御主人様と愛奴 変態の日々の記録
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Author:愛奴
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自己責任の元での閲覧をお願い致します。
御主人様の愛奴です。
お初の方は「はじめに」をご参照下さい。
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私からのお返事のみ掲載させて頂きますので、SMに興味のある方もノーマルの方も、皆様お気軽に足跡を残して下さると嬉しいです。
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心地良い温度までお湯を調整された御主人様は、岩風呂の中にある石段に腰掛けられ、横に座るようにと私を呼んで下さいます。
私は何だか気恥ずかしくて、お湯の中をゆっくりと移動し、御主人様のお隣にそっと座りました。
下半身はお湯の中ですが、上半身は冷たい空気に晒されている状態。
温まり過ぎた顔が程良く冷やされ、心地良い冷気を感じていました。
いつものように何も仰らない御主人様。
ゆっくりと大きく私の背中に腕を回し、私をまるごと抱き込むように、乳房を背後から強く掴まれます。
柔らかな肉に御主人様の指が食い込み、その形を押し潰していました。
痛い…
けれど嬉しい。
御主人様の胸に包まれる心地良さ、触れて頂いている悦びと乳房への鈍痛。
それらが上手く混ざり合い、私を一瞬にして蕩けさせてしまったのです。
その言い表せない想いをお伝えしたくて、私は痛みに唇を噛み締めたままゆっくりと御主人様のお顔を見上げました。
そこにあったのは、先程とは違う御主人様の鋭い瞳。
愛奴を見下ろす、絶対的存在。
けれどその中にはいつも暖かい物が含まれていて。
私はその瞳に見つめられながら、この方になら全てを捧げても構わないと、いつも変わる事のない誓いを繰り返していました。
じっと私の瞳の中を見つめた御主人様。
視線を逸らす事なく、ご自分の唇をとんとんと指で軽く叩かれます。
それは「御挨拶」の合図。
私が大好きな合図。
この時ばかりは躊躇する事なく、けれど私の舌先が御主人様の唇に触れる瞬間だけはスローモーションのように。
自ら御主人様の唇に舌を絡ませました。
ゆっくり、その質感を味わって逃さないように。
幸せ過ぎるこの時間が短い事を知っている私は、いつも舌先を滑らかに動かす事が出来ません。
まるで初めて口付けをする少女のように、その心の中は嵐で吹き荒れてしまうのです。
「しっかりと私の役に立ちなさい」
私の舌先がその唇に触れたまま、御主人様が静かに仰いました。
私が頷くと、きちんと声に出して返事をするようにと注意されます。
まだ唇を舐めさせて頂きたい…
けれどこのままお返事をしてしまっては、御主人様の唇を噛んでしまうかもしれない…
そんな小さな葛藤の末、ほんの少しだけ舌先を離した私は、とてもとても小さな声で「役に立ちます…」とお返事をしました。
それを聞いた御主人様は、更に一段上、岩風呂の淵に腰掛けられ、御奉仕を命じて下さいます。
御挨拶が終わってしまった事を残念に想いましたが、それと同じだけ嬉しい御奉仕に、私はそこへ吸い寄せられて行きました。
私は何だか気恥ずかしくて、お湯の中をゆっくりと移動し、御主人様のお隣にそっと座りました。
下半身はお湯の中ですが、上半身は冷たい空気に晒されている状態。
温まり過ぎた顔が程良く冷やされ、心地良い冷気を感じていました。
いつものように何も仰らない御主人様。
ゆっくりと大きく私の背中に腕を回し、私をまるごと抱き込むように、乳房を背後から強く掴まれます。
柔らかな肉に御主人様の指が食い込み、その形を押し潰していました。
痛い…
けれど嬉しい。
御主人様の胸に包まれる心地良さ、触れて頂いている悦びと乳房への鈍痛。
それらが上手く混ざり合い、私を一瞬にして蕩けさせてしまったのです。
その言い表せない想いをお伝えしたくて、私は痛みに唇を噛み締めたままゆっくりと御主人様のお顔を見上げました。
そこにあったのは、先程とは違う御主人様の鋭い瞳。
愛奴を見下ろす、絶対的存在。
けれどその中にはいつも暖かい物が含まれていて。
私はその瞳に見つめられながら、この方になら全てを捧げても構わないと、いつも変わる事のない誓いを繰り返していました。
じっと私の瞳の中を見つめた御主人様。
視線を逸らす事なく、ご自分の唇をとんとんと指で軽く叩かれます。
それは「御挨拶」の合図。
私が大好きな合図。
この時ばかりは躊躇する事なく、けれど私の舌先が御主人様の唇に触れる瞬間だけはスローモーションのように。
自ら御主人様の唇に舌を絡ませました。
ゆっくり、その質感を味わって逃さないように。
幸せ過ぎるこの時間が短い事を知っている私は、いつも舌先を滑らかに動かす事が出来ません。
まるで初めて口付けをする少女のように、その心の中は嵐で吹き荒れてしまうのです。
「しっかりと私の役に立ちなさい」
私の舌先がその唇に触れたまま、御主人様が静かに仰いました。
私が頷くと、きちんと声に出して返事をするようにと注意されます。
まだ唇を舐めさせて頂きたい…
けれどこのままお返事をしてしまっては、御主人様の唇を噛んでしまうかもしれない…
そんな小さな葛藤の末、ほんの少しだけ舌先を離した私は、とてもとても小さな声で「役に立ちます…」とお返事をしました。
それを聞いた御主人様は、更に一段上、岩風呂の淵に腰掛けられ、御奉仕を命じて下さいます。
御挨拶が終わってしまった事を残念に想いましたが、それと同じだけ嬉しい御奉仕に、私はそこへ吸い寄せられて行きました。
雄大な景色を背に、再び山道へと入って行く私の運転する車。
二度目の訪問になる旅館までの道のりを御主人様と眺めながら、こんな道だったね、もう少し山奥だったよと、共通の話題に花を咲かせていました。
前回ここを訪れたのは春先の事。
突然の寒の戻りに、旅館には小雪がちらついていました。
そんな事をお話しながら到着した旅館は、前回と何も変わる事なく、木々の間にひっそりと佇んでいます。
私達の他にも宿泊されている方はいらっしゃるのでしょうが、人気(ひとけ)のない旅館内が、更に気持ちを落ち着かせてくれているような気がしていました。
係りの方に案内して頂き、やっとお部屋に到着した御主人様と私。
お部屋の中を見渡す御主人様は、こんな部屋だったかなと不思議そうなお顔をされています。
そんな御主人様に想い出して頂けるよう、まるで自分の家であるかのように、お部屋の構造をご案内する私。
記憶力だけは自信があるので、御主人様のお役に立てる事が嬉しかったのです。
私の話を聞いて前回の様子を想い出して下さった御主人様は、早速お酒を注文され、荷解きを始められました。
私もそれに倣い、御主人様と共に行動します。
程なくして玄関から聞こえたのは、お酒到着のお知らせ。
旅館で飲むお酒はまたきっと格別のはず…と想っていたのに、届いたのはお酒のみ。
お部屋にグラスは用意されていませんでした。
グラスを持って来て貰おうかと想いましたが、御主人様はもう我慢が出来ない様子。
これでいいと、お茶用に準備されていた湯呑を私に向けられました。
せっかくだからグラスで飲んで頂きたいと想いましたが、今、御主人様にとって大事なのは、器ではなくお酒を愉しまれる事。
それを感じた私は、傾けられた湯呑に静かにお酒を注ぎました。
よほど待ち遠しく想われていたのでしょう。
本物のお茶が入っているかのように湯呑の中のお酒を一気に飲み干された御主人様は、下ろした器を再び私に傾けられ、あっという間に二杯のお酒を召し上がられました。
その事に驚いてぽかんとしている私をよそに、御主人様はさっと立ち上がり、着ていた物を私に向かって放り投げられます。
更に驚いて、飛んでくるお洋服を咄嗟に受け止める私。
御主人様のお世話が出来る事が嬉しい私は、畳の上に座り、受け取ったお洋服を綺麗に畳んでいきました。
御主人様は先に温泉へと行かれるのだから、片付けたら私も後から向かおう。
そう想っていたのに。
全裸になられた御主人様は、そのまま座椅子に腰掛けられてしまいました。
「お前の準備が終わるまで待っていますよ」と。
あまりに嬉しいお気遣いに、一瞬息が止まる私。
私を一緒に連れて行って下さるという御主人様の御気持ちは、愛奴にとっては嬉し過ぎるものなのです。
けれどこのままでは御主人様がお風邪を召されてしまう。
雑になってしまうのは嫌でしたが、このまま御主人様をお待たせする訳にもいかず、私は受け取ったお洋服を簡単に片付けてから、自分が身に着けていた物を脱ぎ去りました。
秋の山中は空気が冷たい。
私は御主人様の後を追い、内風呂よりも湯温の低い露天風呂へと向かいました。
今日はお天気がとても良いのですが、それでも思わずお湯に飛び込んでしまう程、外の気温は下がっています。
温泉に注ぐ水量を調節しながら、お湯を愉しまれている御主人様。
外気と湯温の差に身体を縮こめて動けない私。
それに加え、やはり明るい太陽の下に全裸を晒すのはいたたまれない。
これは何度経験しても薄れる事のない、御主人様の前での愛奴の羞恥心なのです。
そうやって下ばかり向いている私の視界に、ふと御主人様の太腿が入ってきました。
いつもそこにある立派なペニスは、今は柔らかくお湯の中に揺らめいています。
その様子を見て、少し気が抜ける私。
今は温泉を愉しむ時間なのだと理解し、静かな木々の中で、御主人様と過ごす時間を満喫していました。
二度目の訪問になる旅館までの道のりを御主人様と眺めながら、こんな道だったね、もう少し山奥だったよと、共通の話題に花を咲かせていました。
前回ここを訪れたのは春先の事。
突然の寒の戻りに、旅館には小雪がちらついていました。
そんな事をお話しながら到着した旅館は、前回と何も変わる事なく、木々の間にひっそりと佇んでいます。
私達の他にも宿泊されている方はいらっしゃるのでしょうが、人気(ひとけ)のない旅館内が、更に気持ちを落ち着かせてくれているような気がしていました。
係りの方に案内して頂き、やっとお部屋に到着した御主人様と私。
お部屋の中を見渡す御主人様は、こんな部屋だったかなと不思議そうなお顔をされています。
そんな御主人様に想い出して頂けるよう、まるで自分の家であるかのように、お部屋の構造をご案内する私。
記憶力だけは自信があるので、御主人様のお役に立てる事が嬉しかったのです。
私の話を聞いて前回の様子を想い出して下さった御主人様は、早速お酒を注文され、荷解きを始められました。
私もそれに倣い、御主人様と共に行動します。
程なくして玄関から聞こえたのは、お酒到着のお知らせ。
旅館で飲むお酒はまたきっと格別のはず…と想っていたのに、届いたのはお酒のみ。
お部屋にグラスは用意されていませんでした。
グラスを持って来て貰おうかと想いましたが、御主人様はもう我慢が出来ない様子。
これでいいと、お茶用に準備されていた湯呑を私に向けられました。
せっかくだからグラスで飲んで頂きたいと想いましたが、今、御主人様にとって大事なのは、器ではなくお酒を愉しまれる事。
それを感じた私は、傾けられた湯呑に静かにお酒を注ぎました。
よほど待ち遠しく想われていたのでしょう。
本物のお茶が入っているかのように湯呑の中のお酒を一気に飲み干された御主人様は、下ろした器を再び私に傾けられ、あっという間に二杯のお酒を召し上がられました。
その事に驚いてぽかんとしている私をよそに、御主人様はさっと立ち上がり、着ていた物を私に向かって放り投げられます。
更に驚いて、飛んでくるお洋服を咄嗟に受け止める私。
御主人様のお世話が出来る事が嬉しい私は、畳の上に座り、受け取ったお洋服を綺麗に畳んでいきました。
御主人様は先に温泉へと行かれるのだから、片付けたら私も後から向かおう。
そう想っていたのに。
全裸になられた御主人様は、そのまま座椅子に腰掛けられてしまいました。
「お前の準備が終わるまで待っていますよ」と。
あまりに嬉しいお気遣いに、一瞬息が止まる私。
私を一緒に連れて行って下さるという御主人様の御気持ちは、愛奴にとっては嬉し過ぎるものなのです。
けれどこのままでは御主人様がお風邪を召されてしまう。
雑になってしまうのは嫌でしたが、このまま御主人様をお待たせする訳にもいかず、私は受け取ったお洋服を簡単に片付けてから、自分が身に着けていた物を脱ぎ去りました。
秋の山中は空気が冷たい。
私は御主人様の後を追い、内風呂よりも湯温の低い露天風呂へと向かいました。
今日はお天気がとても良いのですが、それでも思わずお湯に飛び込んでしまう程、外の気温は下がっています。
温泉に注ぐ水量を調節しながら、お湯を愉しまれている御主人様。
外気と湯温の差に身体を縮こめて動けない私。
それに加え、やはり明るい太陽の下に全裸を晒すのはいたたまれない。
これは何度経験しても薄れる事のない、御主人様の前での愛奴の羞恥心なのです。
そうやって下ばかり向いている私の視界に、ふと御主人様の太腿が入ってきました。
いつもそこにある立派なペニスは、今は柔らかくお湯の中に揺らめいています。
その様子を見て、少し気が抜ける私。
今は温泉を愉しむ時間なのだと理解し、静かな木々の中で、御主人様と過ごす時間を満喫していました。
今日のランチは、私のお勧めのお店。
事前に友人と美味しさを確かめていたので、御主人様にも気に入って頂ける自信がありました。
御主人様と私は味覚が似ている。
最近はそんな確信も少しだけ持っています。
私の予想通り、料理を気に入って下さった様子の御主人様。
いつものように私にお財布を託すと、食後の一服の為にお店の外へと出て行かれました。
とうとうにやける顔を抑えられなくなった私。
不思議そうな顔の店員さんを前に、お会計を済ませました。
ランチを済ませると、いよいよ本格的に旅館へと出発。
運転に留意しながらも、いつも以上に笑顔の多い御主人様を横目で確認していました。
決して口数の多い方ではない御主人様ですが、今日はとても嬉しそうにお話をして下さっています。
余りに元気にお話されるものですから、その声の大きさに驚いてしまう事もあるくらい。
聞けば、温泉が愉しみでテンションが上がっているとの事。
私も嬉しくなりましたが、浮かれて運転が疎かにならないよう、更にしっかりとハンドルを握りました。
この道を通るのは、今日で3回目。
前に通った時はこうだった、この先はこうだったねと、以前の事をお話して下さる御主人様。
地元である私には勿論見慣れた景色ですが、以前も通った事を御主人様はきちんと覚えて下さっていたのです。
何でもない事かもしれませんが、大切な人が自分の日常を知ってくれている。
それがどれだけ特別で嬉しい事なのか。
いつもと同じ景色が、それだけで特別な物に感じていました。
目的の旅館は、高速道路のない山の奥。
下道に降りて山道を上って行くと、時折、紅葉した木々が姿を現します。
前回も通ったダムの傍。
銀杏ではない真っ黄色の葉っぱは、まるで小さなバナナがぶら下がっているかのよう。
そんな景色を見つけながら、車は散策の為の目的地へと更に山を上って行きました。
だんだんと開けてくる木々。
思っていたよりも秋が深まっていた山頂には、柔らかなすすき野原がどこまでも続いています。
その遥か向こうには、隣県まで続く雄大な山々。
気分が晴れない時も、このどこまでも続く空と大地を見ていると何だか心まで落ち着いてくる。
私の大好きな景色。
御主人様の心が癒されたなら...
そう想い、都会で忙しく働いていらっしゃる御主人様に、是非見て頂きたかった光景でした。
山の上を走る道を抜け、有名な展望所に到着した御主人様と私。
少し歩いて...と想っていたのですが、まさかの坂道がかなりの距離続いています。
私がここを訪れたのは、ずっと昔の事。
数回しか歩いた事のない遊歩道は、パンプスでは上れない程の勾配です。
私は一人で歩く事が出来ず、御主人様の腕にしっかりと掴まらせて頂きました。
けれどパンプスの不安定な足取りに構う事なく、どんどんと歩いて行かれる御主人様。
御主人様と一緒に…と嬉しくなる筈が、ただただ御主人様にぶら下がってしまっている愛奴でした。
やっと辿り着いた展望所から見える雄大な景色は、あまりのお天気に白く霞んでいます。
何も無いその景色にあまり興味を示されなかった御主人様は、草むらを飛んでいる小さなバッタの方がお好きな様子。
私にはありふれた景色でも、御主人様の瞳にはきっと特別に映る。
御主人様が触れた事のない物を感じて頂きたい。
そう想って計画した散策は、私の中では大成功でした。
そうして今度は下りになった坂道を、先程と同じようにぶら下がって行きます。
細身の御主人様は何も仰る事なく、お荷物な愛奴を車の傍まで運んで下さいました。
事前に友人と美味しさを確かめていたので、御主人様にも気に入って頂ける自信がありました。
御主人様と私は味覚が似ている。
最近はそんな確信も少しだけ持っています。
私の予想通り、料理を気に入って下さった様子の御主人様。
いつものように私にお財布を託すと、食後の一服の為にお店の外へと出て行かれました。
とうとうにやける顔を抑えられなくなった私。
不思議そうな顔の店員さんを前に、お会計を済ませました。
ランチを済ませると、いよいよ本格的に旅館へと出発。
運転に留意しながらも、いつも以上に笑顔の多い御主人様を横目で確認していました。
決して口数の多い方ではない御主人様ですが、今日はとても嬉しそうにお話をして下さっています。
余りに元気にお話されるものですから、その声の大きさに驚いてしまう事もあるくらい。
聞けば、温泉が愉しみでテンションが上がっているとの事。
私も嬉しくなりましたが、浮かれて運転が疎かにならないよう、更にしっかりとハンドルを握りました。
この道を通るのは、今日で3回目。
前に通った時はこうだった、この先はこうだったねと、以前の事をお話して下さる御主人様。
地元である私には勿論見慣れた景色ですが、以前も通った事を御主人様はきちんと覚えて下さっていたのです。
何でもない事かもしれませんが、大切な人が自分の日常を知ってくれている。
それがどれだけ特別で嬉しい事なのか。
いつもと同じ景色が、それだけで特別な物に感じていました。
目的の旅館は、高速道路のない山の奥。
下道に降りて山道を上って行くと、時折、紅葉した木々が姿を現します。
前回も通ったダムの傍。
銀杏ではない真っ黄色の葉っぱは、まるで小さなバナナがぶら下がっているかのよう。
そんな景色を見つけながら、車は散策の為の目的地へと更に山を上って行きました。
だんだんと開けてくる木々。
思っていたよりも秋が深まっていた山頂には、柔らかなすすき野原がどこまでも続いています。
その遥か向こうには、隣県まで続く雄大な山々。
気分が晴れない時も、このどこまでも続く空と大地を見ていると何だか心まで落ち着いてくる。
私の大好きな景色。
御主人様の心が癒されたなら...
そう想い、都会で忙しく働いていらっしゃる御主人様に、是非見て頂きたかった光景でした。
山の上を走る道を抜け、有名な展望所に到着した御主人様と私。
少し歩いて...と想っていたのですが、まさかの坂道がかなりの距離続いています。
私がここを訪れたのは、ずっと昔の事。
数回しか歩いた事のない遊歩道は、パンプスでは上れない程の勾配です。
私は一人で歩く事が出来ず、御主人様の腕にしっかりと掴まらせて頂きました。
けれどパンプスの不安定な足取りに構う事なく、どんどんと歩いて行かれる御主人様。
御主人様と一緒に…と嬉しくなる筈が、ただただ御主人様にぶら下がってしまっている愛奴でした。
やっと辿り着いた展望所から見える雄大な景色は、あまりのお天気に白く霞んでいます。
何も無いその景色にあまり興味を示されなかった御主人様は、草むらを飛んでいる小さなバッタの方がお好きな様子。
私にはありふれた景色でも、御主人様の瞳にはきっと特別に映る。
御主人様が触れた事のない物を感じて頂きたい。
そう想って計画した散策は、私の中では大成功でした。
そうして今度は下りになった坂道を、先程と同じようにぶら下がって行きます。
細身の御主人様は何も仰る事なく、お荷物な愛奴を車の傍まで運んで下さいました。
16度目の調教日の朝。
「そちらの天気はどうですか?」と、御主人様からメールが届きました。
私が雨女なのか、調教日にはお天気が崩れる事が多くあります。
けれどこの日は珍しく快晴。
私からの返事を受け取られた御主人様は、私が事前に提案させて頂いた、山並みを愉しむコースを選択されました。
今回の調教は、温泉旅行調教。
以前利用した旅館に再訪しようと、御主人様と相談をして以前から決めていたのです。
そして今回は散策をしたいとのご要望があったので、チェックインの時間等を考慮しつつ、二つの散策コースを事前にご提案。
私は御主人様をお迎えする為、前日に洗車をした車で空港へと向かいながら、どんなふうに御主人様をご案内しようかと胸を弾ませていました。
いつもの空港、いつもの待ち合わせ場所。
時間に余裕を持って到着した私でしたが、それに合わせるかのように、飛行機も予定より少し早く到着していたようです。
そんな事を知る由も無い私。
御主人様が到着口から出て来られるにはもう少し時間がある...
そう想ってぼーっとしていると、私の視界に突然、御主人様が現れました。
慌てて立ち上がる私。
一瞬こちらに視線を下さった御主人様でしたが、そのままどんどんと人混みに紛れて歩いて行ってしまわれます。
私は急いでその後を追いかけますが、一向に距離は縮まりません。
それどころか、少しずつ遠ざかって行く御主人様の背中。
人がいる所でお名前を呼ぶ訳にはいかず、どうしようかと想った時、突然御主人様が立ち止まって振り返られました。
やっとその視界に捉えて貰った私。
一気に安堵感が広がり、私は急ぎ足で御主人様の元へ向かいます。
けれど私が追い付く前にまた歩き出される御主人様。
半分振り返られながら、まずは一服したいと仰り、喫煙所へと入って行かれました。
私はいつものように御主人様の鞄を預かり、喫煙所の前で待機します。
こうやって御主人様をお待ちするのも大好きな時間。
ついつい緩んでしまう口元に、重たい鞄の持ち手を握り締めながら、一生懸命平静を装っていました。
フライト後の一服を済まされた御主人様をご案内し、車を停めている空港の駐車場へと移動した二人。
前回、注意された事を活かし、今回は革靴を脱いで使用して頂くルームシューズと、御主人様が次回持って来るようにと渡して下さったピンクの携帯灰皿を準備していました。
それを確認された御主人様は、そうである事が当然であるかのように「よし」と言って下さいます。
やった!と、心の中ではしゃぐ私。
一般的な言葉とは違うけれど、それが御主人様からのお褒めの言葉である事を知っている私は、御主人様に気持ち良く出発して頂ける事を悦んでいました。
「そちらの天気はどうですか?」と、御主人様からメールが届きました。
私が雨女なのか、調教日にはお天気が崩れる事が多くあります。
けれどこの日は珍しく快晴。
私からの返事を受け取られた御主人様は、私が事前に提案させて頂いた、山並みを愉しむコースを選択されました。
今回の調教は、温泉旅行調教。
以前利用した旅館に再訪しようと、御主人様と相談をして以前から決めていたのです。
そして今回は散策をしたいとのご要望があったので、チェックインの時間等を考慮しつつ、二つの散策コースを事前にご提案。
私は御主人様をお迎えする為、前日に洗車をした車で空港へと向かいながら、どんなふうに御主人様をご案内しようかと胸を弾ませていました。
いつもの空港、いつもの待ち合わせ場所。
時間に余裕を持って到着した私でしたが、それに合わせるかのように、飛行機も予定より少し早く到着していたようです。
そんな事を知る由も無い私。
御主人様が到着口から出て来られるにはもう少し時間がある...
そう想ってぼーっとしていると、私の視界に突然、御主人様が現れました。
慌てて立ち上がる私。
一瞬こちらに視線を下さった御主人様でしたが、そのままどんどんと人混みに紛れて歩いて行ってしまわれます。
私は急いでその後を追いかけますが、一向に距離は縮まりません。
それどころか、少しずつ遠ざかって行く御主人様の背中。
人がいる所でお名前を呼ぶ訳にはいかず、どうしようかと想った時、突然御主人様が立ち止まって振り返られました。
やっとその視界に捉えて貰った私。
一気に安堵感が広がり、私は急ぎ足で御主人様の元へ向かいます。
けれど私が追い付く前にまた歩き出される御主人様。
半分振り返られながら、まずは一服したいと仰り、喫煙所へと入って行かれました。
私はいつものように御主人様の鞄を預かり、喫煙所の前で待機します。
こうやって御主人様をお待ちするのも大好きな時間。
ついつい緩んでしまう口元に、重たい鞄の持ち手を握り締めながら、一生懸命平静を装っていました。
フライト後の一服を済まされた御主人様をご案内し、車を停めている空港の駐車場へと移動した二人。
前回、注意された事を活かし、今回は革靴を脱いで使用して頂くルームシューズと、御主人様が次回持って来るようにと渡して下さったピンクの携帯灰皿を準備していました。
それを確認された御主人様は、そうである事が当然であるかのように「よし」と言って下さいます。
やった!と、心の中ではしゃぐ私。
一般的な言葉とは違うけれど、それが御主人様からのお褒めの言葉である事を知っている私は、御主人様に気持ち良く出発して頂ける事を悦んでいました。
御主人様に触れている腕の位置を少しずつずらしながら、私はその熱を自分の肌へと移して行きます。
そうしている間に、空港に到着したタクシー。
私が先程お渡しした封筒を取り出し、精算を済ませて下さる御主人様。
私はこの時もずっと迷っていました。
空港からであれば、御主人様に無理なく帰宅して頂く事が出来る。
もちろん少しでも一緒にいたいけれど、今はそれどころではない。
何より、御主人様が苦しい想いをされているのが耐えられない。
早く休んで頂きたい。
そう想いましたが、果たして私がそれを言ってもいいものなのか、判断がつきませんでした。
全ては御主人様が決定される事。
御主人様に早く休んで頂きたいと想うのは、もしかしたら私の我儘なのかもしれない。
もし今の状況があまりにも辛いものであれば、きっと御主人様が判断される。
私が提案する事は間違いなのかもしれない。
触れている腕は先程と変わらず熱を帯びているけれど、表情もお顔色も悪くはない。
やはり御主人様にお任せしよう。
色々な状況を考えた私は、時折、「大丈夫ですか?」と御主人様にお声を掛けながら、一緒に過ごせる残り僅かな時間を精一杯愉しむ事にしました。
空港内。
今日はいつもと違うお店に入り、御主人様と横並びに座って食事を取ります。
向かい合っているのもお顔が見えて嬉しいけれど、御主人様との距離が近いこの座り方が一番好き。
私はその一挙一動を見逃さないように、御主人様の様子を注意深く見守っていました。
食欲もあるようだし、笑顔にも無理をされている様子は感じられない…
私は持っていた鎮痛剤を御主人様にお渡しし、食後に服用して頂きました。
きっとその事で頭がいっぱいだったのでしょう。
食事を終えてエレベーターから降りた私は、御主人様のお姿を見失ってしまいました。
はぐれてしまったかと想い、慌てて今降りたばかりのエレベーターを覗き込んだ私。
けれどそこには誰もいない。
どうしようと振り返った所に、きょとんとしたお顔の御主人様がいらっしゃいました。
私が一人で考え事をしている間に、御主人様は他のお客さんに紛れてエレベーターを降りていらっしゃったのです。
お前は何をしているんだと言わんばかりの視線。
馬鹿な愛奴に呆れられている御主人様でしたが、その笑顔はとても優しいものでした。
良かった…ホテルを出た時よりも表情が明るい。
まだ解熱した訳では無い事をその手首で確信しながらも、ほんの少しお元気になられた様子の御主人様に安堵する私。
いつものように引き摺られながら、手荷物検査場近くのソファーへと移動しました。
御主人様は食後の一服へ。
私は一人、ソファーで待てをしながら、進む時計の針を睨み付けます。
やっと御主人様にお逢い出来たのに、もう離れなければならない。
いつもの事だけれど、今日は特に名残惜しい。
けれどやっぱり御主人様に早く休んで頂きたい。
その気持ちが強かった私は、いつものように見送りの時間まで一緒に過ごして下さった御主人様に感謝をしていました。
寂しいけれど寂しくない。
今日は駄々を捏ねずに出発しよう。
御主人様が元気になられる事以外に優先する事は何も無い。
そう一人で決意していると、御主人様が喫煙所から戻っていらっしゃいました。
迫る時間。
二人で時計を確認すると、さっきと同じようにソファーに横並びに座っていた御主人様が、私の目を見てご自分の唇をとんとんと指さされます。
今度は私がきょとんとする番。
…というより、かなり驚いていました。
手荷物検査場の近くには、たくさんの人がいる。
いつもならこんな状況であれば、御挨拶をする事は出来ません。
というより、御主人様がそれを望まれない。
私は周りに人がたくさんいようがいまいが、いつでも御主人様に御挨拶をしたい。
けれどそれをどうするかは御主人様が決められる事。
御主人様の御命令無しには、私は御挨拶をする事すら出来ないのです。
ですからいつもとは違う御主人様の行動に、私は酷く驚いて、どうしたらいいのか混乱していました。
その結果、「風邪が伝染ります…」と訳の解らない事を口走ってしまったのです。
それならばと、今度は唇の代わりに、ご自分の首筋を指さされる御主人様。
私はそれを見た瞬間、自分の発した言葉を酷く後悔しました。
せっかく御主人様が御命令して下さったのに。
身体が辛いのにも関わらず、私を見送って下さるのに。
今までの私なら、自分の発言に後悔したまま、ここで諦めていました。
けれど御主人様の前でだけは、ありのままの自分でいたい。
御主人様にだけは、私の馬鹿な所も汚い部分も、全てを曝け出していたい。
御主人様の愛奴として、自分を誤魔化す事は赦されない。
そう御主人様に躾けられている私。
物凄く恥ずかしいけれど、自分の気持ちをきちんとお伝えしなければ...!
そう強く想いました。
「口にします!」と勇気を振り絞って発言した私。
御主人様は黙って私の言葉を受け入れて下さいました。
何だかやけに緊張して、御主人様の唇を舐めさせて頂く私。
それはたった数秒の事。
けれど私にとっては、とても大きな一歩だったような気がしています。
私の挨拶を受け取った御主人様は、すっと立ち上がって歩き出されました。
私もその後に続き、御主人様のお傍を離れて手荷物検査へと歩き出します。
いつものように、私が見えなくなるまで見送って下さる御主人様。
駄々を捏ねなかった自分を小さく褒めながら、私は小さくなっていく御主人様に手を振りました。
離れたくないのはいつもの事。
それより何より、御主人様が辛い想いをされているのは耐えられない。
一瞬込み上げた涙をぐっと飲み込み、私は一人、真っ暗な空へと飛び立ちました。
御主人様が早くお元気になるようにと、闇の中に祈りながら。
15度目の調教はこれにて終了となります。
少し体調を崩していた為、せっかく取り戻した遅れは、また周回遅れとなってしまいました。
既に16度目の調教も終了しており、近々17度目の調教を受けに御主人様の元へ帰ります。
年末年始で少し遅れを取り戻したいところです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
16度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
そうしている間に、空港に到着したタクシー。
私が先程お渡しした封筒を取り出し、精算を済ませて下さる御主人様。
私はこの時もずっと迷っていました。
空港からであれば、御主人様に無理なく帰宅して頂く事が出来る。
もちろん少しでも一緒にいたいけれど、今はそれどころではない。
何より、御主人様が苦しい想いをされているのが耐えられない。
早く休んで頂きたい。
そう想いましたが、果たして私がそれを言ってもいいものなのか、判断がつきませんでした。
全ては御主人様が決定される事。
御主人様に早く休んで頂きたいと想うのは、もしかしたら私の我儘なのかもしれない。
もし今の状況があまりにも辛いものであれば、きっと御主人様が判断される。
私が提案する事は間違いなのかもしれない。
触れている腕は先程と変わらず熱を帯びているけれど、表情もお顔色も悪くはない。
やはり御主人様にお任せしよう。
色々な状況を考えた私は、時折、「大丈夫ですか?」と御主人様にお声を掛けながら、一緒に過ごせる残り僅かな時間を精一杯愉しむ事にしました。
空港内。
今日はいつもと違うお店に入り、御主人様と横並びに座って食事を取ります。
向かい合っているのもお顔が見えて嬉しいけれど、御主人様との距離が近いこの座り方が一番好き。
私はその一挙一動を見逃さないように、御主人様の様子を注意深く見守っていました。
食欲もあるようだし、笑顔にも無理をされている様子は感じられない…
私は持っていた鎮痛剤を御主人様にお渡しし、食後に服用して頂きました。
きっとその事で頭がいっぱいだったのでしょう。
食事を終えてエレベーターから降りた私は、御主人様のお姿を見失ってしまいました。
はぐれてしまったかと想い、慌てて今降りたばかりのエレベーターを覗き込んだ私。
けれどそこには誰もいない。
どうしようと振り返った所に、きょとんとしたお顔の御主人様がいらっしゃいました。
私が一人で考え事をしている間に、御主人様は他のお客さんに紛れてエレベーターを降りていらっしゃったのです。
お前は何をしているんだと言わんばかりの視線。
馬鹿な愛奴に呆れられている御主人様でしたが、その笑顔はとても優しいものでした。
良かった…ホテルを出た時よりも表情が明るい。
まだ解熱した訳では無い事をその手首で確信しながらも、ほんの少しお元気になられた様子の御主人様に安堵する私。
いつものように引き摺られながら、手荷物検査場近くのソファーへと移動しました。
御主人様は食後の一服へ。
私は一人、ソファーで待てをしながら、進む時計の針を睨み付けます。
やっと御主人様にお逢い出来たのに、もう離れなければならない。
いつもの事だけれど、今日は特に名残惜しい。
けれどやっぱり御主人様に早く休んで頂きたい。
その気持ちが強かった私は、いつものように見送りの時間まで一緒に過ごして下さった御主人様に感謝をしていました。
寂しいけれど寂しくない。
今日は駄々を捏ねずに出発しよう。
御主人様が元気になられる事以外に優先する事は何も無い。
そう一人で決意していると、御主人様が喫煙所から戻っていらっしゃいました。
迫る時間。
二人で時計を確認すると、さっきと同じようにソファーに横並びに座っていた御主人様が、私の目を見てご自分の唇をとんとんと指さされます。
今度は私がきょとんとする番。
…というより、かなり驚いていました。
手荷物検査場の近くには、たくさんの人がいる。
いつもならこんな状況であれば、御挨拶をする事は出来ません。
というより、御主人様がそれを望まれない。
私は周りに人がたくさんいようがいまいが、いつでも御主人様に御挨拶をしたい。
けれどそれをどうするかは御主人様が決められる事。
御主人様の御命令無しには、私は御挨拶をする事すら出来ないのです。
ですからいつもとは違う御主人様の行動に、私は酷く驚いて、どうしたらいいのか混乱していました。
その結果、「風邪が伝染ります…」と訳の解らない事を口走ってしまったのです。
それならばと、今度は唇の代わりに、ご自分の首筋を指さされる御主人様。
私はそれを見た瞬間、自分の発した言葉を酷く後悔しました。
せっかく御主人様が御命令して下さったのに。
身体が辛いのにも関わらず、私を見送って下さるのに。
今までの私なら、自分の発言に後悔したまま、ここで諦めていました。
けれど御主人様の前でだけは、ありのままの自分でいたい。
御主人様にだけは、私の馬鹿な所も汚い部分も、全てを曝け出していたい。
御主人様の愛奴として、自分を誤魔化す事は赦されない。
そう御主人様に躾けられている私。
物凄く恥ずかしいけれど、自分の気持ちをきちんとお伝えしなければ...!
そう強く想いました。
「口にします!」と勇気を振り絞って発言した私。
御主人様は黙って私の言葉を受け入れて下さいました。
何だかやけに緊張して、御主人様の唇を舐めさせて頂く私。
それはたった数秒の事。
けれど私にとっては、とても大きな一歩だったような気がしています。
私の挨拶を受け取った御主人様は、すっと立ち上がって歩き出されました。
私もその後に続き、御主人様のお傍を離れて手荷物検査へと歩き出します。
いつものように、私が見えなくなるまで見送って下さる御主人様。
駄々を捏ねなかった自分を小さく褒めながら、私は小さくなっていく御主人様に手を振りました。
離れたくないのはいつもの事。
それより何より、御主人様が辛い想いをされているのは耐えられない。
一瞬込み上げた涙をぐっと飲み込み、私は一人、真っ暗な空へと飛び立ちました。
御主人様が早くお元気になるようにと、闇の中に祈りながら。
15度目の調教はこれにて終了となります。
少し体調を崩していた為、せっかく取り戻した遅れは、また周回遅れとなってしまいました。
既に16度目の調教も終了しており、近々17度目の調教を受けに御主人様の元へ帰ります。
年末年始で少し遅れを取り戻したいところです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
16度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴