御主人様と愛奴 変態の日々の記録
プロフィール
Author:愛奴
♥当ブログは性的表現・画像を使用しておりますので、18歳未満の方は直ちにブラウザバックをお願い致します。
またSMに嫌悪感をお持ちの方は閲覧をお控え下さい。
自己責任の元での閲覧をお願い致します。
御主人様の愛奴です。
お初の方は「はじめに」をご参照下さい。
コメントは承認制となっておりますので、「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れて下さると非表示となります。
私からのお返事のみ掲載させて頂きますので、SMに興味のある方もノーマルの方も、皆様お気軽に足跡を残して下さると嬉しいです。
リンク
アクセスカウンター
月別アーカイブ
- 2022/05 (1)
- 2022/01 (1)
- 2021/05 (1)
- 2020/12 (1)
- 2020/08 (2)
- 2020/06 (1)
- 2020/05 (1)
- 2020/03 (2)
- 2020/02 (2)
- 2020/01 (5)
- 2019/12 (2)
- 2019/11 (2)
- 2019/10 (3)
- 2019/09 (4)
- 2019/08 (5)
- 2019/07 (3)
- 2019/06 (3)
- 2019/05 (7)
- 2019/04 (5)
- 2019/03 (7)
- 2019/02 (3)
- 2019/01 (8)
- 2018/12 (3)
- 2018/11 (3)
- 2018/10 (5)
- 2018/09 (5)
- 2018/08 (5)
- 2018/07 (8)
- 2018/06 (7)
- 2018/05 (5)
- 2018/04 (4)
- 2018/03 (3)
- 2018/02 (6)
- 2018/01 (4)
- 2017/12 (3)
- 2017/11 (6)
- 2017/10 (3)
- 2017/09 (3)
- 2017/08 (6)
- 2017/07 (8)
- 2017/06 (5)
- 2017/05 (4)
- 2017/04 (11)
- 2017/03 (3)
- 2017/02 (4)
- 2017/01 (12)
- 2016/12 (12)
- 2016/11 (4)
- 2016/10 (10)
- 2016/09 (15)
ブロとも一覧
ブロとも申請フォーム
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
“今日は調教ではないのだから、下着を付けて来てもいい”
そう仰った御主人様自身も、こんな展開は想定していなかったのかもしれません。
調教でなくても御主人様が楽しんで下さる事。
こうして私を使おうと想って下さる事。
そのどちらもが私にとっては余りにも特別で、御主人様の全てはいつも私を満たして止まないのです。
後部座席の足元に座ったまま、御主人様のベルトを外してファスナーを下ろそうとした私。
けれど既にその中身は膨張していて、上手く取り出す事が出来ません。
もたもたしている私を前に、自ら腰を浮かせてペニスを取り出して下さった御主人様。
それは何時も見る陽射しの下と同じ容量で、そのシルエットだけが硬く浮かび上がっていました。
御主人様の匂い。
熱いお身体。
頭から毛布を掛けられている私にはそれ等が増長され、きちんと御奉仕が出来ているのかすらも判断が付きません。
けれど御主人様は服を脱がれている訳ではない。
私が気を抜けば、大量の唾液が溢れてしまい、お洋服を汚してしまう可能性がある。
そんな事態は避けなければならない。
私は動かす度に溢れて来る自分の唾液を吸い取りながら、舌の動きを止めないよう必死に御奉仕を続けていました。
「嬉しいでしょう?」
毛布の向こうから聞こえたのは、少し遠くに感じる御主人様の低い声。
私を一瞬にして虜にしてしまうその響きに、身体中の血液が物凄い速さで巡って行くのを感じます。
息苦しい毛布の中。
呼吸を制限する深い御奉仕。
酸素を少量しか得られない脳は次第に意識を霞ませ、塞がれた口が何とか呼吸をしようと声を漏らしています。
苦しくて、嬉しくて。
おまんこが疼いて仕方がない。
そんな私を感じて下さったのか、使ってやりたいけれど今日は仕方がないね、と毛布越しに声を掛けて下さいました。
その瞬間。
御主人様のお気持ちが嬉しくて嬉しくて。
御主人様のペニスを口内に収めたまま、一気におまんこが収縮し、勝手に絶頂へと達してしまったのです。
「もっと速く」
そう仰り、私の頭を掴んで強制的に動かされる御主人様。
激しく出入りするペニスに、まるでおまんこを使って頂いているような錯覚に陥る私。
犯されている口内が悦んで、また勝手に逝ってしまいそう…。
その時、御主人様の合図と共に口内に広がった液体。
ふんわりと鼻に抜ける愛しい匂いに、私の動きは止まりました。
けれど飲み込んでしまうのが勿体ない。
与えて頂いた精子をなるべく味わいたかったのですが、このままではお掃除をする事が出来ません。
仕方なく、なるべくゆっくりと喉に滑らせて行きます。
それでもまだ欲しかった。
お掃除を口実に、ペニスを丁寧に丁寧に舌でなぞって行く私。
それが再び御奉仕になっている事に気が付かれたのでしょう。
このままにしていたら、愛奴がペニスを離さなくなる。
そう感じられたのか、御主人様が腰を引かれるのと同時に、精を吐き出したペニスは私の中から出て行ってしまいました。
車に乗せていたウエットティッシュで、私の唾液を綺麗に拭き取ると、御主人様は再び横になられます。
そしてその足元に愛奴を置いて下さると、ショートパンツからはみ出している太腿に大きな掌を乗せ、そのまま眠られてしまいました。
すやすやと聞こえて来る穏やかな寝息。
優しい寝顔の御主人様を見守りがら、こんなにも愛おしく想える感情と存在があるのだと。
葛藤を繰り返しながら、やっとここまで辿り着けたのだと。
太腿に感じるその掌に、最高の幸福を感じていました。
セットしておいたアラームが鳴り、ぱちくりと目を覚まされた御主人様。
車を後にし、再びエレベーターへと乗り込みます。
誰もいない空間。
先程と同じようにおまんこを叩かれそうになりましたが、ふと私が動いた事で、無意識に避けてしまいました。
睨まれる御主人様、笑う私。
離れる時間が近付いて来ても、もう落ち込む事はありません。
泣く必要はない。
悲しむ必要はない。
繰り返し繰り返し御主人様が囁いて下さるその御言葉の意味を、この時やっと理解出来たと実感した愛奴なのでした。
手荷物検査場の前。
私の目をしっかりと見て下さり、行ってくるよと告げて下さる御主人様。
そのお声が瞳が、いつもほんの少しだけ寂しそうに見えるのは、きっと私の想い過ごしではないのだと想います。
私は御主人様を見上げて、行ってらっしゃいませとお返事をしました。
きっと表情は引き攣っていたけれど、それが悲しさではなく、名残惜しさである事をお伝えしたくて。
溢れる人混みに紛れて行く御主人様と手を振り合いました。
その御姿が少しだけ見えるのではないかと、隣のレーンにもその隣のレーンにも気を配っていましたが、とうとうその御姿を見つける事は出来ませんでした。
飛行機の遅延で多く行き交う人の波に、愛しい背中は飲み込まれてしまったようです。
すると突然、取り残されたような気持ちになった私。
その場を足早に立ち去り、駐車場へと向かいます。
悲しい事も、苦しい事もない。
けれどやっぱりどうしても寂しくなってしまう。
動かされた車の後部座席に御主人様の面影を感じながら、私は急いで空港を後にしました。
光輝く夜の空港。
闇の中へと車を走らせると、次第に強烈な眠気が襲って来ます。
それは御主人様が私を使って下さった証。
その事実に胸を締め付けながら、私は野球の応援歌の動画を繰り返し見ていました。
またいつか、こうして御主人様と過ごせる時が来たなら。
それを御主人様が望んで下さったなら。
初めての恋心に戸惑う少女のように、私の心はふわふわと浮かんでいました。
21度目の調教はこれにて終了となります。
調教ではない予定の逢瀬だったのですが、御主人様に許可を頂き、掲載させて頂きました。
結果的に調教を含める形になりましたが、いつもとは違った気付きのある時間だったと想います。
次回からは22度目の調教に突入していきますので、またお付き合い頂けますと幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
22度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
そう仰った御主人様自身も、こんな展開は想定していなかったのかもしれません。
調教でなくても御主人様が楽しんで下さる事。
こうして私を使おうと想って下さる事。
そのどちらもが私にとっては余りにも特別で、御主人様の全てはいつも私を満たして止まないのです。
後部座席の足元に座ったまま、御主人様のベルトを外してファスナーを下ろそうとした私。
けれど既にその中身は膨張していて、上手く取り出す事が出来ません。
もたもたしている私を前に、自ら腰を浮かせてペニスを取り出して下さった御主人様。
それは何時も見る陽射しの下と同じ容量で、そのシルエットだけが硬く浮かび上がっていました。
御主人様の匂い。
熱いお身体。
頭から毛布を掛けられている私にはそれ等が増長され、きちんと御奉仕が出来ているのかすらも判断が付きません。
けれど御主人様は服を脱がれている訳ではない。
私が気を抜けば、大量の唾液が溢れてしまい、お洋服を汚してしまう可能性がある。
そんな事態は避けなければならない。
私は動かす度に溢れて来る自分の唾液を吸い取りながら、舌の動きを止めないよう必死に御奉仕を続けていました。
「嬉しいでしょう?」
毛布の向こうから聞こえたのは、少し遠くに感じる御主人様の低い声。
私を一瞬にして虜にしてしまうその響きに、身体中の血液が物凄い速さで巡って行くのを感じます。
息苦しい毛布の中。
呼吸を制限する深い御奉仕。
酸素を少量しか得られない脳は次第に意識を霞ませ、塞がれた口が何とか呼吸をしようと声を漏らしています。
苦しくて、嬉しくて。
おまんこが疼いて仕方がない。
そんな私を感じて下さったのか、使ってやりたいけれど今日は仕方がないね、と毛布越しに声を掛けて下さいました。
その瞬間。
御主人様のお気持ちが嬉しくて嬉しくて。
御主人様のペニスを口内に収めたまま、一気におまんこが収縮し、勝手に絶頂へと達してしまったのです。
「もっと速く」
そう仰り、私の頭を掴んで強制的に動かされる御主人様。
激しく出入りするペニスに、まるでおまんこを使って頂いているような錯覚に陥る私。
犯されている口内が悦んで、また勝手に逝ってしまいそう…。
その時、御主人様の合図と共に口内に広がった液体。
ふんわりと鼻に抜ける愛しい匂いに、私の動きは止まりました。
けれど飲み込んでしまうのが勿体ない。
与えて頂いた精子をなるべく味わいたかったのですが、このままではお掃除をする事が出来ません。
仕方なく、なるべくゆっくりと喉に滑らせて行きます。
それでもまだ欲しかった。
お掃除を口実に、ペニスを丁寧に丁寧に舌でなぞって行く私。
それが再び御奉仕になっている事に気が付かれたのでしょう。
このままにしていたら、愛奴がペニスを離さなくなる。
そう感じられたのか、御主人様が腰を引かれるのと同時に、精を吐き出したペニスは私の中から出て行ってしまいました。
車に乗せていたウエットティッシュで、私の唾液を綺麗に拭き取ると、御主人様は再び横になられます。
そしてその足元に愛奴を置いて下さると、ショートパンツからはみ出している太腿に大きな掌を乗せ、そのまま眠られてしまいました。
すやすやと聞こえて来る穏やかな寝息。
優しい寝顔の御主人様を見守りがら、こんなにも愛おしく想える感情と存在があるのだと。
葛藤を繰り返しながら、やっとここまで辿り着けたのだと。
太腿に感じるその掌に、最高の幸福を感じていました。
セットしておいたアラームが鳴り、ぱちくりと目を覚まされた御主人様。
車を後にし、再びエレベーターへと乗り込みます。
誰もいない空間。
先程と同じようにおまんこを叩かれそうになりましたが、ふと私が動いた事で、無意識に避けてしまいました。
睨まれる御主人様、笑う私。
離れる時間が近付いて来ても、もう落ち込む事はありません。
泣く必要はない。
悲しむ必要はない。
繰り返し繰り返し御主人様が囁いて下さるその御言葉の意味を、この時やっと理解出来たと実感した愛奴なのでした。
手荷物検査場の前。
私の目をしっかりと見て下さり、行ってくるよと告げて下さる御主人様。
そのお声が瞳が、いつもほんの少しだけ寂しそうに見えるのは、きっと私の想い過ごしではないのだと想います。
私は御主人様を見上げて、行ってらっしゃいませとお返事をしました。
きっと表情は引き攣っていたけれど、それが悲しさではなく、名残惜しさである事をお伝えしたくて。
溢れる人混みに紛れて行く御主人様と手を振り合いました。
その御姿が少しだけ見えるのではないかと、隣のレーンにもその隣のレーンにも気を配っていましたが、とうとうその御姿を見つける事は出来ませんでした。
飛行機の遅延で多く行き交う人の波に、愛しい背中は飲み込まれてしまったようです。
すると突然、取り残されたような気持ちになった私。
その場を足早に立ち去り、駐車場へと向かいます。
悲しい事も、苦しい事もない。
けれどやっぱりどうしても寂しくなってしまう。
動かされた車の後部座席に御主人様の面影を感じながら、私は急いで空港を後にしました。
光輝く夜の空港。
闇の中へと車を走らせると、次第に強烈な眠気が襲って来ます。
それは御主人様が私を使って下さった証。
その事実に胸を締め付けながら、私は野球の応援歌の動画を繰り返し見ていました。
またいつか、こうして御主人様と過ごせる時が来たなら。
それを御主人様が望んで下さったなら。
初めての恋心に戸惑う少女のように、私の心はふわふわと浮かんでいました。
21度目の調教はこれにて終了となります。
調教ではない予定の逢瀬だったのですが、御主人様に許可を頂き、掲載させて頂きました。
結果的に調教を含める形になりましたが、いつもとは違った気付きのある時間だったと想います。
次回からは22度目の調教に突入していきますので、またお付き合い頂けますと幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
22度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
車に乗り込み、空港へと出発した御主人様と私。
渋滞を避けたルートを選んだ事で、車は順調に流れて行きます。
「やはり車が楽ですね」
有難いよと言って下さる御主人様は、私の剥き出しの太腿に手を置くと、そのまま強く叩き付けられました。
柔らかい肉には手形が付きそうな程のじんじんとした痛み。
けれどそれが御主人様からの賛辞である事を、運転する愛奴はきちんと理解していました。
そのまま太腿を強く掴まれながら、役に立つ愛奴だというお褒めの御言葉まで付け加えて下さる御主人様。
痛みは瞬時に悦びへと変換されるも、この想いをどう処理したらいいのか判らず、私は空港へ向けて車を走らせ続けました。
今日は調教ではない。
前日にそう仰り、下着を付けて来る事を許可して下さった御主人様。
ですから与えられた痛みが嬉しくても、その気持ちをどこに置いたら良いのか全く判らなかったのです。
だって調教でない事なんて、今まで一度もなかったのですから。
スムーズに空港へ到着した頃には、すっかり上がってくれた雨。
けれど飛行機はかなり遅れているようで、チケットカウンターには遅延のお知らせが大きく掲示されていました。
御主人様と一緒に過ごせる時間が延びる事は勿論嬉しかったのですが、帰宅される時間が遅くなってしまうと、きっと御主人様が疲れてしまわれる。
私は複雑な心境で、困りましたねと御主人様とお話をしながら、いつものお店へと入って行きました。
先に来た飲み物を掲げ、「お疲れ様」とグラスを交わしてから今日の振り返りをされる御主人様。
悔しそうなお顔で試合の様子をお話されていますが、私は嬉しくて仕方がありませんでした。
御主人様のお好きな事について、一緒にお話をする事が出来る事。
きちんと会話をする事が出来る事。
勿論、十分ではありませんでしたが、それは余りにも特別な事に感じられて。
また一つ、御主人様のお傍に近づけたんだ。
そう感じながら、私は料理をお皿に取り分けました。
食事をしながらも、御主人様は欠伸が止まらないご様子。
長旅で早起きをされた事は勿論、お酒も沢山召し上がっていらっしゃいます。
丁度、飛行機も遅れていましたし、横になられたかったのでしょう。
車の中で寝ておこうかと提案され、二人はお店を後にしました。
駐車場に戻るエレベーターの中。
今度は太腿ではなく、ショートパンツの上からおまんこを叩かれる御主人様。
それは今日、初めての行為。
勿論期待をしていた訳ではありませんでしたが、触れて下さった事が純粋に嬉しかったのです。
車に戻った頃には、すっかり日が落ちて、立体駐車場は暗闇に包まれていました。
運転する事が多い私の車の中には、予めクッションや毛布が積まれています。
横になって寛げるよう後部座席の位置を調整すると、御主人様は小さなクッションを枕にして、毛布を掛けて目を閉じられました。
私は運転席に座ったまま、静かに御主人様の呼吸音を聞いています。
一緒に眠ってしまうと、飛行機の時間を過ぎてしまう恐れがありますし、何よりこの時間を大切にしたかった。
御主人様が静かに休まれる空間で、私はその時を噛み締めていたのです。
しかし御主人様はそのまま眠られず、空の助手席を一番前までずらすようにと仰います。
そして私に、後部座席に来るようにと続けられたのです。
御主人様がお傍に呼んで下さった…!
その事が嬉しくて仕方ない私は、いそいそと後部座席へ移動します。
そして助手席をずらした事で出来た後部座席の足元にすっぽりと収まり、何時ものように御主人様のお傍へと座る事が出来ました。
それだけで幸せ。
お休みになられる御主人様のお傍に寄り添えるだけで、愛奴は満たされた気分になっていたのですが…。
ふんわり。
足元にいる愛奴の頭の上から毛布を掛けられた御主人様。
暗く静かな空間に響いたのは、しゃぶりなさいという御命令でした。
渋滞を避けたルートを選んだ事で、車は順調に流れて行きます。
「やはり車が楽ですね」
有難いよと言って下さる御主人様は、私の剥き出しの太腿に手を置くと、そのまま強く叩き付けられました。
柔らかい肉には手形が付きそうな程のじんじんとした痛み。
けれどそれが御主人様からの賛辞である事を、運転する愛奴はきちんと理解していました。
そのまま太腿を強く掴まれながら、役に立つ愛奴だというお褒めの御言葉まで付け加えて下さる御主人様。
痛みは瞬時に悦びへと変換されるも、この想いをどう処理したらいいのか判らず、私は空港へ向けて車を走らせ続けました。
今日は調教ではない。
前日にそう仰り、下着を付けて来る事を許可して下さった御主人様。
ですから与えられた痛みが嬉しくても、その気持ちをどこに置いたら良いのか全く判らなかったのです。
だって調教でない事なんて、今まで一度もなかったのですから。
スムーズに空港へ到着した頃には、すっかり上がってくれた雨。
けれど飛行機はかなり遅れているようで、チケットカウンターには遅延のお知らせが大きく掲示されていました。
御主人様と一緒に過ごせる時間が延びる事は勿論嬉しかったのですが、帰宅される時間が遅くなってしまうと、きっと御主人様が疲れてしまわれる。
私は複雑な心境で、困りましたねと御主人様とお話をしながら、いつものお店へと入って行きました。
先に来た飲み物を掲げ、「お疲れ様」とグラスを交わしてから今日の振り返りをされる御主人様。
悔しそうなお顔で試合の様子をお話されていますが、私は嬉しくて仕方がありませんでした。
御主人様のお好きな事について、一緒にお話をする事が出来る事。
きちんと会話をする事が出来る事。
勿論、十分ではありませんでしたが、それは余りにも特別な事に感じられて。
また一つ、御主人様のお傍に近づけたんだ。
そう感じながら、私は料理をお皿に取り分けました。
食事をしながらも、御主人様は欠伸が止まらないご様子。
長旅で早起きをされた事は勿論、お酒も沢山召し上がっていらっしゃいます。
丁度、飛行機も遅れていましたし、横になられたかったのでしょう。
車の中で寝ておこうかと提案され、二人はお店を後にしました。
駐車場に戻るエレベーターの中。
今度は太腿ではなく、ショートパンツの上からおまんこを叩かれる御主人様。
それは今日、初めての行為。
勿論期待をしていた訳ではありませんでしたが、触れて下さった事が純粋に嬉しかったのです。
車に戻った頃には、すっかり日が落ちて、立体駐車場は暗闇に包まれていました。
運転する事が多い私の車の中には、予めクッションや毛布が積まれています。
横になって寛げるよう後部座席の位置を調整すると、御主人様は小さなクッションを枕にして、毛布を掛けて目を閉じられました。
私は運転席に座ったまま、静かに御主人様の呼吸音を聞いています。
一緒に眠ってしまうと、飛行機の時間を過ぎてしまう恐れがありますし、何よりこの時間を大切にしたかった。
御主人様が静かに休まれる空間で、私はその時を噛み締めていたのです。
しかし御主人様はそのまま眠られず、空の助手席を一番前までずらすようにと仰います。
そして私に、後部座席に来るようにと続けられたのです。
御主人様がお傍に呼んで下さった…!
その事が嬉しくて仕方ない私は、いそいそと後部座席へ移動します。
そして助手席をずらした事で出来た後部座席の足元にすっぽりと収まり、何時ものように御主人様のお傍へと座る事が出来ました。
それだけで幸せ。
お休みになられる御主人様のお傍に寄り添えるだけで、愛奴は満たされた気分になっていたのですが…。
ふんわり。
足元にいる愛奴の頭の上から毛布を掛けられた御主人様。
暗く静かな空間に響いたのは、しゃぶりなさいという御命令でした。
あの二度目の調教の日。
初めて御主人様が私の住んでいる街へ来て下さった時と同じ道を通り、私は球場へと車を走らせます。
少し混んではいましたが、予約していた駐車場へとスムーズに到着しました。
球場の駐車場を利用してしまうと、渋滞に巻き込まれた際に飛行機の時間が危うくなる為、事前に民間の駐車場を予約していたのです。
勿論、前もって場所と行き方も確認済。
短い滞在時間が少しでも無駄になる事のないように、御主人様にゆったりとした時間を愉しんで頂きたい。
その為に出来る事は、何事も愉しみの一つでしかありませんでした。
車から降りた御主人様と私。
先程より小降りにはなっていましたが、今度は細かいシャワーのような雨が降っています。
御主人様はバッグからさっと折り畳み傘を出され、慣れた手付きで広げられましたが、私の手はバッグや荷物で塞がっていて、傘を持つ余裕がありませんでした。
霧雨だから大丈夫かなと想ったのですが、海に近い球場は、空港と同じく強い風が吹いています。
降り注ぐ雨にメイクが崩れてしまったなら...。
そんな顔を御主人様にお見せする訳にはいかない。
私は数歩先を歩かれる御主人様の背後にくっつき、こっそりと雨を避けようとしました。
「何を勝手に入っているのですか」
私を振り返りながら見下ろし、しっかりと傘に入っている愛奴を睨まれる御主人様。
悪戯っ子のように笑って誤魔化す私でしたが、さっと身を翻した御主人様の傘から外れ、顔面にシャワーが降り注いでしまいました。
それでもめげずに背中にくっつく私。
避ける御主人様。
そんな遣り取りが嬉しくて仕方がなくて。
歩みの速い御主人様の鞄に掴まりながら、球場迄の道を歩いて行きました。
球場が近付くにつれ、野球のユニフォームを着た人々の姿が増えて行きます。
設営された物販のテントに、応援グッズを身に着けたファン達。
私は野球観戦をした事がありませんでしたから、初めて見る光景に、お祭りの前のような高揚感を覚えていました。
御主人様のバッグに掴まりながら、想っていたよりスムーズに座席へと辿り着きます。
いつも行っている球場より広いと仰る御主人様は、早速座席に座られると、バッグからユニフォームを二着取り出されました。
そしてその一着を私に差し出して下さったのです。
「私のユニフォームを貸してあげましょう」
今日の計画を想い付かれた時からそう仰って下さっていた御主人様でしたが、それが現実となる事の嬉しさに戸惑う私。
御主人様のお洋服を着るような事態に遭遇するなんて。
そんな夢のような事が、実際に起こるなんて。
この手にユニフォームを受け取っても尚、私はその擽ったさに困惑していました。
御主人様が普段着られているユニフォーム。
御主人様とお揃い。
物凄く嬉しい...!!
私はまるで着物に袖を通すかのように、ゆっくりと御主人様の匂いに包まれて行きました。
本当は写真を撮りたかったのですが、何だか不思議な気恥しさに言い出せなくて…。
お揃いの服を着た御主人様と私だなんて。
いいのかな…。
何だか酷く恥ずかしくて嬉しくて落ち着かない。
けれどまたいつかそんな機会が訪れたなら、お願いしてみようかと想っています。
そんな事をしている内に、いつの間にか始まっていた試合。
テレビでしか見た事のないその雰囲気が上手く掴めなくて、先ずは動向を見守ります。
辛うじてルールは知っていましたから、試合が接戦である事は理解出来ていました。
少し離れた所にいる大人数の応援団が奏でる応援に合わせて、声を出される御主人様。
野球の応援ってこんな風にやるんだ…。
何だか楽しい…!
解らないながらも手を叩きながら、御主人様に倣って声を出してみる私。
御主人様が教えて下さった応援。
修学旅行の夜のように、二人並んで予習をした歌。
ヒットやホームランが出ると、御主人様が私に握手を求めて下さる。
御主人様がお好きな物を、私も一緒に楽しめている。
その事実が嬉しくて仕方がなくて。
御主人様が喜ばれる事が嬉しい。
御主人様が楽しまれる事が楽しい。
けれど御主人様と同じ物を楽しめる事は、こんなにも特別だなんて…!
結果的に試合には負けてしまったけれど、私の人生初の野球観戦はとても楽しい物となりました。
試合終了後、直ぐに座席を立たれる御主人様。
急いでその後を追った私は、行き交う大勢の人々に流されないよう、来た時と同じように御主人様の鞄に掴まります。
途中のコンビニでトイレに行くと、御主人様はお店の外で煙草を吸って待っていて下さいました。
私の住んでいる街に御主人様が溶け込んでいらっしゃる。
毎回想う事ですが、それが物凄く特別で嬉しくて。
私の想いはあの頃と何も変わらないのだと確認しながら、駐車場までの道を、来た時と同じように笑って歩いて行きました。
初めて御主人様が私の住んでいる街へ来て下さった時と同じ道を通り、私は球場へと車を走らせます。
少し混んではいましたが、予約していた駐車場へとスムーズに到着しました。
球場の駐車場を利用してしまうと、渋滞に巻き込まれた際に飛行機の時間が危うくなる為、事前に民間の駐車場を予約していたのです。
勿論、前もって場所と行き方も確認済。
短い滞在時間が少しでも無駄になる事のないように、御主人様にゆったりとした時間を愉しんで頂きたい。
その為に出来る事は、何事も愉しみの一つでしかありませんでした。
車から降りた御主人様と私。
先程より小降りにはなっていましたが、今度は細かいシャワーのような雨が降っています。
御主人様はバッグからさっと折り畳み傘を出され、慣れた手付きで広げられましたが、私の手はバッグや荷物で塞がっていて、傘を持つ余裕がありませんでした。
霧雨だから大丈夫かなと想ったのですが、海に近い球場は、空港と同じく強い風が吹いています。
降り注ぐ雨にメイクが崩れてしまったなら...。
そんな顔を御主人様にお見せする訳にはいかない。
私は数歩先を歩かれる御主人様の背後にくっつき、こっそりと雨を避けようとしました。
「何を勝手に入っているのですか」
私を振り返りながら見下ろし、しっかりと傘に入っている愛奴を睨まれる御主人様。
悪戯っ子のように笑って誤魔化す私でしたが、さっと身を翻した御主人様の傘から外れ、顔面にシャワーが降り注いでしまいました。
それでもめげずに背中にくっつく私。
避ける御主人様。
そんな遣り取りが嬉しくて仕方がなくて。
歩みの速い御主人様の鞄に掴まりながら、球場迄の道を歩いて行きました。
球場が近付くにつれ、野球のユニフォームを着た人々の姿が増えて行きます。
設営された物販のテントに、応援グッズを身に着けたファン達。
私は野球観戦をした事がありませんでしたから、初めて見る光景に、お祭りの前のような高揚感を覚えていました。
御主人様のバッグに掴まりながら、想っていたよりスムーズに座席へと辿り着きます。
いつも行っている球場より広いと仰る御主人様は、早速座席に座られると、バッグからユニフォームを二着取り出されました。
そしてその一着を私に差し出して下さったのです。
「私のユニフォームを貸してあげましょう」
今日の計画を想い付かれた時からそう仰って下さっていた御主人様でしたが、それが現実となる事の嬉しさに戸惑う私。
御主人様のお洋服を着るような事態に遭遇するなんて。
そんな夢のような事が、実際に起こるなんて。
この手にユニフォームを受け取っても尚、私はその擽ったさに困惑していました。
御主人様が普段着られているユニフォーム。
御主人様とお揃い。
物凄く嬉しい...!!
私はまるで着物に袖を通すかのように、ゆっくりと御主人様の匂いに包まれて行きました。
本当は写真を撮りたかったのですが、何だか不思議な気恥しさに言い出せなくて…。
お揃いの服を着た御主人様と私だなんて。
いいのかな…。
何だか酷く恥ずかしくて嬉しくて落ち着かない。
けれどまたいつかそんな機会が訪れたなら、お願いしてみようかと想っています。
そんな事をしている内に、いつの間にか始まっていた試合。
テレビでしか見た事のないその雰囲気が上手く掴めなくて、先ずは動向を見守ります。
辛うじてルールは知っていましたから、試合が接戦である事は理解出来ていました。
少し離れた所にいる大人数の応援団が奏でる応援に合わせて、声を出される御主人様。
野球の応援ってこんな風にやるんだ…。
何だか楽しい…!
解らないながらも手を叩きながら、御主人様に倣って声を出してみる私。
御主人様が教えて下さった応援。
修学旅行の夜のように、二人並んで予習をした歌。
ヒットやホームランが出ると、御主人様が私に握手を求めて下さる。
御主人様がお好きな物を、私も一緒に楽しめている。
その事実が嬉しくて仕方がなくて。
御主人様が喜ばれる事が嬉しい。
御主人様が楽しまれる事が楽しい。
けれど御主人様と同じ物を楽しめる事は、こんなにも特別だなんて…!
結果的に試合には負けてしまったけれど、私の人生初の野球観戦はとても楽しい物となりました。
試合終了後、直ぐに座席を立たれる御主人様。
急いでその後を追った私は、行き交う大勢の人々に流されないよう、来た時と同じように御主人様の鞄に掴まります。
途中のコンビニでトイレに行くと、御主人様はお店の外で煙草を吸って待っていて下さいました。
私の住んでいる街に御主人様が溶け込んでいらっしゃる。
毎回想う事ですが、それが物凄く特別で嬉しくて。
私の想いはあの頃と何も変わらないのだと確認しながら、駐車場までの道を、来た時と同じように笑って歩いて行きました。
小雨の朝。
御主人様をお迎えする為、車で空港へと向かった私。
どうやら悪天候の影響で、飛行機は少しだけ遅れているようでした。
今日は何時もと違い、下着を付けているので妙な安心感があります。
けれどそれとは対照的に、私は緊張しながら、空港の到着口の椅子に座っていました。
この日、御主人様が私の住んでいる街に来て下さるのは野球観戦の為。
調教でない事なんて初めての経験で、何だかそわそわして落ち着けなかったのです。
まるで二度目の調教の日のよう。
心臓が飛び出しそうな程の緊張感を昨日の事のように覚えている私は、そう想い出せば出す程にますます動悸が激しくなって。
物陰に隠れてしまいたいような衝動に駆られていました。
飛行機到着のアナウンス後、程なくして到着口に現れた御主人様。
何時もとは違うラフな装いに、スーツ姿の時とは違う柔らかさを感じます。
私も今日はワンピースでなく、ショートパンツにTシャツという格好。
そこに主従関係があるなんて、微塵も感じられないような二人でした。
今日は試合時間の都合上、空港でランチを取る事にしていました。
事前にリサーチしていた、地元の有名ラーメン店。
本当は、以前にご紹介したお店の方が美味しいと解っていたのですが、残念ながら空港にはお店が入っておらず...。
仕方なく妥協をするという形での御案内となりました。
「美味しい」
そう言って下さった御主人様でしたが、やはりあのお店の方が美味しいと続けられます。
きちんと美味しい物を提供出来なかった事にもどかしさを感じてはいましたが、御主人様との味覚の近さを再確認出来た嬉しさで、私の心は弾んでいました。
ランチを終え、空港の駐車場へと向かう御主人様と私。
お昼から上がる予報だったのに、外は強風に雨が流されています。
私からの情報が間違っているじゃないかと、睨みを利かせる御主人様。
それがわざとだと知っている私は、謝り笑いながら車へと乗り込みました。
けれど想っていた以上の風雨に、御主人様も私もかなり濡れてしまっています。
お前のせいだ、と繰り返し呟かれる御主人様は、笑う私を横目に、怒りのない睨みを続けられていました。
そんな遣り取りさえも嬉しくて堪らない。
くすくすと笑う私の運転する車は、横殴りの雨の中を球場へと出発しました。
御主人様をお迎えする為、車で空港へと向かった私。
どうやら悪天候の影響で、飛行機は少しだけ遅れているようでした。
今日は何時もと違い、下着を付けているので妙な安心感があります。
けれどそれとは対照的に、私は緊張しながら、空港の到着口の椅子に座っていました。
この日、御主人様が私の住んでいる街に来て下さるのは野球観戦の為。
調教でない事なんて初めての経験で、何だかそわそわして落ち着けなかったのです。
まるで二度目の調教の日のよう。
心臓が飛び出しそうな程の緊張感を昨日の事のように覚えている私は、そう想い出せば出す程にますます動悸が激しくなって。
物陰に隠れてしまいたいような衝動に駆られていました。
飛行機到着のアナウンス後、程なくして到着口に現れた御主人様。
何時もとは違うラフな装いに、スーツ姿の時とは違う柔らかさを感じます。
私も今日はワンピースでなく、ショートパンツにTシャツという格好。
そこに主従関係があるなんて、微塵も感じられないような二人でした。
今日は試合時間の都合上、空港でランチを取る事にしていました。
事前にリサーチしていた、地元の有名ラーメン店。
本当は、以前にご紹介したお店の方が美味しいと解っていたのですが、残念ながら空港にはお店が入っておらず...。
仕方なく妥協をするという形での御案内となりました。
「美味しい」
そう言って下さった御主人様でしたが、やはりあのお店の方が美味しいと続けられます。
きちんと美味しい物を提供出来なかった事にもどかしさを感じてはいましたが、御主人様との味覚の近さを再確認出来た嬉しさで、私の心は弾んでいました。
ランチを終え、空港の駐車場へと向かう御主人様と私。
お昼から上がる予報だったのに、外は強風に雨が流されています。
私からの情報が間違っているじゃないかと、睨みを利かせる御主人様。
それがわざとだと知っている私は、謝り笑いながら車へと乗り込みました。
けれど想っていた以上の風雨に、御主人様も私もかなり濡れてしまっています。
お前のせいだ、と繰り返し呟かれる御主人様は、笑う私を横目に、怒りのない睨みを続けられていました。
そんな遣り取りさえも嬉しくて堪らない。
くすくすと笑う私の運転する車は、横殴りの雨の中を球場へと出発しました。
それぞれに身支度を整える御主人様と私。
チェックアウト迄の短時間でスムーズに済まされるそれは、重ねて来た時間の長さを表していました。
お部屋を後にし、エレベーターに乗り込むと、先にスーツケースを発送して来るようにと促されます。
その間にチェックアウトを済ませておくからと。
それは普通に合理的で、何の問題もないスムーズな提案。
実際、私が発送の手続きをしている間、御主人様は何時も少し離れた所で待って下さっていました。
その時間を有効活用しようと提案して下さる事に、何も可笑しな点はありません。
けれどその時の私は、何故か拒否反応を示してしまったのです。
それは、慣れない場所に一人で放り出される心細さ。
不安。
そして、御主人様と一時たりとも離れたくないという甘えでした。
私は一人で行動する事が好きですし、飛行機だって一人で乗れます。
誰かといるより、寧ろその方が快適だと感じるくらいです。
けれど御主人様のお傍にいる時だけは、私はいつもの私ではなくなってしまう。
いつも一人で強がって立っている私は、御主人様の前でのみ、弱く在る事を赦して頂いているのです。
それはまるで小さな少女のように。
“しらないところへひとりでいくのはこわい“
“しらないひとはきらい“
“ひとりはいや“
“ひとりにしないで“
そうやって時折顔を出すのは、まだ我儘を言えていた頃の幼い私。
けれどそんな顔をした私を、御主人様が見逃す筈がありませんでした。
押し出すように私をエレベーターから下ろすと、お一人でフロントへと向かわれてしまったのです。
それはこの時、不必要な甘えだった証拠。
私はそれを自覚していましたが、あのお部屋の中でのみ赦された小さな私は、まだすっかりと消えていた訳ではなかったのです。
誰もいないエレベーターホール。
私はお道具の詰まったスーツケースを引き摺り、手荷物サービスのカウンターを探します。
けれど見えるのは会議室のような観音開きの大きな扉ばかりで。
流石の私にも、此処ではないという事が理解出来ました。
その時、目に入って来たのはエスカレーター。
御主人様が直ぐ下の階に下りられた事を知っていた私は、スーツケースを引いて飛び乗ります。
私が戻るのが遅かったなら、もしかしたら入れ違いになってしまうかもしれない。
そう予測し、急いで御主人様を探したのです。
きょろきょろと辺りを見渡すと、直ぐに見つけられる御主人様の御姿。
手荷物サービスのカウンターが上の階ではなかった事に、直ぐに気が付かれていたようです。
「馬鹿な顔をして迷っているかと想いましたよ」と悪戯なお顔をされる御主人様。
けれどその愛しい意地悪が、どうしようもなく私を安心させてくれていました。
無事にスーツケースを預け、人の多い駅へと歩き出した御主人様と私。
またもや腕に掴まり損ねてしまい、急いでその背中を追い掛けました。
人混みの中の御主人様は、何時ものように振り返って、私が付いてきているのかを確認して下さいます。
するとたまたま追い付く事が出来た愛奴を見下ろし、歩くのが速くなったなと驚かれていました。
今日も電車は満員。
並んで吊革に掴まっていた御主人様と私でしたが、正面に座られていた方が降りられたので、久しぶりに一緒に座る事が出来ました。
こうして電車に揺られるのは何時ぶりだろう。
そう想っていたのは、御主人様も同じだったのでしょうか。
以前のように電車の揺れに合わせて、私にわざと体重を掛けて来られたのです。
それが嬉しくて堪らなくて。
私はまたくすくすと小さく笑いながら、電車の揺れのせいにして、温かいお身体にその体重を預けていました。
空港に到着すると、御主人様は既に決められていたようで、流れるようにお店へと入って行かれました。
そこは以前にも訪れた飲食店。
私にとって余り良い想い出ではないけれど、それももう過去の記憶。
御主人様に話す事も出来ず、一人葛藤していた事を小さな棘として想い返していました。
そんな私を知る由もない御主人様。
メニューを相談して下さり、楽しそうに野球の話をされる。
卵を半分こして、どれが食べたいかと料理をシェアして下さって…。
そんな優しさを全身で感じながら、私の中の棘はいつの間にか消え去っていました。
だって御主人様はいつもお優しい。
その中には沢山の意味が含まれていて、私もそれをきちんと感じ取っている。
見える形ではないけれど、私の魂はいつも御主人様と繋がっていて。
だからこそ私は、御主人様に絶対的な信頼を置いている。
それは私がずっと求め続けていた、主従関係そのもの。
一生出逢う事等ないと想っていた、理想の御主人様そのものなのです。
食事を終え、手荷物検査場の前で向き合う御主人様と私。
「来月、お前の出迎えを愉しみにしていますよ」と、少し強張った私に言葉を掛けて下さいます。
そのお気持ちが堪らなく嬉しくて。
名残り惜しそうに見つめる愛奴に、行ってこいと御命令されました。
来月は、私が御主人様をお迎えする番。
お待ちしていますと気持ちを込め、小さくなって行く御主人様に大きく大きく手を振りました。
20度目の調教はこれにて終了となります。
21度目の調教は、何時もとは少し違う番外編の予定です。
そちらも既に終了していますので、またお付き合い頂けると幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
21度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
チェックアウト迄の短時間でスムーズに済まされるそれは、重ねて来た時間の長さを表していました。
お部屋を後にし、エレベーターに乗り込むと、先にスーツケースを発送して来るようにと促されます。
その間にチェックアウトを済ませておくからと。
それは普通に合理的で、何の問題もないスムーズな提案。
実際、私が発送の手続きをしている間、御主人様は何時も少し離れた所で待って下さっていました。
その時間を有効活用しようと提案して下さる事に、何も可笑しな点はありません。
けれどその時の私は、何故か拒否反応を示してしまったのです。
それは、慣れない場所に一人で放り出される心細さ。
不安。
そして、御主人様と一時たりとも離れたくないという甘えでした。
私は一人で行動する事が好きですし、飛行機だって一人で乗れます。
誰かといるより、寧ろその方が快適だと感じるくらいです。
けれど御主人様のお傍にいる時だけは、私はいつもの私ではなくなってしまう。
いつも一人で強がって立っている私は、御主人様の前でのみ、弱く在る事を赦して頂いているのです。
それはまるで小さな少女のように。
“しらないところへひとりでいくのはこわい“
“しらないひとはきらい“
“ひとりはいや“
“ひとりにしないで“
そうやって時折顔を出すのは、まだ我儘を言えていた頃の幼い私。
けれどそんな顔をした私を、御主人様が見逃す筈がありませんでした。
押し出すように私をエレベーターから下ろすと、お一人でフロントへと向かわれてしまったのです。
それはこの時、不必要な甘えだった証拠。
私はそれを自覚していましたが、あのお部屋の中でのみ赦された小さな私は、まだすっかりと消えていた訳ではなかったのです。
誰もいないエレベーターホール。
私はお道具の詰まったスーツケースを引き摺り、手荷物サービスのカウンターを探します。
けれど見えるのは会議室のような観音開きの大きな扉ばかりで。
流石の私にも、此処ではないという事が理解出来ました。
その時、目に入って来たのはエスカレーター。
御主人様が直ぐ下の階に下りられた事を知っていた私は、スーツケースを引いて飛び乗ります。
私が戻るのが遅かったなら、もしかしたら入れ違いになってしまうかもしれない。
そう予測し、急いで御主人様を探したのです。
きょろきょろと辺りを見渡すと、直ぐに見つけられる御主人様の御姿。
手荷物サービスのカウンターが上の階ではなかった事に、直ぐに気が付かれていたようです。
「馬鹿な顔をして迷っているかと想いましたよ」と悪戯なお顔をされる御主人様。
けれどその愛しい意地悪が、どうしようもなく私を安心させてくれていました。
無事にスーツケースを預け、人の多い駅へと歩き出した御主人様と私。
またもや腕に掴まり損ねてしまい、急いでその背中を追い掛けました。
人混みの中の御主人様は、何時ものように振り返って、私が付いてきているのかを確認して下さいます。
するとたまたま追い付く事が出来た愛奴を見下ろし、歩くのが速くなったなと驚かれていました。
今日も電車は満員。
並んで吊革に掴まっていた御主人様と私でしたが、正面に座られていた方が降りられたので、久しぶりに一緒に座る事が出来ました。
こうして電車に揺られるのは何時ぶりだろう。
そう想っていたのは、御主人様も同じだったのでしょうか。
以前のように電車の揺れに合わせて、私にわざと体重を掛けて来られたのです。
それが嬉しくて堪らなくて。
私はまたくすくすと小さく笑いながら、電車の揺れのせいにして、温かいお身体にその体重を預けていました。
空港に到着すると、御主人様は既に決められていたようで、流れるようにお店へと入って行かれました。
そこは以前にも訪れた飲食店。
私にとって余り良い想い出ではないけれど、それももう過去の記憶。
御主人様に話す事も出来ず、一人葛藤していた事を小さな棘として想い返していました。
そんな私を知る由もない御主人様。
メニューを相談して下さり、楽しそうに野球の話をされる。
卵を半分こして、どれが食べたいかと料理をシェアして下さって…。
そんな優しさを全身で感じながら、私の中の棘はいつの間にか消え去っていました。
だって御主人様はいつもお優しい。
その中には沢山の意味が含まれていて、私もそれをきちんと感じ取っている。
見える形ではないけれど、私の魂はいつも御主人様と繋がっていて。
だからこそ私は、御主人様に絶対的な信頼を置いている。
それは私がずっと求め続けていた、主従関係そのもの。
一生出逢う事等ないと想っていた、理想の御主人様そのものなのです。
食事を終え、手荷物検査場の前で向き合う御主人様と私。
「来月、お前の出迎えを愉しみにしていますよ」と、少し強張った私に言葉を掛けて下さいます。
そのお気持ちが堪らなく嬉しくて。
名残り惜しそうに見つめる愛奴に、行ってこいと御命令されました。
来月は、私が御主人様をお迎えする番。
お待ちしていますと気持ちを込め、小さくなって行く御主人様に大きく大きく手を振りました。
20度目の調教はこれにて終了となります。
21度目の調教は、何時もとは少し違う番外編の予定です。
そちらも既に終了していますので、またお付き合い頂けると幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
21度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴