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御主人様と愛奴 変態の日々の記録

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24度目の調教① ~御主人様とお散歩~

冬を前に、ぐっと冷え込んだ早朝。

前日に御主人様と服装の相談をしていた私は、準備していたワンピースに着替えて家を出ました。

ぴんと高い水色の空は、何処までも澄んだように広がって。

快晴のフライトは、私を何時もより早く御主人様の元へ運んでくれたのでした。




何時ものお店の、何時もの席。

すっかり秋冬の装いになられた御主人様は、今日もスーツ姿がとても素敵で。

周りの景色が本当に霞んで見える程。

「あれが私の御主人様?」

そう自分の目を疑った過去を想い出しながら、お向いの席へと座りました。




何時ものメニューと優しい会話。

穏やかな時間にリラックスされたのか、後で少し散歩をしようかと提案して下さる御主人様。

初めての事にきょとんとする私に、紅葉の程度を確かめたいのだと優しいお顔を見せて下さいます。

確かに今日は予定よりも早く到着していましたし、チェックインの時間までは少し余裕があります。

ですから、そのご提案に特別な意味はなかったのかもしれません。

それでも。

御主人様と一緒にまた違った時間を過ごせる事が、私にはとても特別な事に感じられて。

お店を後にした私は、御主人様の数歩後を着いて歩き出しました。

まるで見えないリードに引かれているように。




外は穏やかな秋晴れ。

少しひんやりと感じる空気に、御主人様の背中を追い掛けながら、緩やかな坂道を必死に登ります。

今日も歩みの遅い愛奴を何度も振り返りながら、私が着いて来ているかを確認して下さる御主人様。

まだ青い雑木の葉を確認しながら、他愛のない言葉を交わしていました。

本当はその腕に掴まらせて頂きたい。

けれど私の心は、ひっそりと冷たい風にざわめいていて。

それを掻き消すように明るく振る舞いながら、がむしゃらに足を動かしていたのですが。

緩やかな下り坂に差し掛かった時。

思わず足がもつれて御主人様の背中にぶつかってしまいました。

そんな愛奴を振り返り、怪訝そうな視線を向けられたのですが…。

「また転ぶのかと思いましたよ」

その一言が。

小さな私の心を、一気に吹き飛ばして行ったのです。




それは何度目の調教だったでしょう。

夕暮れ時、御主人様の腕に掴まりながら、駅までの坂道を下っていた時の事。

どんどんと歩いて行かれる御主人様に引きずられていた私は、予想通りにヒールで躓いてしまい…。

細身の御主人様に、全体重でぶら下がってしまいました。

けれど御主人様はしっかりと私を支えて下さって。

その力強さに胸を打たれた事は、私の中で大切な想い出の一つとなっていました。

その時と同じ。

馬鹿な愛奴を見下ろす視線と、その奥にある暖かい優しさ。

御主人様もあの時の事を覚えていて下さったのだと。

ぐっと込み上げる想いに、私の心は混乱していました。



【 2020/01/18 21:35 】

リアル調教  | コメント(0)  |

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