湯の準備を始めます。
御主人様が目を覚まされた時、寝汗で濡れたお身体では気持ちが悪いに違いない。
それならば少しでも早く汗を流して頂けるよう、適温のお湯を準備して差し上げたい。
それは愛奴としてでもありましたが、御主人様にただ心地好く過ごして頂きたいという素直な想いだけでした。
お部屋の温度を調整しつつ、御主人様の傍らでチェックアウト一時間前まで過ごした私。
起こされた御主人様は、まだ燦々と降り注ぐ陽射しに目を細められていました。
もうこんな時間になったのかと呟かれ、携帯を見つめる御主人様を見つめる愛奴に、先にバスルームに行っておくようにと促されます。
何時もならこんな時、少しだけ駄々を捏ねる愛奴でしたが、この時は邪魔をしてはいけないのだと瞬時に判断し、素直にベッドから下りました。
全裸でとことことバスルームへ歩いて行き、一人お湯に浸かった私。
暫くしていらっしゃった御主人様が私の隣へ腰を下ろすと、そのお身体の分だけ水位が上昇しました。
バスタブの縁を超えて、ざあっと溢れるお湯。
一頻り流れ切ってしまうと、静かな空間に御主人様の指の音だけが響きます。
まるでモールス信号のように不規則に動く指に対して、静かに宙を見つめていらっしゃる御主人様。
きっと何か考え事をされている。
話し掛けてはいけない。
そう正解を感じ取りましたが、その時間が余りにも長く感じて。
暫く見守った後、どうしたのですかと想い切って聞いてみたのです。
するとやはりお仕事の事を考えていらっしゃった様子。
御主人様はご自分のお仕事に関して、余り熱心な様子を見せて下さる事はないのですが。
本当はそうではない事。
お休みの日もお仕事をされている事。
いつも熱心である事を私は知っていました。
それは私が御主人様の事を尊敬している理由の一つでもあり、お逢い出来ない時間を不満に想えない理由の一つでもある。
その中で私に目を掛けて下さる事。
それが御主人様である事。
私はその全てを受け入れているからこそ、何時も安心して「待て」をしていられるのです。