御主人様と愛奴 変態の日々の記録
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Author:愛奴
♥当ブログは性的表現・画像を使用しておりますので、18歳未満の方は直ちにブラウザバックをお願い致します。
またSMに嫌悪感をお持ちの方は閲覧をお控え下さい。
自己責任の元での閲覧をお願い致します。
御主人様の愛奴です。
お初の方は「はじめに」をご参照下さい。
コメントは承認制となっておりますので、「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れて下さると非表示となります。
私からのお返事のみ掲載させて頂きますので、SMに興味のある方もノーマルの方も、皆様お気軽に足跡を残して下さると嬉しいです。
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調教日の前日。
体調が優れないとの御主人様からのメール。
心配で仕方がなかったので、私の事は構いませんから病院に行かれて下さいとお願いしていました。
けれど大丈夫だと繰り返される御主人様の中には、病院に行くという選択肢はない様子。
私は御主人様の判断にお任せし、いつも通りに飛行機に乗り込もうと思っていました。
もし当日に体調が回復されず、お逢い出来る時間が短くなっても。
例えお逢いする事が叶わなくても。
御主人様の体調が何よりも大切。
そう想い、私は最悪の事態を想定しながら、いつもよりもスムーズに眠りにつきました。
調教日の朝、やはり大丈夫だと仰る御主人様。
その体調が本当に大丈夫なのか、私には知る術はありません。
御主人様のお顔をちゃんと見て、お逢いしてからどうするか考えよう。
きっと御主人様は大丈夫だとしか仰らないだろうから。
体調管理も愛奴の努めだと想い、私はいつも通りに空港へと向かいました。
少し遅れてしまった飛行機。
先に待ち合わせ場所に到着された御主人様。
「いつもの店に入りました」とのメールに、急ぎ足で向かう私。
お店の中に入った瞬間、その御姿を見つけて安心した私は、真っ直ぐに御主人様の向かいの席へと向かいました。
けれどお仕事に集中されている御主人様は、私が来た事に気が付かれていません。
お待たせしましたと声をお掛けし、その向かいに腰を下ろしました。
そんな私を確認した御主人様は、そのままお仕事を続けていらっしゃいます。
お顔色は悪くない。
お仕事もしっかりしていらっしゃる様子。
想っていたよりも体調が良さそうで少しだけ安心した私は、御主人様のお仕事が落ち着くまでその様子を静かに見守っていました。
一段落されたのか、お仕事道具を仕舞い、私の顔を見てメニューを差し出される御主人様。
体調は昨日よりも落ち着かれたとの事で、いつものように優しい笑顔を見せて下さいました。
もちろん本調子ではないのかもしれませんが、我慢をされている様子も、無理をされている様子もありません。
私は御主人様の様子を時折観察しながら、運ばれて来たお料理をお皿へと取り分けます。
何気ない会話。
よく笑って下さる御主人様。
最近はまた特にお忙しそうだったので、疲れが溜まっているのではないかと心配ばかりしていましたが。
私が想っていたよりお元気そうな様子で、私も嬉しくなって食事を愉しみました。
食事を終えた御主人様と私は、ホテルのフロントへ移動し、チェックインの手続きを行います。
ホテルを探すのも、予約をするのも、チェックインをするのも全て愛奴の役目。
書類にサインをする私の横で、御主人様はホテルのパンフレットを見ながら、載っている動物の写真に興味津々のご様子。
それが何だかとても可愛らしくて。
お元気な御主人様の御姿に、幸せな気分になっていました。
今回は事前にホテルに送っておいたスーツケース。
たまに空港で開けなければいけない事態に陥るので、それを避ける為の対策を講じてみたのです。
それに体力のない私にとっては、重い荷物に振り回されずに済む良策。
もっと早くこうすれば良かったと御主人様とお話していた程でした。
暫く待っていると、送付しておいたスーツケースをフロントの方が持って来て下さいます。
それは運送会社の大きなビニールに包まれていて、タイヤまで覆われてしまい、なかなかスムーズに運ぶ事が出来ません。
その不自由さと重さに一人で振り回されていると、数歩先を歩かれていた御主人様が、ご自分のコートを私に預けてこられました。
そして何も言わず私から持ち手を奪い取ると、ビニールに包まれてタイヤの動かないまま、スーツケースを引き摺って行かれたのです。
絨毯の上を滑って行く、タイヤの動かないスーツケース。
どんどんと歩いて行かれる御主人様。
その少し可笑しな光景に、私は御主人様の優しさと力強さを感じて。
お預かりしたコートの匂いに包まれながら、こっそりと暖かい気持ちになっていました。
体調が優れないとの御主人様からのメール。
心配で仕方がなかったので、私の事は構いませんから病院に行かれて下さいとお願いしていました。
けれど大丈夫だと繰り返される御主人様の中には、病院に行くという選択肢はない様子。
私は御主人様の判断にお任せし、いつも通りに飛行機に乗り込もうと思っていました。
もし当日に体調が回復されず、お逢い出来る時間が短くなっても。
例えお逢いする事が叶わなくても。
御主人様の体調が何よりも大切。
そう想い、私は最悪の事態を想定しながら、いつもよりもスムーズに眠りにつきました。
調教日の朝、やはり大丈夫だと仰る御主人様。
その体調が本当に大丈夫なのか、私には知る術はありません。
御主人様のお顔をちゃんと見て、お逢いしてからどうするか考えよう。
きっと御主人様は大丈夫だとしか仰らないだろうから。
体調管理も愛奴の努めだと想い、私はいつも通りに空港へと向かいました。
少し遅れてしまった飛行機。
先に待ち合わせ場所に到着された御主人様。
「いつもの店に入りました」とのメールに、急ぎ足で向かう私。
お店の中に入った瞬間、その御姿を見つけて安心した私は、真っ直ぐに御主人様の向かいの席へと向かいました。
けれどお仕事に集中されている御主人様は、私が来た事に気が付かれていません。
お待たせしましたと声をお掛けし、その向かいに腰を下ろしました。
そんな私を確認した御主人様は、そのままお仕事を続けていらっしゃいます。
お顔色は悪くない。
お仕事もしっかりしていらっしゃる様子。
想っていたよりも体調が良さそうで少しだけ安心した私は、御主人様のお仕事が落ち着くまでその様子を静かに見守っていました。
一段落されたのか、お仕事道具を仕舞い、私の顔を見てメニューを差し出される御主人様。
体調は昨日よりも落ち着かれたとの事で、いつものように優しい笑顔を見せて下さいました。
もちろん本調子ではないのかもしれませんが、我慢をされている様子も、無理をされている様子もありません。
私は御主人様の様子を時折観察しながら、運ばれて来たお料理をお皿へと取り分けます。
何気ない会話。
よく笑って下さる御主人様。
最近はまた特にお忙しそうだったので、疲れが溜まっているのではないかと心配ばかりしていましたが。
私が想っていたよりお元気そうな様子で、私も嬉しくなって食事を愉しみました。
食事を終えた御主人様と私は、ホテルのフロントへ移動し、チェックインの手続きを行います。
ホテルを探すのも、予約をするのも、チェックインをするのも全て愛奴の役目。
書類にサインをする私の横で、御主人様はホテルのパンフレットを見ながら、載っている動物の写真に興味津々のご様子。
それが何だかとても可愛らしくて。
お元気な御主人様の御姿に、幸せな気分になっていました。
今回は事前にホテルに送っておいたスーツケース。
たまに空港で開けなければいけない事態に陥るので、それを避ける為の対策を講じてみたのです。
それに体力のない私にとっては、重い荷物に振り回されずに済む良策。
もっと早くこうすれば良かったと御主人様とお話していた程でした。
暫く待っていると、送付しておいたスーツケースをフロントの方が持って来て下さいます。
それは運送会社の大きなビニールに包まれていて、タイヤまで覆われてしまい、なかなかスムーズに運ぶ事が出来ません。
その不自由さと重さに一人で振り回されていると、数歩先を歩かれていた御主人様が、ご自分のコートを私に預けてこられました。
そして何も言わず私から持ち手を奪い取ると、ビニールに包まれてタイヤの動かないまま、スーツケースを引き摺って行かれたのです。
絨毯の上を滑って行く、タイヤの動かないスーツケース。
どんどんと歩いて行かれる御主人様。
その少し可笑しな光景に、私は御主人様の優しさと力強さを感じて。
お預かりしたコートの匂いに包まれながら、こっそりと暖かい気持ちになっていました。
それぞれに身支度を始めた御主人様と私。
開いただけで中身を使わなかったスーツケースのジッパーを閉じながら、使用して頂いた穴は一つだけだったなと想い返していました。
けれどそれは葛藤や落胆ではなく。
御主人様のお気持ちのままに在る事が私の悦びであるのだから、その事実を当然の事として受け入れられるようになりたいという素直な想いでした。
今はまだそうなれず、今日も私の感情は嵐のように忙しく表情を変え続けていましたから。
何度決意をしても、なかなかそこには辿り着けない。
そんな自分を十分過ぎる程に理解している私は、呆れた小さな笑いを心の中で繰り返しながら、クローゼットから取り出したジャケットとコートを御主人様の背中に掛けました。
うなじから見えるお顔色も悪くないし、お疲れになっている様子もない。
御主人様がお元気である事を確認した私は、元通りに閉じたスーツケースを引き、その背中に続いてお部屋を後にしました。
荷物をホテルのフロントに預けて身軽になった私は、ようやく御主人様の腕に掴まります。
いつものように引き摺られるように歩きながら、相変わらず人の多い電車へと乗り込みました。
御主人様と一緒に座れる事は殆どないのですが、この時は久しぶりに並んで座る事が出来たのです。
狭い座席に、体の側面が御主人様に触れている…。
それだけでも嬉しくて堪らないのに、御主人様は電車の揺れに任せて、そのまま私に体重を預けてこられました。
その幸福感に、くすくすと小さく笑う私。
愛おしい…愛おしくて愛おしくて堪らない。
このままずっと電車が走り続けてくれたらいいのに…。
満員電車の中での密かな御主人様とのやりとりは、余りの愛おしさに私を押し潰してしまいそうでした。
けれど毎度の私の願いは叶う筈もなく、人の流れと共にホームへと押し出されて行きます。
歩くのが速い御主人様。
歩くのが極端に遅い私。
直ぐに広がってしまうその距離感を知っている御主人様は、何度も振り返っては、私がついて来ているかを確認して下さいます。
けれど私が御主人様の腕に掴まるより早く御主人様は歩き出されてしまうので、その行動は幾度となく繰り返されていました。
空港に到着した御主人様と私。
いつものように食事をしながら、色んなお話をして下さる御主人様。
博学な御主人様は、私の知らない事を沢山御存知で。
御主人様の事を尊敬する一方で、如何に自分の見て来た世界が小さかったのか、自分の視野の狭さを痛感する。
それはいつもの事なのですが、この時の私はいつも以上にひねくれてしまっていました。
御主人様が私に色んな事を教えて下さる。
嬉しい。
御主人様が見ていらっしゃる世界を私に教えて下さる事が嬉しい。
御主人様はやっぱり凄い。
凄い…。
けれど...。
私はその隣には並べない。
愛奴なのだから隣に並びたいだなんて烏滸がましい。
それは当然の事。
当然の事なのだけれど…。
「ああ、そうか…私は御主人様の隣に並びたかったんだ…」
そう自分の心と向き合ってしまった私には、メニューを相談して下さっている御主人様の言葉が頭に入って来ません。
こんな事を想ってしまう事自体、馬鹿げている。
スーツケースを閉じる時にも、その御心のままに在りたいと望んだばかりなのに。
御主人様の何気ない御言葉一つで、私の心はまた大嵐となっていたのです。
「形式的なものばかりに目を向けていると、足元の大事なものが見えなくなる。
私の心を独占しておいて、その他に何を独占したいと望むのか」
御主人様に見つけて頂いて間もない頃。
まだそのお考えをきちんと理解出来ずにきゃんきゃんと鳴き喚いていた頃に頂いた御言葉。
その時の私にはよく理解出来なかったけれど、こうして行き詰まった時には必ず想い出して、御主人様の御心の下にある自分という物を見つめ直します。
私は何処まで行っても馬鹿で仕方なくて、直ぐにその行き先を見失ってしまいがちですから。
御主人様の御言葉は、全て御主人様からの教え。
その御心の通り、御主人様はいつもいつでも私を大事にして下さっている。
それが違った事等、唯の一度もない。
そう解っているからこそ、そう在れない自分が苦しくて堪らなくて。
ぐっとこみ上げてくる物を一旦落ち着かせようと、トイレに行こうかと想った時。
「ぼうっとしてどうしたのですか」
ろくに返事もしない愛奴に、御主人様がこちらを見ていらっしゃいました。
私はポーカーフェイスが出来る程、大人ではありませんし、それが御主人様の前なら尚の事。
けれど指摘される程の表情をしていたのかと驚いた私は、溢れる寸前だった気持ちをぐっと飲み込みます。
せっかくの御主人様との時間を壊してはいけない。
御主人様に悦んで頂く事が、愛奴である私の努めなのだから。
せめてそれくらいは出来る愛奴であろうと、必死に自分をコントロールしていました。
けれど御主人様はそんな愛奴に気が付かれていたのかもしれません。
食事を終え、後ろをちょこまかとついて来る私に、立ち止まってその腕を差し出して下さったのです。
見えているのは御主人様の背中と、私が掴まりやすいように軽く曲げられた右腕。
真っ直ぐ正面を見据えていらっしゃる御主人様は、まるでバージンロードか何かのよう。
初めて見る光景に驚き、悦び、私はその優しさが嬉しくて、苦しくて。
おもいきり飛びついてはしゃぐ愛奴の太腿を優しく叩きながら、御主人様と私は手荷物検査場へと歩いて行きました。
あっという間に迫る時間。
いつもは検査場のだいぶ手前で見送って下さる御主人様は、この日はぎりぎりの所まで一緒に来て下さっていました。
それだけで嬉しくて堪らない。
行ってきなさいという御言葉の代わりに、また太腿を叩かれます。
私は「行ってきます」とお返事をして、駄々を捏ねる事なく、力強く歩き出しました。
時折振り返りながら、見送って下さっている御主人様に大きく手を振る。
私、もっと頑張ります。
もっともっと愛奴として精進して行きます。
御主人様の為に。
御主人様の為だけに。
御主人様の為に生きて行きますから。
そんな決意を掌に込めて、御主人様へ届くように大きく手を振りました。
検査を終え、それぞれに歩き出した御主人様と私。
いつもは寂しさが襲って来ますが、この時ばかりは胸を撫で下ろしていました。
我慢出来た…。
醜い姿を御主人様の前に出さず抑えられたと、私は妙な安堵感を覚えていたのです。
今回の調教は、私自身の葛藤調教。
御主人様は、「葛藤する必要がない事を理解しなければなりませんね」と言って下さいましたが、心は相変わらず言う事を聞いてくれません。
私はまだまだ駄目な愛奴ですが、御主人様の自慢の愛奴でいられるよう、もっともっと清く在りたい。
そう想い、覗いた飛行機の小さな窓には、幾つもの雨の雫。
それはまるで私が飲み込んだ物のように、真っ暗な空へと流れて行きました。
18度目の調教はこれにて終了となります。
周回遅れもなんとか追いつき、19度目の調教は前回分となりました。
既に決定している次回の調教までに、極力書いておきたいと思っていますので、見守って頂けると幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
19度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
開いただけで中身を使わなかったスーツケースのジッパーを閉じながら、使用して頂いた穴は一つだけだったなと想い返していました。
けれどそれは葛藤や落胆ではなく。
御主人様のお気持ちのままに在る事が私の悦びであるのだから、その事実を当然の事として受け入れられるようになりたいという素直な想いでした。
今はまだそうなれず、今日も私の感情は嵐のように忙しく表情を変え続けていましたから。
何度決意をしても、なかなかそこには辿り着けない。
そんな自分を十分過ぎる程に理解している私は、呆れた小さな笑いを心の中で繰り返しながら、クローゼットから取り出したジャケットとコートを御主人様の背中に掛けました。
うなじから見えるお顔色も悪くないし、お疲れになっている様子もない。
御主人様がお元気である事を確認した私は、元通りに閉じたスーツケースを引き、その背中に続いてお部屋を後にしました。
荷物をホテルのフロントに預けて身軽になった私は、ようやく御主人様の腕に掴まります。
いつものように引き摺られるように歩きながら、相変わらず人の多い電車へと乗り込みました。
御主人様と一緒に座れる事は殆どないのですが、この時は久しぶりに並んで座る事が出来たのです。
狭い座席に、体の側面が御主人様に触れている…。
それだけでも嬉しくて堪らないのに、御主人様は電車の揺れに任せて、そのまま私に体重を預けてこられました。
その幸福感に、くすくすと小さく笑う私。
愛おしい…愛おしくて愛おしくて堪らない。
このままずっと電車が走り続けてくれたらいいのに…。
満員電車の中での密かな御主人様とのやりとりは、余りの愛おしさに私を押し潰してしまいそうでした。
けれど毎度の私の願いは叶う筈もなく、人の流れと共にホームへと押し出されて行きます。
歩くのが速い御主人様。
歩くのが極端に遅い私。
直ぐに広がってしまうその距離感を知っている御主人様は、何度も振り返っては、私がついて来ているかを確認して下さいます。
けれど私が御主人様の腕に掴まるより早く御主人様は歩き出されてしまうので、その行動は幾度となく繰り返されていました。
空港に到着した御主人様と私。
いつものように食事をしながら、色んなお話をして下さる御主人様。
博学な御主人様は、私の知らない事を沢山御存知で。
御主人様の事を尊敬する一方で、如何に自分の見て来た世界が小さかったのか、自分の視野の狭さを痛感する。
それはいつもの事なのですが、この時の私はいつも以上にひねくれてしまっていました。
御主人様が私に色んな事を教えて下さる。
嬉しい。
御主人様が見ていらっしゃる世界を私に教えて下さる事が嬉しい。
御主人様はやっぱり凄い。
凄い…。
けれど...。
私はその隣には並べない。
愛奴なのだから隣に並びたいだなんて烏滸がましい。
それは当然の事。
当然の事なのだけれど…。
「ああ、そうか…私は御主人様の隣に並びたかったんだ…」
そう自分の心と向き合ってしまった私には、メニューを相談して下さっている御主人様の言葉が頭に入って来ません。
こんな事を想ってしまう事自体、馬鹿げている。
スーツケースを閉じる時にも、その御心のままに在りたいと望んだばかりなのに。
御主人様の何気ない御言葉一つで、私の心はまた大嵐となっていたのです。
「形式的なものばかりに目を向けていると、足元の大事なものが見えなくなる。
私の心を独占しておいて、その他に何を独占したいと望むのか」
御主人様に見つけて頂いて間もない頃。
まだそのお考えをきちんと理解出来ずにきゃんきゃんと鳴き喚いていた頃に頂いた御言葉。
その時の私にはよく理解出来なかったけれど、こうして行き詰まった時には必ず想い出して、御主人様の御心の下にある自分という物を見つめ直します。
私は何処まで行っても馬鹿で仕方なくて、直ぐにその行き先を見失ってしまいがちですから。
御主人様の御言葉は、全て御主人様からの教え。
その御心の通り、御主人様はいつもいつでも私を大事にして下さっている。
それが違った事等、唯の一度もない。
そう解っているからこそ、そう在れない自分が苦しくて堪らなくて。
ぐっとこみ上げてくる物を一旦落ち着かせようと、トイレに行こうかと想った時。
「ぼうっとしてどうしたのですか」
ろくに返事もしない愛奴に、御主人様がこちらを見ていらっしゃいました。
私はポーカーフェイスが出来る程、大人ではありませんし、それが御主人様の前なら尚の事。
けれど指摘される程の表情をしていたのかと驚いた私は、溢れる寸前だった気持ちをぐっと飲み込みます。
せっかくの御主人様との時間を壊してはいけない。
御主人様に悦んで頂く事が、愛奴である私の努めなのだから。
せめてそれくらいは出来る愛奴であろうと、必死に自分をコントロールしていました。
けれど御主人様はそんな愛奴に気が付かれていたのかもしれません。
食事を終え、後ろをちょこまかとついて来る私に、立ち止まってその腕を差し出して下さったのです。
見えているのは御主人様の背中と、私が掴まりやすいように軽く曲げられた右腕。
真っ直ぐ正面を見据えていらっしゃる御主人様は、まるでバージンロードか何かのよう。
初めて見る光景に驚き、悦び、私はその優しさが嬉しくて、苦しくて。
おもいきり飛びついてはしゃぐ愛奴の太腿を優しく叩きながら、御主人様と私は手荷物検査場へと歩いて行きました。
あっという間に迫る時間。
いつもは検査場のだいぶ手前で見送って下さる御主人様は、この日はぎりぎりの所まで一緒に来て下さっていました。
それだけで嬉しくて堪らない。
行ってきなさいという御言葉の代わりに、また太腿を叩かれます。
私は「行ってきます」とお返事をして、駄々を捏ねる事なく、力強く歩き出しました。
時折振り返りながら、見送って下さっている御主人様に大きく手を振る。
私、もっと頑張ります。
もっともっと愛奴として精進して行きます。
御主人様の為に。
御主人様の為だけに。
御主人様の為に生きて行きますから。
そんな決意を掌に込めて、御主人様へ届くように大きく手を振りました。
検査を終え、それぞれに歩き出した御主人様と私。
いつもは寂しさが襲って来ますが、この時ばかりは胸を撫で下ろしていました。
我慢出来た…。
醜い姿を御主人様の前に出さず抑えられたと、私は妙な安堵感を覚えていたのです。
今回の調教は、私自身の葛藤調教。
御主人様は、「葛藤する必要がない事を理解しなければなりませんね」と言って下さいましたが、心は相変わらず言う事を聞いてくれません。
私はまだまだ駄目な愛奴ですが、御主人様の自慢の愛奴でいられるよう、もっともっと清く在りたい。
そう想い、覗いた飛行機の小さな窓には、幾つもの雨の雫。
それはまるで私が飲み込んだ物のように、真っ暗な空へと流れて行きました。
18度目の調教はこれにて終了となります。
周回遅れもなんとか追いつき、19度目の調教は前回分となりました。
既に決定している次回の調教までに、極力書いておきたいと思っていますので、見守って頂けると幸いです。
いつも当ブログに足を運んで下さり、ありがとうございます。
19度目の調教も宜しくお願い致します。
愛奴
私を腕の中へと迎え入れて下さった御主人様は、目を閉じながら、5分後に起こすようにと指示をされます。
けれど御主人様がお疲れである事を知っている私は、一眠りして頂きたいと想い、そのまま一緒に眠ってしまいました。
目が覚めたのは約1時間後。
まだすやすやと眠っていらっしゃる御主人様を起こさないように、そっとベッドを抜け出した私は、脱いだままになっているお洋服を整えたり、お風呂の準備をしたり。
そうしてバスタブにお湯が溜まった事を確認し、バスルームから出てきた時、突然御主人様が起き上がられたのです。
今まで見た事もないようなスムーズな寝起きに、ある程度は眠って頂けたのだと安堵する私。
お風呂の準備が出来ている事をお伝えすると、御主人様は直ぐに入浴されました。
いつもより少し広めのバスタブ。
御主人様は脚を伸ばして寛がれ、私はその向かいにあるトイレに座り、その様子を見守ります。
そうして一頻り温まられた御主人様に合わせて私も立ち上がり、広げたバスタオルに御主人様の御身体を包み込みました。
両手両脚を広げていらっしゃる御主人様の周りをちょこまかと動き、その水分を綺麗に拭き取ります。
そうしてバスルームを出て行かれる御主人様の後を追い、私もお部屋へと戻りました。
再びベッドへ戻られた御主人様。
そのお傍に座る私。
何をするでもなく、穏やかに時間は流れて行きます。
まだチェックアウトの時間までは十分な余裕がありましたが、御主人様のご様子から、私を使うお気持ちではない事は明白でした。
御主人様がそうされたいのだから、そうなのだと。
自分の中に頭をもたげてくる我儘な感情に言い聞かせてはみましたが、未熟な私はなかなか言う事を聞いてくれません。
そんな自分が嫌で嫌で。
次第に心は黒い雲で覆われて行きました。
そんな愛奴を知ってか知らずか、ベッドに置いてあった大きな抱き枕の片方に頭を乗せられる御主人様。
その空いている隣は、私の場所として用意して下さっているようでした。
けれど浅はかな感情に支配されている私は、そこに飛び込む事が出来ません。
自分の気持ちすらもコントロール出来ない愛奴。
そもそもコントロールしなければいけないような状態である事自体がおかしい。
御主人様のお気持ちのままに在る事が、私の悦びである筈なのに…。
そんな葛藤で動けなくなった馬鹿な私にも理解しやすいよう、御主人様は更にあからさまに抱き枕の端に寄って下さいました。
まるで「早く来なさい」と仰って下さっているかのよう。
そのお気持ちが嬉しくて嬉しくて…。
心を覆っていた雲は一気に晴れて、私は御主人様の隣にようやく行く事が出来たのです。
ふわふわの抱き枕に並んだ御主人様と愛奴。
私が好きな事を中心にお話して下さる御主人様の優しさが嬉しくて堪らなくて。
小さな事で拗ねていた自分の未熟さを反省しながら、優しい時間は緩やかに流れて行きました。
御主人様のご希望で、先程よりも少し熱めのお湯を用意した私。
再びバスタブに浸かられた御主人様は、今度は脚を折りたたんで、トイレに座る私と向かい合っていました。
御主人様の隣に、ぽかんと空いている空間。
それは私がすっぽり収まりそうな空間でしたが、私はやはり動く事が出来ずにいました。
「自我を持つことは認めない」
そう以前に仰った事が、ずっと心に突き刺さっているのです。
それはマイナスなイメージではなく、私がずっと心に留めておかなくてはいけない事。
きっと私がそこに入っても御主人様は私を咎められないでしょう。
そう解ってはいましたが、自分の感情ばかりに流されている自分が情けなくて。
御主人様の隣に並ぶには、その時の私は余りに汚くて。
また私は動く事が出来ずにいました。
熱めのお湯に逆上せてしまいそうだったのか、早めにバスタブから出られた御主人様。
そのお身体を拭き上げると、御主人様は私を残してバスルームから出て行かれました。
いつもは私も軽くお湯を浴びるのですが、この時はそうはしませんでした。
何も出来ない私に出来る事は、御主人様の御命令に忠実である事だけのような気がしていたのです。
けれど御主人様がお疲れである事を知っている私は、一眠りして頂きたいと想い、そのまま一緒に眠ってしまいました。
目が覚めたのは約1時間後。
まだすやすやと眠っていらっしゃる御主人様を起こさないように、そっとベッドを抜け出した私は、脱いだままになっているお洋服を整えたり、お風呂の準備をしたり。
そうしてバスタブにお湯が溜まった事を確認し、バスルームから出てきた時、突然御主人様が起き上がられたのです。
今まで見た事もないようなスムーズな寝起きに、ある程度は眠って頂けたのだと安堵する私。
お風呂の準備が出来ている事をお伝えすると、御主人様は直ぐに入浴されました。
いつもより少し広めのバスタブ。
御主人様は脚を伸ばして寛がれ、私はその向かいにあるトイレに座り、その様子を見守ります。
そうして一頻り温まられた御主人様に合わせて私も立ち上がり、広げたバスタオルに御主人様の御身体を包み込みました。
両手両脚を広げていらっしゃる御主人様の周りをちょこまかと動き、その水分を綺麗に拭き取ります。
そうしてバスルームを出て行かれる御主人様の後を追い、私もお部屋へと戻りました。
再びベッドへ戻られた御主人様。
そのお傍に座る私。
何をするでもなく、穏やかに時間は流れて行きます。
まだチェックアウトの時間までは十分な余裕がありましたが、御主人様のご様子から、私を使うお気持ちではない事は明白でした。
御主人様がそうされたいのだから、そうなのだと。
自分の中に頭をもたげてくる我儘な感情に言い聞かせてはみましたが、未熟な私はなかなか言う事を聞いてくれません。
そんな自分が嫌で嫌で。
次第に心は黒い雲で覆われて行きました。
そんな愛奴を知ってか知らずか、ベッドに置いてあった大きな抱き枕の片方に頭を乗せられる御主人様。
その空いている隣は、私の場所として用意して下さっているようでした。
けれど浅はかな感情に支配されている私は、そこに飛び込む事が出来ません。
自分の気持ちすらもコントロール出来ない愛奴。
そもそもコントロールしなければいけないような状態である事自体がおかしい。
御主人様のお気持ちのままに在る事が、私の悦びである筈なのに…。
そんな葛藤で動けなくなった馬鹿な私にも理解しやすいよう、御主人様は更にあからさまに抱き枕の端に寄って下さいました。
まるで「早く来なさい」と仰って下さっているかのよう。
そのお気持ちが嬉しくて嬉しくて…。
心を覆っていた雲は一気に晴れて、私は御主人様の隣にようやく行く事が出来たのです。
ふわふわの抱き枕に並んだ御主人様と愛奴。
私が好きな事を中心にお話して下さる御主人様の優しさが嬉しくて堪らなくて。
小さな事で拗ねていた自分の未熟さを反省しながら、優しい時間は緩やかに流れて行きました。
御主人様のご希望で、先程よりも少し熱めのお湯を用意した私。
再びバスタブに浸かられた御主人様は、今度は脚を折りたたんで、トイレに座る私と向かい合っていました。
御主人様の隣に、ぽかんと空いている空間。
それは私がすっぽり収まりそうな空間でしたが、私はやはり動く事が出来ずにいました。
「自我を持つことは認めない」
そう以前に仰った事が、ずっと心に突き刺さっているのです。
それはマイナスなイメージではなく、私がずっと心に留めておかなくてはいけない事。
きっと私がそこに入っても御主人様は私を咎められないでしょう。
そう解ってはいましたが、自分の感情ばかりに流されている自分が情けなくて。
御主人様の隣に並ぶには、その時の私は余りに汚くて。
また私は動く事が出来ずにいました。
熱めのお湯に逆上せてしまいそうだったのか、早めにバスタブから出られた御主人様。
そのお身体を拭き上げると、御主人様は私を残してバスルームから出て行かれました。
いつもは私も軽くお湯を浴びるのですが、この時はそうはしませんでした。
何も出来ない私に出来る事は、御主人様の御命令に忠実である事だけのような気がしていたのです。
ペニスのお掃除が終わると、ネクタイを外すようにと仰る御主人様。
私はやはり少し緊張して、その首元にそっと手を添えました。
前回、その解き方を教えて頂いていましたが、やっぱり上手く出来なくて...
御主人様に手伝って頂きながら、何とかネクタイを解く事が出来ました。
すると今度は、その両手が私に向かって差し出されます。
その意味を理解する事は直ぐに出来ましたが、私はまた一人、戸惑ってしまいました。
何故なら男性のカフスボタンを外した事なんて、人生で一度もなかったからです。
ただ、ボタンを外すだけ。
たったそれだけの事なのに。
「調教中」の御主人様は、まだ薄暗い冬の早朝の空気のようにピンと張り詰めていて。
私はその心地の好い息苦しさに、いつも自分が夢の中にいるような心地になるのです。
もたつく指先でなんとかカフスのボタンを外した私は、そのまま続けて前立てのボタンを一つ一つ外して行きます。
「役に立てて嬉しいでしょう?」と御主人様が優しく尋ねて下さいました。
衣服を整える事。
お風呂の準備をする事。
お身体をバスタオルで拭き上げる事。
お酒をグラスに注ぐ事。
そのどれもが御主人様に関われる事であり、私にとっては全て大事な行動。
けれどもっとお役に立ちたいと想ってしまうのは、いつもの欲張りな私の願いなのだと自覚して、はい、と小さくお返事をしました。
衣服を脱がれた御主人様は、キングサイズのベッドにうつ伏せになられます。
清潔なシーツが気持ちが良いと、ベッドいっぱいに手足を伸ばされるものだから、置かれているたくさんのクッションが小さく揺れていました。
その御姿が余りに可愛らしく、私はその後方でひっそりと微笑んでいました。
御主人様がうつ伏せになられた時は、マッサージの合図(である事が殆ど)。
私はスーツケースからいつものオイルを取り出し、先程、太腿に感じた冷たい足先から指圧を始めます。
足の裏から脹脛、腰…
その時ふと、自分の太腿をゆっくりと伝っていく雫に気が付きました。
一瞬、オイルを零してしまったかと焦ったのですが、それは私の脚の間から糸を引いている様子。
うつ伏せになっていらっしゃる御主人様に気付かれないように、そっと指先で触れてみました。
溢れた粘液で、直接肌に触れられない…。
そこは濃厚な愛撫を受けたかのように、熱く熱く蕩けていました。
勿論、自分で弄った訳でも、御主人様に触れて頂いた訳でも使用して頂いた訳でもありません。
御奉仕をさせて頂く事に悦びを感じるようになった私は、いつの頃からか、御奉仕のみでおまんこを濡らすようになっていました。
マッサージが一段落すると、身体が冷えたから覆い被さるようにと御主人様が仰います。
私にお布団代わりになるようにと御命令されているのです。
私はその嬉しい御命令に飛び込みたい気持ちを少しだけ抑えながら、御主人様の背中に自分の乳房を押し当てました。
ぴったりと重なった、御主人様と私。
腕の中に潜り込むのとはまた違った感触に、私は暫くそのままでいたかったのですけれど。
案の定、重いからどいて下さいと丁寧にお断りされてしまいました。
御主人様は細身でいらっしゃいますし、大人が丸ごと乗ったら誰でも重いに決まっています。
私はもう少しお布団になっていたかったと想いながら、そのまま御主人様の真横にころんと転がりました。
すると先程までその背中に押し付けられて潰れていた乳房を、御主人様がぎゅっと掴んで下さいます。
私のお腹をぺちぺちと叩かれたり、太腿のお肉も掴まれて。
私は御主人様の横で、ころころと笑い転げていました。
私はやはり少し緊張して、その首元にそっと手を添えました。
前回、その解き方を教えて頂いていましたが、やっぱり上手く出来なくて...
御主人様に手伝って頂きながら、何とかネクタイを解く事が出来ました。
すると今度は、その両手が私に向かって差し出されます。
その意味を理解する事は直ぐに出来ましたが、私はまた一人、戸惑ってしまいました。
何故なら男性のカフスボタンを外した事なんて、人生で一度もなかったからです。
ただ、ボタンを外すだけ。
たったそれだけの事なのに。
「調教中」の御主人様は、まだ薄暗い冬の早朝の空気のようにピンと張り詰めていて。
私はその心地の好い息苦しさに、いつも自分が夢の中にいるような心地になるのです。
もたつく指先でなんとかカフスのボタンを外した私は、そのまま続けて前立てのボタンを一つ一つ外して行きます。
「役に立てて嬉しいでしょう?」と御主人様が優しく尋ねて下さいました。
衣服を整える事。
お風呂の準備をする事。
お身体をバスタオルで拭き上げる事。
お酒をグラスに注ぐ事。
そのどれもが御主人様に関われる事であり、私にとっては全て大事な行動。
けれどもっとお役に立ちたいと想ってしまうのは、いつもの欲張りな私の願いなのだと自覚して、はい、と小さくお返事をしました。
衣服を脱がれた御主人様は、キングサイズのベッドにうつ伏せになられます。
清潔なシーツが気持ちが良いと、ベッドいっぱいに手足を伸ばされるものだから、置かれているたくさんのクッションが小さく揺れていました。
その御姿が余りに可愛らしく、私はその後方でひっそりと微笑んでいました。
御主人様がうつ伏せになられた時は、マッサージの合図(である事が殆ど)。
私はスーツケースからいつものオイルを取り出し、先程、太腿に感じた冷たい足先から指圧を始めます。
足の裏から脹脛、腰…
その時ふと、自分の太腿をゆっくりと伝っていく雫に気が付きました。
一瞬、オイルを零してしまったかと焦ったのですが、それは私の脚の間から糸を引いている様子。
うつ伏せになっていらっしゃる御主人様に気付かれないように、そっと指先で触れてみました。
溢れた粘液で、直接肌に触れられない…。
そこは濃厚な愛撫を受けたかのように、熱く熱く蕩けていました。
勿論、自分で弄った訳でも、御主人様に触れて頂いた訳でも使用して頂いた訳でもありません。
御奉仕をさせて頂く事に悦びを感じるようになった私は、いつの頃からか、御奉仕のみでおまんこを濡らすようになっていました。
マッサージが一段落すると、身体が冷えたから覆い被さるようにと御主人様が仰います。
私にお布団代わりになるようにと御命令されているのです。
私はその嬉しい御命令に飛び込みたい気持ちを少しだけ抑えながら、御主人様の背中に自分の乳房を押し当てました。
ぴったりと重なった、御主人様と私。
腕の中に潜り込むのとはまた違った感触に、私は暫くそのままでいたかったのですけれど。
案の定、重いからどいて下さいと丁寧にお断りされてしまいました。
御主人様は細身でいらっしゃいますし、大人が丸ごと乗ったら誰でも重いに決まっています。
私はもう少しお布団になっていたかったと想いながら、そのまま御主人様の真横にころんと転がりました。
すると先程までその背中に押し付けられて潰れていた乳房を、御主人様がぎゅっと掴んで下さいます。
私のお腹をぺちぺちと叩かれたり、太腿のお肉も掴まれて。
私は御主人様の横で、ころころと笑い転げていました。
私の舌に包まれたまま、離れてしまわないようにゆっくりと椅子に腰掛けて下さる御主人様。
その脚の間に座り込んだ私は、より本格的に御奉仕を始めました。
耳に届くのは、紙幣の擦れる音。
いつものように十枚ずつ数えられては、テーブルの上に置かれて行きます。
けれど前回の調教から一ヵ月しかなかった為、その量は決して多くはありません。
もちろん御主人様もその事は御存知なのですが、どうしても悦んで頂きたかった想いが強くて。
私は申し訳ない気持ちになりながら、心を込めて御奉仕を続けました。
次第に反応が露わになる御主人様のペニス。
私の口内に根元まで収められる大きさではありませんが、その悦びを示すように脈打っています。
御主人様のお好きな所。
もっと吸い付くようにとの御命令に従うと、その味が突然変わりました。
御主人様が悦んで下さっている…。
そう想うと、更に御奉仕に熱が入ります。
だけどゆっくり、ゆっくり。
急いでしまわないよう、丁寧に丁寧に舌を這わせて行きました。
御主人様は御奉仕をさせて下さる時、気持ち良くさせないように、逝かせないようにといつも仰います。
以前にも言いましたが、私はそれまでフェラチオが好きではなかったし、その行為について深く考えた事もありませんでした。
だからその時は御主人様の意図がよく解らなかったし、逝かせる事が全てだと想っていたのです。
けれど御主人様に指導して頂くようになり、こうしてその時の状況を改めて想い出しながら自分を見つめ直す事で、御主人様のお考えを自分のものとする事が出来るようになりました。
御奉仕に私の気持ちを込める事。
私の忠誠心を、自ら御主人様へお伝え出来る方法である事。
だからその行為は自然と丁寧に、時間を掛けて慈しむ物とへ変わっていったのです。
そんな想いを込めながら更に深く咥えると、口内は一気に御主人様の味となりました。
その間も細かく指示を頂きます。
舌を休ませないように。
丁寧に、丁寧に。
そうして溢れる唾液と想いを込めて御奉仕を続けていると、どうやらその限界が近付かれた様子。
「口に出してやるからもっと早く動かしなさい」と、嬉しい御命令を頂きました。
私が御主人様の精子を頂ける悦びにその動きを速めると、程なくして口内は御主人様でいっぱいとなります。
鼻にふんわりと抜ける優しい匂い。
口にいっぱいのジュースを含んだかのような状態の私は、仕方なくその液体を喉へと流し混みました。
本当はもっと味わっていたいのだけれど、そうしていると御主人様のお掃除が出来ません。
口内に残った精子の味を隅々まで舌で掻き集めながら、御主人様のペニスに残っている粘液を舐めとって行きました。
その脚の間に座り込んだ私は、より本格的に御奉仕を始めました。
耳に届くのは、紙幣の擦れる音。
いつものように十枚ずつ数えられては、テーブルの上に置かれて行きます。
けれど前回の調教から一ヵ月しかなかった為、その量は決して多くはありません。
もちろん御主人様もその事は御存知なのですが、どうしても悦んで頂きたかった想いが強くて。
私は申し訳ない気持ちになりながら、心を込めて御奉仕を続けました。
次第に反応が露わになる御主人様のペニス。
私の口内に根元まで収められる大きさではありませんが、その悦びを示すように脈打っています。
御主人様のお好きな所。
もっと吸い付くようにとの御命令に従うと、その味が突然変わりました。
御主人様が悦んで下さっている…。
そう想うと、更に御奉仕に熱が入ります。
だけどゆっくり、ゆっくり。
急いでしまわないよう、丁寧に丁寧に舌を這わせて行きました。
御主人様は御奉仕をさせて下さる時、気持ち良くさせないように、逝かせないようにといつも仰います。
以前にも言いましたが、私はそれまでフェラチオが好きではなかったし、その行為について深く考えた事もありませんでした。
だからその時は御主人様の意図がよく解らなかったし、逝かせる事が全てだと想っていたのです。
けれど御主人様に指導して頂くようになり、こうしてその時の状況を改めて想い出しながら自分を見つめ直す事で、御主人様のお考えを自分のものとする事が出来るようになりました。
御奉仕に私の気持ちを込める事。
私の忠誠心を、自ら御主人様へお伝え出来る方法である事。
だからその行為は自然と丁寧に、時間を掛けて慈しむ物とへ変わっていったのです。
そんな想いを込めながら更に深く咥えると、口内は一気に御主人様の味となりました。
その間も細かく指示を頂きます。
舌を休ませないように。
丁寧に、丁寧に。
そうして溢れる唾液と想いを込めて御奉仕を続けていると、どうやらその限界が近付かれた様子。
「口に出してやるからもっと早く動かしなさい」と、嬉しい御命令を頂きました。
私が御主人様の精子を頂ける悦びにその動きを速めると、程なくして口内は御主人様でいっぱいとなります。
鼻にふんわりと抜ける優しい匂い。
口にいっぱいのジュースを含んだかのような状態の私は、仕方なくその液体を喉へと流し混みました。
本当はもっと味わっていたいのだけれど、そうしていると御主人様のお掃除が出来ません。
口内に残った精子の味を隅々まで舌で掻き集めながら、御主人様のペニスに残っている粘液を舐めとって行きました。